一人暮らしでよく選ばれる間取りの1つに、1Kの間取りがあります。
物件も豊富で家賃も比較的手頃な価格帯が多いため、はじめての一人暮らしは1Kでスタートしようと考える方も多いでしょう。
しかし「手軽だから」「物件が多いから」という理由だけで間取りを決めてしまうと、住みはじめてから後悔するかもしれません。
今回は1Kの間取りの特徴やメリット・デメリットについて、詳しく解説します。
間取りとは
間取りとは住まいの配置を示したもので、室内がどのような部屋割りでレイアウトされ、どの程度の広さが備わっているかをあらわすもの。
間取りは数字とアルファベットで表示され、数字は居室の数、アルファベットはキッチンやダイニング・リビングといった部屋の用途を示す記号です。
たとえば1Kなら1部屋+キッチンの間取り。
1DKなら1部屋+ダイニング+キッチンで、2LDKは2部屋+リビング+ダイニング+キッチンです。
物件探しで間取りの種類を見るときは、数字とアルファベットの内容に注目して、部屋のタイプを考えてみましょう。
1Kの間取りの特徴
1Kの間取りとは、居室1部屋にキッチンスペース(K)が備わった間取りのこと。
居室とキッチンの間は扉や仕切りがあり、それぞれ独立した空間になっているのが一般的です。
居室とキッチンスペースが1部屋に収まった1Rの間取りと広さは近いですが、より生活スペースを分けやすいのが特徴的。
最近では窓からの採光を遮らないために、1Kでもキッチンと居室の間に扉を作らずに、オープンスペースでゆるやかに空間を分けている間取りもあります。
このタイプは完全に空間を分けられないため、調理中のにおいは室内に充満しやすいなど注意が必要です。
1Kの間取りを選ぶときは、空間がどのように分けられているかも注意して物件を選びましょう。
1Kのキッチンは3畳が目安
1Kのキッチン広さの目安は、およそ3畳。
一人暮らしのキッチンとしては十分使えますが、ダイニングテーブルを置くスペースはないため、食事は居室でとることが多いでしょう。
居室に6畳ほどの広さがあれば、ベッドとダイニングセットどちらも置けますが、ソファーまで置くスペースは足りません。
くつろぐスペースとしてソファーを置き、さらに食事用のスペースもしっかりと確保したい方は、1DKなどのより広い間取りを検討するとよいでしょう。
1Kと1DKの違いとは
1Kと1DKはどちらも1部屋付きですが、キッチン部分の広さが異なっています。
- 1Kのキッチンの広さ:およそ3畳
- 1DKのキッチンの広さ:およそ4.5畳~8畳
1Kのキッチンはおよそ3畳なので、あくまで料理を作るためのスペースになりやすいです。
一方1DKのキッチンはおよそ4.5畳~8畳と、物件によって異なります。
6畳以上あればダイニングテーブルと椅子も置けますし、8畳のゆとりある広さならリビングのようにくつろぐスペースとしても使用可能です。
1DKの間取りを検討するときは、DK部分の広さにも注目して、どのような暮らしができるかを考えながら選んでみるとよいでしょう。
1Kと1DKはどっちがいい?
1Kと1DKは、どちらにするかよく迷われる間取りです。
どちらが適しているかは、住む人のライフスタイルによって変わります。
あくまで一例ですが、外で過ごすことが多い方はコンパクトな住まいが叶う1Kを。
比較的家で過ごす時間が多く、自炊中心に生活する予定の方は、1DKがおすすめです。
1Kの間取りのメリット
一人暮らしで1Kの間取りを選ぶと、次の3つのメリットが得られます。
- プライバシーを確保できる
- 生活空間を分けられる
- 調理中のにおいが充満しにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プライバシーを確保できる
1Kの間取りは独立した一部屋を確保できるため、急に友人や知人が訪ねてきてもプライバシーを確保しやすいです。
また配達の受け取りで扉を開けるときも、ドアの位置から室内すべてを見通せないので安心感があります。
仕切りのない1Rは外から室内が見えやすくなってしまうため、気になる方は居室を確保できる1K以上の間取りを選ぶとよいでしょう。
物件の数が多い
1Kの間取りは単身者用マンションやアパートでも多く採用されているため、豊富な物件から希望するものを選べます。
一人暮らしの快適さは周辺環境や物件の設備によって変わるため、選択肢の多さはメリットの1つといえるでしょう。
調理中のにおいが充満しにくい
1Kはキッチンと居室空間が分かれているため、調理中のにおいが室内に充満しにくいです。
特に自炊中心で生活したいと思っている方は、衣類や寝具へのにおい移りを避けるためにも、キッチン空間が分かれた間取りを選ぶのがおすすめです。
1Kの間取りのデメリット
メリットに続いて、1Kの間取りのデメリットとしては以下の3つがあげられます。
- 圧迫感が出やすい
- 1Rに比べ家賃が高い
- エアコンが効きにくい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
圧迫感が出やすい
1Kはコンパクトなスペースの中にキッチンと居室の仕切りがあるため、圧迫感が出やすいという意見もあります。
特に形状が縦長の物件は窓からの採光も遮られることから、圧迫感を軽減するために明確な仕切りを取り付けないケースも少なくありません。
ドアなどで明確に部屋を分けたいのか、ゆるやかに空間を仕切るタイプで十分なのかなど、自分がどの程度空間を分けたいのかを意識して選ぶのがポイントです。
1Rに比べ家賃が高い
1Rと比べると、居室空間を分けられる1Kの方がやや家賃は高めです。
1Rは特に単身者限定のマンションやアパートに多いため、立地も通勤や通学に便利な駅の近くの物件が多くなっています。
1Rと1Kの間取りは室内の使い方が異なりますし、家賃は立地によっても異なります。
家賃の安さだけでなく住み心地のよさも重視するなら、1Rと1Kそれぞれの間取りの特徴を比較しながら選びましょう。
エアコンが効きにくい
1Kは部屋が分かれるため、エアコンの効きが悪く感じられるといった注意点もあります。
また部屋の形が縦長の場合、四角形の長辺にあたる壁面にエアコンが設置されていると、キッチン空間まで適切な空調効果が得られません。
サーキュレーターを使用して空気の循環をよくするなど、設定温度や風向きを考慮しつつ、効率よく空調効果を得られるように工夫しましょう。
一人暮らしで1Kはやめた方がいい?
