「入居審査に落ちてしまったらどうしよう?」
「入居審査に落ちないか不安だな…」
このようなお悩みを解決するため本記事では、アパートの入居審査に落ちたらどうするか、落ちないためにできることなどをご紹介します。
入居審査に不安がある方はぜひ、参考にしてください。
アパートの入居審査とは?
入居審査とは、アパートを契約する前に行われる審査です。大家さんはアパートを貸すことで収入を得ているので、次のような心配をしています。
- 家賃を払い続けてくれるか
- 退去費用を払ってもらえるか
- トラブルを起こさないか
家賃の未払いや退去費用の踏み倒しを防ぐために、これまでは連帯保証人を立てることが主流でした。現在は家賃保証会社を利用する流れが加速しています。
令和2年の法改正で、家賃保証会社を利用すると大家さんが確実に家賃を受け取れるようになり、さらに追い風が吹いています。
また、トラブルメーカーは他の入居者の退去を促すことになるので、人柄を見極めることは重要です。
入居審査をする家賃保証会社は4種類ある
国土交通省に登録されている家賃保証会社は全国で94社(2023年4月時点)あります。各社独自のルールで入居審査をしますが、大きく4種類に分けられます。
- 信販系
- LICC系
- CGO系
- 独立系
以下で詳しく見ていきましょう。
1. 信販系
クレジットカード利用など、信用情報の履歴を参照でき、入居審査に採用しています。支払いの滞納など信用情報に傷がある場合は、通過が難しいでしょう。審査項目が多く、4つの中で最も厳しい入居審査と言われています。
例)
- 株式会社オリコフォレントインシュア
- 株式会社エポスカード
- あんしん保証株式会社
2. LICC系
LICC(全国賃貸保証業協会)に所属している会社を指します。協会にはアパートの入居者情報、物件情報、支払い履歴などが登録されています。 この情報を協会内で共有し、入居審査に活用しています。過去に家賃滞納があると通過は難しいでしょう。
例)
- 全保連株式会社
- エルズサポート株式会社
- ジェイリース株式会社
3. CGO系
CGO(全国保証機構)に所属している会社です。LICCと同様に機構内の共有データはありますが、独自の審査ルールが強いと言われています。
例)
- 株式会社Casa
- 日本セーフティー株式会社
- フォーシーズ株式会社
4. 独立系
上記3つに含まれない会社がすべて独立系です。クレジットカード情報や過去の賃貸借時情報を参照することなく、独自の審査ルールのみになります。
例
- アールエムトラスト株式会社
- ナップ賃貸保証株式会社
- 新日本信用保証株式会社
入居審査に落ちたらどうするか
入居審査に落ちた場合、どうしたらいいか不安になりますよね。基本的には不動産会社の担当者と相談しながら解決していきます。
また、家賃保証会社や大家さんによって対応は異なりますが、ここでは5つの対処法をお伝えします。
- 別の家賃保証会社で再審査を受ける
- 連帯保証人をつけて再審査を受ける
- 代理契約をする
- 家賃保証会社を利用しない別のアパートを探す
- 家賃保証会社の違う別のアパートを探す
以下で詳しく見ていきましょう。
1. 別の家賃保証会社で再審査を受ける
どうしてもそのアパートに住みたいと考える人もいるでしょう。その場合に有効なのが、家賃保証会社を変えて再審査を受けることです。
不動産管理会社は提携している家賃保証会社に入居審査を依頼しますが、複数提携していることが多いので、再審査を依頼できます。
審査基準は家賃保証会社によって異なるので、再審査で通過する可能性があります。この際、最初に落ちた理由がわかれば対策もできるでしょう。
信販系で落ちた場合は、他の系統の家賃保証会社にするのがいいですし、独立系で落ちた場合は、他の独立系の家賃保証会社にしてもらうといいです。
