一人暮らしの物件を探すときに「自分の手取りでは、家賃はいくらが適切なのだろう?」と悩む方もいるでしょう。
家賃は毎月発生する固定費のため、負担を軽くするためにも無理のない範囲で考えるのが大切です。
今回は家賃4.5万円の物件に住むなら、手取りはいくら必要なのかを解説します。
初期費用を抑えるポイントや、選ばない方がいい物件の特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
家賃4.5万円に対する手取りの目安は13.5万円
適切な手取りの目安は、家賃のおよそ3倍といわれています。
家賃4.5万円の物件なら、手取り13.5万円が目安です。
オートロック付きや新築の物件は人気が高く、家賃も高額になりやすいため、もし手取り13.5万円の中で家賃の負担額を増やすなら、節約の工夫も欠かせません。
家賃に対する手取りの目安を参考に、希望する条件の相場も意識しながら物件を選んでいくとよいでしょう。
一人暮らしの生活費の目安
総務省統計局によると、単身世帯の家賃を除いた1ヶ月あたりの平均支出は、以下の通りです。
食料 | 46,391円 |
光熱・水道 | 13,045円 |
家具・家事用品 | 5,955円 |
被服及び履物 | 4,712円 |
保健医療 | 7,426円 |
交通・通信 | 21,796円 |
教育 | 2円 |
教養娯楽 | 19,425円 |
その他の消費支出 | 25,051円 |
家賃以外の消費支出合計 | 143,805円 |
支出金額が特に多いのは食費、交通・通信、教養娯楽、その他の消費支出の項目。
単身世帯は外食や惣菜を購入する機会も多いため、1人暮らしでも食費はやや高めです。
1人暮らしの家賃を除いた消費支出合計は14万3,805円と、手取りの13.5万円を上回ってしまいます。
生活費にゆとりを持たせるためにも、無理のない範囲での節約を心がけましょう。
家賃4.5万円の初期費用
敷金・礼金や仲介手数料、保証会社の利用料など、賃貸物件の契約は初期費用としてまとまった費用がかかります。
初期費用の内訳と費用相場は、以下の通りです。
相場 | 内容 | |
敷金 | 家賃×0.5~1ヶ月分 | 部屋の修繕や原状回復のために、退去時まで預けておく費用。修繕にかかった費用が清算され、残金は後日返金される。 |
礼金 | 家賃×0.5~1ヶ月分 | 大家さんへのお礼の意味を込めたもの。地域によって相場に差があり、退去時に返金されない。 |
前家賃 | 家賃×1ヶ月分 | 入居月の翌月分の家賃。初期費用として支払うケースが多い。 |
日割り家賃 | 入居日に応じて変動 | 入居当月分の家賃を、月末までの日数で日割りした費用。入居日に応じて変わる。 |
仲介手数料 | 家賃1ヶ月分×税が上限 | 不動産会社に支払う手数料。宅地建物取引法で上限が定められている。 |
保証会社利用料 | 管理費を含めた総家賃×0.5~1ヶ月分 | 滞納された家賃を立て替える保証会社の利用料。保証会社により相場は異なる。 |
鍵交換代 | 15,000~20,000円+税 | 入居時に交換する。 |
火災保険料 | 15,000~20,000円+税 | 火事のほか、台風などの自然災害による損害を補償。保険会社は管理会社から指定されるケースが多い。 |
家賃4.5万円の物件にかかる初期費用を、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
<条件>
- 敷金・礼金、保証会社利用料は家賃1ヶ月分
- 入居時期は月半ば
- 鍵交換代、火災保険料は2万円
この条件で試算すると、家賃4.5万円の物件でかかる初期費用は、およそ29万円。
まとまった費用が必要になりますので、1人暮らしをはじめる前から計画的に確保しておきましょう。
家賃4.5万円の物件で初期費用を抑える5つのコツ
初期費用の負担を少なくするには家賃を抑えることが効果的。
家賃4.5万円の物件でさらに初期費用を抑えたいときのコツは、以下の5つです。
- 敷金礼金ゼロの物件を選ぶ
- 仲介手数料の安い物件を選ぶ
- 保証会社不要の物件を選ぶ
- フリーレント物件を選ぶ
- 繁忙期を避けて引っ越す
それぞれ見ていきましょう。
敷金礼金ゼロの物件を選ぶ
敷金・礼金はそれぞれ家賃0.5~1ヶ月分が相場のため、敷金礼金ゼロの物件を選べば初期費用を大幅に抑えられます。
敷金は主に退去時の原状回復費用として使われ、余剰があった場合は返金される仕組みです。
一方で礼金は大家さんへのお礼金としての意味合いが強く、物件によっては礼金なしで敷金のみ設定されているところもあります。
敷金・礼金の設定は物件ごとに異なるため、家賃や立地条件と合わせて比較してみるとよいでしょう。
仲介手数料の安い物件を選ぶ
宅地建物取引業法での仲介手数料の上限は「家賃1ヶ月分+税」ですが、集客のために家賃0.5ヶ月分に設定するなど、仲介手数料を抑えている不動産会社も多いです。
期間限定で仲介手数料無料キャンペーンを実施していることもあるため、積極的にインターネットで検索して情報を集めてみましょう。
保証会社不要の物件を選ぶ
保証会社不要で入居できる物件なら、保証料の相場にあたる家賃1ヶ月分の出費を抑えられます。
その代わりに連帯保証人が求められるため、あらかじめ依頼する相手を決めておきましょう。
連帯保証人は、三親等以内の親族で定期的な収入があり、できれば安定した雇用状況にある人が理想的。
連帯保証人は入居者と同じ支払い義務を負う、極めて重い立場です。
物件名称や所在地、月々の支払額といった基本的な情報は必ず伝えた上で相談しましょう。
フリーレント物件を選ぶ
フリーレント物件とは、定められた一定期間の間家賃が無料になる物件のこと。
2~3ヶ月分もの家賃が無料になるため、大幅に初期費用を抑えられます。
しかしフリーレント物件には「短期解約違約金」があり、契約期間の途中で退去すると違約金として免除されていた期間の賃料を支払わなければなりません。
長く住むなら問題はありませんが、転勤などで短期間で転居する可能性がある場合は、フリーレント物件は慎重に検討しましょう。
繁忙期を避けて引っ越す
賃貸物件にかかる初期費用だけでなく、引っ越しにかかる費用も抑えたいなら繁忙期を避けるのがおすすめ。
引っ越しは、3月下旬~4月上旬の新生活シーズンが最大の繁忙期。
繁忙期は引っ越しの依頼が立て込むため、予約が取りにくいだけでなく価格も通常より上がります。
少しでも出費を抑えるなら、引っ越しの閑散期にあたる6月や年明け直後の1月を検討するとよいでしょう。
敷金礼金なしの物件はやめた方がいい?
