室内の換気を整え、においや湿気がこもるのを防いでくれる換気扇。
24時間つけっぱなしにしたいけれど、電気代がかかりそうだし、騒音トラブルにならないか気になる方もいるでしょう。
今回はアパートの換気扇をつけっぱなしにしたい方に向け、気になる注意点を解説します。よくあるトラブルと対処法をはじめ、掃除方法や故障したときの対応の仕方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
アパートの換気扇はどこにある?種類と役割を解説
基本的な水回り設備が揃ったアパートでは、換気扇は主にキッチン・トイレ・浴室の3カ所に設置されています。
それぞれの種類や役割について、場所ごとに詳しく見ていきましょう。
キッチンの換気扇
キッチンの換気扇はレンジフードとも呼ばれ、ガスコンロやIHクッキングヒーターの上についていることが多いです。
調理中に発生するにおいや煙を集め、外に排出する役割をもっています。
トイレの換気扇
トイレの換気扇は天井に設置されていることが多く、物件によっては24時間つけっぱなしで運転できるタイプもあります。
限られたスペースでにおいのこもりやすいトイレでは、換気扇も欠かせない設備です。
浴室の換気扇
浴室の換気扇も天井に設置されているのが一般的で、中には浴室を室内干しの場所として使える換気暖房乾燥機が備わった物件もあります。
浴室は湿気が多く、カビが生えやすい場所ですので、換気扇の使用頻度も高い場所です。
アパートの換気扇をつけっぱなしにするメリット
アパートの換気扇は、換気のためにつけっぱなしで使う方も多くいます。
換気扇をつけっぱなしにするメリットは、次の4つです。
- 結露やカビの発生を抑えられる
- 調理中のにおいを早く消せる
- 室内に生活臭がこもるのを抑える
- 害虫の侵入を防ぐ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
結露やカビの発生を抑えられる
換気扇をつけっぱなしにしておくと空気の流れをコントロールできるため、余分な湿度が溜まりにくくなって結露やカビの発生を抑えられます。
特に浴室は換気扇をつけっぱなしにしておくことで、早めに湯気を逃がして床や壁を乾かせるため、カビの予防に効果的です。
結露やカビの発生をさらに抑えるなら適度に窓を空けて換気を意識しつつ、換気扇もつけっぱなしにしておくとよいでしょう。
調理中のにおいを早く消せる
一人暮らしのアパートでよく自炊をする方は、換気扇をつけっぱなしにしておくのがおすすめです。
調理中の煙には油分が含まれ、それがカーテンや壁紙につくと長い間においが残る原因になってしまいます。
一方で、換気扇をつけっぱなしにしておくと煙が早めに排出されるため、室内ににおいが残るのを防いで快適に過ごしやすくなるでしょう。
室内に生活臭がこもるのを抑える
換気が不十分だと、いつの間にか室内に生活臭がこもってしまいます。
自分自身の生活臭は、指摘されるまで気がつかない場合もありますので、日常的に換気扇を回して生活臭がこもらないようにしておきましょう。
害虫の侵入を防ぐ
アパートでは、換気口が害虫の侵入経路になりやすいです。
しかし、換気扇をつけっぱなしにしてファンを常に回しておくことで、害虫の侵入を防ぎやすくなります。
換気扇をつけっぱなしにしておくのは、害虫対策にも効果的です。
アパートで換気扇をつけっぱなしにしたときの電気代
アパートで換気扇をつけっぱなしにしていても、電気代はそれほど高くなりません。
以下は、キッチン・お風呂・トイレの換気扇をそれぞれつけっぱなしにした場合の電気代を試算したものです。
| 場所 | 1ヶ月あたりの電気代 |
| キッチン※5W(常時)の場合 | 約115.2円/月 |
| お風呂※19.5W(弱)の場合 | 約432円/月 |
| トイレ※1.4W(弱)の場合 | 約28.8円/月 |
参考|Looopでんき「換気扇の電気代はどのくらいかかる?つけっぱなしのメリットや効率的に使うコツ」
運転モードを「強」にすると少し高くなりますが、多くの場合「常時」または「弱」運転で済むため、電気代の負担はさほど大きくありません。
電気代が気になる場合は、ほかの方法で節約しながら、換気扇をつけっぱなしにするメリットとあわせて運転方法を検討するとよいでしょう。
換気扇をつけっぱなしにしていると苦情がくる?