一人暮らしの物件を探していると、1Kはやめた方がいいという意見も耳にします。
1Kはやめた方がいいと言われるのは、主に次の3つの理由によるものです。
- 思ったよりも家賃を抑えられなかった
- 外食中心でキッチンを使わなかった
- 掃除が大変だった
1Kは1Rと比べると家賃が高額になるため、家賃の安さを何よりも重視したい方にはあまりおすすめできません。
また1Kは生活空間を整えられますが、外食中心でそもそもキッチンをあまり使わなかったり、家事の手間を減らしたい方にも適していないでしょう。
間取りを選ぶときは、自分が暮らしていく中で何を優先していきたいかを考えるのが大切です。
1Kの間取りにおすすめのレイアウト
1Kの間取りでは、ベッドを窓際に置くか壁に寄せて置くかで、レイアウトが異なります。<・sぱん>
窓際にベッドを置けば、残りのスペースに2人がけのソファーやローテーブルを配置できるため、友人を呼んでもくつろげるスペースを確保できるでしょう。
壁に寄せてベッドを置く場合は、2人がけのソファーは設置できませんが、1人用のソファーや座椅子は設置できます。
またワークデスクと椅子を置くスペースもとれるため、在宅ワークやパソコンを使った作業が多い方でも快適に過ごせるでしょう。
1Kの間取りがおすすめな人
1Kの間取りは、以下の3つの特徴に当てはまる人に特におすすめできます。
- はじめて一人暮らしをする人
- 自炊中心で生活したい人
- 家賃を抑えたい人
1Kの間取りが気になる方は、ぜひ参考にしてください。
はじめて一人暮らしをする人
1Kの間取りは比較的家具を配置しやすく、生活空間も分けやすいため、はじめて一人暮らしをする方に最適です。
自分らしい部屋づくりにこだわりたいときも、1Kの間取りなら適度にインテリアにこだわりつつ、家賃を抑えた暮らしが叶うでしょう。
一方で、部屋では主に寝るだけの場合や、家賃の安さを最優先にしたい場合は、1Rの方が適しているかもしれません。
住みはじめてから後悔しないためにも、どのようなライフスタイルになるかをある程度イメージしておきましょう。
自炊中心で生活したい人
自炊中心で生活したい人にも、1Kの間取りはおすすめです。
1Kの間取りはミニキッチンが多く、物件によっては二口コンロなどより自炊しやすいキッチンを備えた物件もあります。
さらに居室へのにおい移りを避けるなら、キッチンと居室の間が引き戸などで明確に分けられる物件を選びましょう。
自炊中心であっても開放感を重視したい場合は、キッチンと居室の間にドアのない間取りが最適です。
なお、ダイニングセットを置いて食事する場所をしっかりと確保したい方は、1Kよりもキッチンの広い1DKの間取りを選ぶとよいでしょう。
家賃を抑えたい人
一人暮らしの住まいで、ある程度の快適さを得ながら家賃を抑えて生活したい方にも、1Kの間取りは適しています。
しかし1Rと比べると1Kの方が家賃は高くなるため、住み心地よりも家賃の安さを重視したい方にはあまり適していません。
1DKや1LDKの物件程の家賃は負担できないけれど、一人暮らしで快適に暮らしたい方は1Kの間取りがおすすめです。
まとめ
はじめての一人暮らしでは、コンパクトな1Rや1Kといった間取りがよく選ばれますが、それぞれの特徴を知っておかないと入居後に後悔するかもしれません。
満足のいく物件探しのポイントは、自分が入居後にどのように暮らしたいかをイメージしながら物件を探していくことです。
希望条件に優先順位をつけられないときは、不動産会社の担当者に相談してアドバイスを受けながら、自分にあった物件探しを進めましょう。