ただし、やみくもに再審査をするのはおすすめしません。再審査にも落ちるとブラックリストに載ってしまい、多くのアパートが選べなくなるためです。
また、家賃保証会社を変えるのであって、不動産会社を変えても意味がないので注意してください。担当者に、他の家賃保証会社の入居審査を受けられないか相談してみましょう。
2. 連帯保証人をつけて再審査を受ける
家賃保証会社によっては一度、入居審査に落ちても連帯保証人をつけることで、再審査を受け付けてくれる場合があります。
また大家さんによっては、家賃保証会社に落ちても家賃や退去時の支払い能力があることを証明できれば、入居可能としてくれることもあります。証明する方法の例が以下のとおり。
- 連帯保証人をつける
- 退去時費用を先払いする
ただし、家賃保証会社を必須としている大家さんは多く、その場合は交渉できません。アパートを探し直す必要があるでしょう。
3. 代理契約をする
入居者とは異なる人を代理人として契約者にする方法です。入居者の3親等以内の親族で、収入が安定しているなど、入居審査に通る見込みのある人を代理人にします。
以下のような人は、代理人を立てるといいでしょう。
- 収入がない、または少ない未成年
- 無職やアルバイトなど収入が安定しない人
- 信用情報に傷がある、家賃の滞納履歴がある人
代理人が通常と同様の入居審査を受けます。ただし、代理契約できるアパートは限られているので、一度落ちたアパートで可能かどうかは確認が必要です。
4. 家賃保証会社を利用しない別のアパートを探す
家賃支払い能力のある連帯保証人を立てるだけで入居可能なアパートを探します。ただし、選択肢は少なくなります。
また入居審査は家賃保証会社だけでなく、管理会社や大家さんによっても行われるので、必ず通るわけではありません。
この場合は家賃の支払い能力を証明すること、人柄で安心してもらうために丁寧なやりとりをすることを心がけましょう。
5. 家賃保証会社の違う別のアパートを探す
入居審査に通りやすい家賃保証会社を指定しているアパートを探してみましょう。
別の家賃保証会社で再審査を受けるときと同様に、信販系で落ちた場合はそれ以外、独立系で落ちた場合は独立系の他社がおすすめです。
入居審査に落ちる人の特徴5つ
まず、入居審査に落ちる人の割合は全体の17.2%というデータがあります。
(参考:民間賃貸住宅市場における入居審査と家賃滞納)
約5人に1人が入居審査に落ちてしまいますが、どんな理由があるのでしょうか。
落ちた理由は各社公表しないため、推測するしかありません。しかし、落ちた人には下記のような傾向があります。
- 収入が足りない
- 家賃の滞納歴がある
- 信用情報に傷がある
- 人柄に問題がある
- ルームシェアや同棲をする
以下で詳しく見ていきましょう。
1. 収入が足りない
入居者が家賃を滞納しないか、大家さんは不安に思っているので収入は重要な項目です。安定した収入があっても、高すぎる家賃であれば入居審査で落ちる可能性があります。
連帯保証人も必要な場合は、同様に収入をチェックされます。連帯保証人の収入で家賃を支払うことが難しいと判断されると落ちる原因になります。
また、不安定な収入は家賃の滞納につながる可能性があるので、職業や勤続年数も影響します。
フリーランスやアルバイトよりも公務員や正社員、そして長く働いているほうが入居審査に通過しやすいです。
2. 家賃の滞納歴がある
過去に家賃の滞納があると、LICCやCGOに加盟している家賃保証会社であれば情報を確認できます。また、クレジットカード引き落としで滞納があると、信販系でも情報が記録されているかもしれません。
各社履歴は5年間保管されるので、5年以内に滞納歴があると落ちてしまう可能性が高くなるでしょう。
3. 信用情報に傷がある
家賃の支払いに限らず、クレジットカード利用料金の長期延滞、不正利用など規約違反による強制解約などがあると、信用情報機関に登録されてしまいます。これを信用情報に傷がつくと言います。