換気扇本体に異常がなければ、大抵の場合換気扇をつけっぱなしにしていても苦情を受けることはありません。
ただし、長期間掃除やメンテナンスをせずに状態でつけっぱなしにしていると、「ゴォー」というモーター音や「カラカラ」といった音が発生し、苦情につながることがあります。
換気扇をつけっぱなしにしたいときは運転音に異常がないか確認し、定期的な掃除やメンテナンスを心がけましょう。
アパートの換気扇でよくあるトラブルと対処法
アパートの換気扇は毎日使うことが多いため、不具合などのトラブルも発生しやすくなっています。
よくあるトラブルは、以下の5つです。
- 換気扇が動かない
- 換気扇から異音がする
- 換気扇から音漏れする
- 換気扇から外のにおいが入ってくる
- 害虫や鳥の侵入経路になる
それぞれ詳しく解説します。
換気扇が動かない
換気扇が突然動かなくなるのも、賃貸アパートではよくあるトラブルです。
一般的な換気扇の寿命はおよそ10年と言われており、この年数を超えると正常に動かなくなるなど、不具合が増えてきます。
築年数の経ったアパートに入居するときは、内見のときに設備類の年式やメンテナンス状況について確認しておきましょう。
換気扇から異音がする
換気扇から「カラカラ」という異音がする場合、換気扇内のモーターが破損している可能性があります。
また「ジー」という音がするときは、経年劣化や汚れの蓄積により、換気扇内部にサビが発生している可能性が高いです。
換気扇は日頃から掃除を心がけ、異音に気付いたらできるだけ早く大家さんや管理会社に連絡しましょう。
換気扇から音漏れする
換気扇からの音漏れも、アパートではよくあるトラブルです。
換気扇は壁に穴を開けて取り付ける設備のため、他の部分よりも防音効果が低くなります。
どうしても音漏れが気になる場合は、換気口用のサイレンサーを利用するのも効果的です。
ただし、賃貸アパートでは入居者が勝手に取り付けることはできないため、必ず大家さんや管理会社に相談してください。
換気扇から外のにおいが入ってくる
近隣に飲食店があったり、ガソリンスタンドなどの施設が近いアパートでよくあるのが、換気扇を通して外のにおいが入ってくるケースです。
換気扇を運転していないときは、室内に外のにおいが入りにくくなります。
外からのにおいが気になる場合は、換気扇をつけっぱなしにしないようにしましょう。
また、においの感じ方は個人差があり、入居後に気になっても対処が難しいです。
できるだけ内見のときに周囲の様子を確認し、においに関してトラブルになりそうな状態の物件は避けましょう。
害虫や鳥の侵入経路になる
換気扇は害虫の侵入経路になりやすく、中には鳥に巣をつくられていた、というケースもあります。
野鳥は鳥獣保護法で守られているため、巣に卵やヒナがいると勝手に撤去できません。
換気扇は都度様子を確認し、定期的な掃除やメンテナンスを心がけましょう。
アパートの換気扇の基本的な掃除方法
アパートの換気扇でのトラブルを防ぐには、定期的に掃除して状態を確認するのが最適です。
ここでは、キッチンでよく使われているシロッコファンと、プロペラファンの2つの換気扇を掃除するときの手順を紹介します。
シロッコファンの掃除方法
シロッコファンの掃除は、以下の手順で行います。
機種によって整流板の外し方が異なるため、できるだけ取扱説明書を手元に用意してから行いましょう。
なお、安全のため掃除をするときは必ず電源を切り、ファンが完全に停止している状態ではじめてください。
- 取扱説明書を確認し、整流板を外す
- 開口部にある、輪っか状の部品(ベルマウス)を外す
- ネジをゆるめ、シロッコファンを取り出す
- フィルター・整流板・ファンなどの部品を手洗いする
- 部品を乾かし、取り外したときと逆の手順で元に戻す
キッチンの場合、換気扇につく汚れの多くは油汚れです。