敷金礼金なしの物件は、本来かかるはずの費用が無料になるため、不安からやめた方がいいのでは?と感じる方もいます。
初期費用を大幅に抑えられる敷金礼金なしの物件ですが、退去時の原状回復費用として使われる敷金を支払っていないため、退去費用が高額になる点は注意が必要です。
入居時の初期費用を抑えたい場合は、敷金礼金なしの物件は特に魅力的ですが、退去時の清算費用は入居中から計画的に確保しておくとよいでしょう。
家賃4.5万円以下でも選ばない方がいい物件の特徴
賃貸物件には、たとえ家賃が抑えられても選ばない方がいい物件があります。
- 交通アクセスが不便
- 治安が悪い
- 周辺に買い物できる店舗がない
- 築年数が経ちすぎている
- 空室が多い
これらの特徴に当てはまる物件は、積極的におすすめできない物件ですので、注意してください。
交通アクセスが不便
賃貸物件は、交通アクセスの良さが人気に大きく影響します。
交通アクセスが不便な物件は家賃も相場より安く抑えられますが、バス代などの交通費の負担が重くなるケースもあるため、一概にお得とはいい切れません。
また家賃が安いからといって、片道1時間半以上も通勤や通学にかかるような物件を選んでしまうと、かえってストレスを抱えてしまいます。
外出する機会が多い人は、できるだけ交通アクセスも重視して賃貸物件を選びましょう。
治安が悪い
特に女性の方や初めて一人暮らしをする方は、できるだけ治安が悪いエリアを避けてください。
歓楽街が近い、ゴミ捨て場の周辺が荒れている、落書きが多いといったエリアでは、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性も少なくありません。
初めての一人暮らしを安心してスタートさせるためにも、落ち着いた住環境と治安の良さを重視しましょう。
周辺に買い物できる店舗がない
一人暮らしでは、食事の支度を含む一切の家事を自分で行わなくてはなりません。
食材や日用品の買出しも1人で行うため、周辺に買い物できる店舗は必須です。
一人暮らしでは、帰宅途中に惣菜やお弁当を買えるスーパーがあると便利です。
生活環境を安定させるためにも、周辺の買い物環境にはこだわって物件を選びましょう。
築年数が経ちすぎている
築年数が経ちすぎている物件も、たとえ家賃が安くても避けた方が無難です。
備え付けられた設備も古くなっていると、早々に点検や修理の依頼が必要になるかもしれません。
建物の断熱性も低いため、冬場の結露の発生や夏場の暑さにも悩まされやすいです。
築年数が経った物件を検討するときは、内見で実際の状況を確認してから契約しましょう。
空室が多い
空室が多い物件は、募集しても入居を希望する人がいない、いわゆる不人気物件にあたります。
空室が多いと防犯面でも問題が起こりやすいため、できるだけ避けてください。
一人暮らしの生活費を抑える3つのコツ
一人暮らしの生活費を抑えるには、次の3つのコツを試しましょう。
- できるだけ自炊する
- 通信費などの固定費を抑える
- 不要なサブスクを解約する
それぞれ解説します。
できるだけ自炊する
生活費の中でも大きな割合を占めるのが、外食費を含む食費です。
食生活のバランスを整えつつ出費を抑えるなら、できるだけ自炊するのがおすすめ。
1人分を毎回調理するのが大変なときは、1週間分をまとめて作りしておくのもよいでしょう。
時には外食や惣菜の購入で息抜きしながら、できる範囲での自炊を楽しんでみてください。
通信費などの固定費を抑える
生活費を抑えるなら、通信費などの固定費を抑えるのも効果的。
特に携帯電話の通信費は見直ししやすく、大手キャリアから格安SIMに変更するだけで生活費を大きく抑えられます。
毎月支払う固定費の支払いは特に効果が大きいので、ぜひ試してみましょう。
不要なサブスクを解約する
サブスクは便利な一方で、解約を忘れやすく無料期間に入ったままいつの間にか料金が発生していることも少なくありません。
1ヶ月あたりの負担は少なくても、通年で考えると負担の大きな出費になりますので、使っていないサブスクは積極的に解約しましょう。
まとめ
家賃4.5万円の物件に住むために必要な手取りの目安は、およそ13.5万円といわれています。
しかし生活に必要な品々の多くが値上がりを続ける中、生活にゆとりを持たせるには初期費用を抑える工夫や、生活費の見直しが欠かせません。
自分の手取りからどの程度の家賃の物件にすればいいのか迷ったら、不動産会社の担当者に積極的に相談してみるのが大切です。
敷金礼金なしやフリーレントなど、物件ごとの条件も比較しながら自分に合ったお部屋探しを進めましょう。