代表的な信用情報機関は次の2つです。
- CIC(指定信用情報機関)
- JICC(日本信用情報機構)
信販系の家賃保証会社を利用する場合は信用情報を見ているので、傷があると入居審査に落ちてしまうでしょう。
4. 人柄に問題がある
入居後にトラブルを起こさない人であるかは重要なポイントです。不動産会社でやり取りをする間に、威圧的な態度を示したり、マナーの悪い行動をしたりすると、他の住民とのトラブルが起きることや設備が壊されてしまうことを心配されます。
たとえ家賃保証会社の入居審査を通過しても、不動産会社から大家さんへ人柄を伝えられるので、大家さんから断られる可能性が高いです。
5. ルームシェアや同棲のために借りる
ルームシェアや同棲の場合は、次のことを懸念し、敬遠する大家さんもいます。
- 関係を解消して早期に退去する
- 金銭的な理由でルームシェアをし、1人になったときに家賃の支払いが難しくなる
大家さんは家賃の未払いを恐れているので、1人で支払う能力がない場合は特に断られる可能性があります。
入居審査に落ちない5つの方法
入居審査に落ちない方法を知ることで、あらかじめ対策ができます。次の5つを紹介します。
- 家賃は手取りの3割以下にする
- 預貯金で家賃の支払い能力を示す
- 事故情報が消えるのを待つ
- 丁寧なやりとりをする
- 同棲は同居人を婚約者として契約する
以下で詳しく見ていきましょう。
1. 家賃は手取りの3割以下にする
以下に目安の表を示します。
手取り | 家賃の目安 |
15万円 | 4.5万円 |
17万円 | 5.1万円 |
20万円 | 6万円 |
25万円 | 7.5万円 |
注意することは、共益費や駐車場代など毎月固定で支払うもの、すべて含めて3割以下にすることです。家賃の無理な設定は、たとえ入居審査が通っても家計の負担になります。
2. 預貯金で家賃の支払い能力を示す
無職など収入に不安のある方におすすめの方法で、家賃2年分の預貯金を証明できるといいと言われています。
以下に目安の表を示します。
家賃 | 預貯金の目安 |
4.5万円 | 108万円 |
5万円 | 120万円 |
6万円 | 144万円 |
7.5万円 | 180万円 |
また、2年分の家賃を先払いすることで入居できる場合もあるので、預貯金に余裕があれば検討してもいいでしょう。
3. 事故情報が消えるのを待つ
信用情報を持つCIC・JICC、アパートの入居者情報を持つLICC・CGOは情報の保管期間がすべて5年間です。
家賃の支払い遅延があったけど、どの家賃保証会社であったか覚えていない場合は、情報を確認しましょう。
5年以上経過し、事故情報が消えたことを確認してからアパートを探すと、入居審査に通過する可能性が高くなります。
4. 丁寧なやりとりをする
トラブルを起こされてしまうと他の入居者の退去に繋がるので、人柄の見極めは重要です。
家賃保証会社の入居審査をする前に、すでに不動産会社の担当者とのやり取りに問題があれば、迷惑をかける可能性があると判断して紹介できないことがあります。
丁寧なやりとりをして好印象を心がけましょう。
5. 同棲は同居人を婚約者として契約する
同居人を婚約者とするだけで入居審査に通りやすくなります。婚約者であることで、同棲解消による退去の可能性が低くなり、長く住むことを想定できるためです。
ただし、家賃保証会社によっては入籍予定日を聞かれる場合もあります。また、あとから同居人が婚約者であることに疑問を持ってトラブルにならないよう、あらかじめ2人で話し合いをしておいてください。
まとめ
実際に落ちてしまった場合は落ちた理由を推測し、家賃保証会社を変えるなどの対応が必要です。
また、落ちないためには収入に見合ったアパートを選ぶなどの対策をしましょう。
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