食器用中性洗剤やレンジフード用の専用洗剤を使い、しつこい汚れはつけ置き洗いで対応するとよいでしょう。
プロペラファンの掃除方法
プロペラファンは、シロッコファンよりも構造がシンプルなため、掃除も比較的簡単です。
- ファンの中央部分のネジ(スピンナー)を外す
- プロペラファンを手前に引き、本体から取り外す
- 前面のカバーを外す
- 取り外したパーツを手洗いする
- 外したときと逆の手順で元に戻す
プロペラ部分は無理に力をかけると変形しやすいため、外すときは力を入れすぎないようにしましょう。
また、プロペラがむき出しになっているため、プロペラファンはシロッコファンよりも汚れが目立ちやすいです。
つけ置き洗いなども活用し、丁寧に油汚れを落とすようにしましょう。
一人暮らしのアパートで換気扇を上手に使うコツ
一人暮らしのアパートで快適に住むためには、適切な換気が欠かせません。
上手に換気扇を使うコツとしては、以下の2つがあげられます。
- 1日に5分程度窓を開けて換気する
- 帰省などで長く留守にするときはつけっぱなしにする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1日に5分程度窓を開けて換気する
適度な換気は室内の湿度をコントロールし、いやなにおいやホコリ・ダニなどの有害物質も空気ごと入れ替えが可能です。
ただし、窓を開けての換気は在宅中に限り、換気後は閉め忘れに注意しましょう。
帰省などで長期間不在にするときはつけっぱなしにしておく
帰省などで長期間不在にする場合は、換気扇をつけっぱなしにしておくのがおすすめです。
特に湿気やにおいがこもりやすい浴室やトイレの換気扇は、害虫の侵入やにおいの発生を防ぐためにも、つけたままにしておくとよいでしょう。
賃貸アパートで換気扇が故障したらどうする?
賃貸アパートで換気扇が故障したら、次の3つに注意して対応します。
- 管理会社や大家さんに連絡する
- 掃除以外自分で修理しようとしない
- 故障サインを放置しない
いざというときに慌てないように、緊急連絡先や取扱説明書はすぐに取り出せるようにしておきましょう。
管理会社や大家さんに連絡する
換気扇に限らず、入居中の賃貸アパートで不具合が発生したら、まずは管理会社や大家さんに連絡しましょう。
賃貸アパートは大家さんや管理会社の所有物ですので、修理依頼も基本的に大家さんや管理会社が行います。
勝手に修理を依頼した場合、修理費用を請求できない場合が多いですので、忘れずに連絡しましょう。
自分で修理しようとしない
不具合を感じても、自分で勝手に修理してはいけません。
DIYに慣れていたとしても、自己判断で修理するとかえって影響が大きくなることもあります。
賃貸アパートの設備について、修理は大家さんや管理会社が依頼した業者に任せましょう。
故障サインを放置しない
異音や動き方の異常など、故障のサインに気が付いたらすぐに大家さんや管理会社に連絡しましょう。
連絡しないまま放置し、不具合の程度が重くなってしまうと退去時にまとまった修繕費用を請求される場合があります。
設備機器の故障サインは放置せず、すぐの連絡を心がけてください。
まとめ
賃貸アパートでは、物件によっては結露やカビに悩まされることもありますが、適度な換気を心がけることで湿度をコントロールし、快適に過ごすことができます。
アパートの換気扇は、つけっぱなしにしていても電気代に大きな影響はありません。
周囲への音が気にならないことを確認した上で、常時運転させることもおすすめです。
不具合を感じたときはすぐに大家さんや管理会社に連絡し、故障サインを放置しないように気をつけましょう。




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