【賃貸アパート】プロパンガスのメリットは?借りる時の注意点3つ

「賃貸アパートでプロパンガス会社を変更できるかな?」

「プロパンガス料金は高そうで不安だな」

このようなお悩みを解決するため本記事では、プロパンガスの賃貸アパートを借りる時の注意点をご紹介します。

プロパンガスの賃貸アパートをご検討の方はぜひ、参考にしてください。

プロパンガスと都市ガスの違い

家庭で使うガスにはプロパンガスと都市ガスの2種類です。どちらも使い方は同じですが、特徴に違いがあります。

  プロパンガス 都市ガス
主成分 プロパン・ブタン メタン
供給方法 ガスボンベ ガス導管
重さ 空気より重い 空気より軽い
発熱量 大きい 小さい
におい なし なし
料金 高い 安い

ここでは以下の3つについて紹介していきましょう。

  1. 供給方法
  2. 性質
  3. 料金

1. 供給方法

プロパンガスと都市ガス、どちらを使用しているか見分ける簡単な方法は、ガスボンベの有無です。プロパンガスは建物ごとにガスボンベを設置し、建物のガス管を通じて各家庭にガスが届きます。

都市ガスは大きなタンクに貯蔵されており、そこから地下に埋められているガス導管に流されます。家庭で都市ガスを使うには、建物へガス導管の引き込みが必要です。そのため地下にガス導管が通っていない地域では、都市ガスを使うことができません。

2. 性質

プロパンガスは空気より重く、都市ガスの約2倍の発熱量が大きいです。つまり都市ガスの半分で、同等の発熱ができるのです。なお、下に溜まる性質があるので、ガス漏れ警報機が下側についています。

反対に都市ガスは空気より軽く、発熱量が小さいという特徴があります。ガスが上に溜まるのでガス漏れ警報機の設置は上側です。

また、どちらのガスもニオイはありません。家庭で万が一ガス漏れを起こした際に気づけるよう、人工的にニオイがつけられています。

3. 料金

プロパンガスと都市ガスの料金は以下の通りです。

プロパンガス平均料金

  基本料金 5㎥使用時 10㎥使用時 20㎥使用時
東京都 1,820円 4,873円 7,970円 14,034円
(参考:石油情報センター 一般小売価格 LP(プロパン)ガス 確報 2023年2月)

東京ガス料金表より

使用量 ~20㎥ 20~80㎥
基本料金 759円 1,056円
単価(/㎥) 175.98円 161.13円
(参考:東京ガス 一般契約料金 東京地区等 2023年5月)

石油情報センターによると、一人暮らしのプロパンガス平均使用量は約5㎥です。都市ガスで同じ発熱量を得るために2倍の10㎥使用したとしましょう。

東京ガスの料金表を参考にして計算すると1ヶ月のガス料金は以下になります。

759円+175.98円×10㎥=2518.8円

プロパンガスが4,873円なので、都市ガスのほうが1ヶ月あたり約2000円安いです。

プロパンガスは価格が高い傾向にあります。自由料金制で、ガス料金に対して国の規制を受けていません。各会社が自由に料金を設定できることや人件費や配送費などがかかることも高くなる要因です。

一方、都市ガスはもともと公共料金で、地方都市ガス会社が独占販売していました。国の規制を受けていたため価格は抑えられています。一度導入すると人件費などのランニングコストがかからず、安く提供できます。

しかし、2017年4月より都市ガスの自由化が始まり、様々な企業が参入できるようになりました。とはいえメンテナンス等のハードルが高く、電気ほど自由化が進んでいないのが現状です。

価格競争もそれほど行われませんが、プロパンガスに比べると低価格を維持しています。

プロパンガスのメリット・デメリット

プロパンガスの特徴を3つご紹介します。

  1. 災害に強い
  2. どこでも使える
  3. 料金が高い

以下で詳しく見ていきましょう。

1. 災害に強い

プロパンガスは建物ごとにガスボンベやガス管が設置されているので、災害時は建物の備えつけ部分の点検のみで使用を再開できます。

都市ガスは地下のガス導管、建物のガス管すべての点検が終わるまで使用できません。実際に2011年3月の東日本大震災では、プロパンガスが都市ガスよりも2週間早く全面復旧しました。

避難場所でもガスボンベの配送さえできれば、即座に炊き出しや入浴が可能になります。

よって、プロパンガスは災害に強いと言えるでしょう。

2. どこでも使える

プロパンガスは、ガスボンベの用意ができれば場所を問わずに使えます。

都市ガスの地下に埋め込まれる導管は、導入コストが高いです。そのため都市ガス供給エリアは都市部に集中して地域差が大きく、使用できない地域もあります。

しかし、プロパンガスはガスボンベを届けられる場所であれば全国どこでも使えます。お祭りの屋台やキッチンカーでガスを使えるのもプロパンガスの恩恵です。

3. 料金が高い

プロパンガスの発熱量が都市ガスの2倍であることを考慮して、東京都で1ヶ月にプロパンガスを5㎥、都市ガスを10㎥使用した場合の料金は以下になります。

  プロパンガス 都市ガス
1ヶ月あたりの利用料金 4,873円 2,518円
(参考:石油情報センター東京ガス

プロパンガスの料金が高いことがわかります。一般的に都市ガスよりも、プロパンガスの賃貸アパートの方が家賃は安いです。しかしガス料金が高くなり、支出が増える可能性があります。特に寒冷地ではガス料金が高く設定されていることも多く、注意が必要です。

プロパンガスの賃貸アパートの場合、ガス会社は指定なので入居後に自由に変更はできません。契約する会社の料金は事前に把握しておきましょう。

賃貸アパートでプロパンガスの料金が高い3つの理由

プロパンガスは自由料金制で都市ガスより高くなりがちですが、賃貸アパートではさらに高くなると言われています。

ここからは、賃貸アパートでプロパンガスの料金が高くなる理由を3つ紹介していきます。

  1. 配送コストがかかる
  2. 入居者がプロパンガス会社を選べない
  3. 設備費の上乗せがある

以下で詳しく見ていきましょう。

1. 配送コストがかかる

プロパンガスはガスボンベを各建物まで配送する必要があります。人件費や配送費などがかかるため、ランニングコストのかからない都市ガスと比べると高くなります。

2. 入居者がプロパンガス会社を選べない

プロパンガスの契約者は大家さんなので、入居者はガス会社を選ぶことができません。そして賃貸アパートでは、プロパンガス会社が管理会社や大家さんと提携していることも多いです。

入居者が他のプロパンガス会社に乗り換える心配もないため、高い料金を維持でき、各社の価格競争も起きにくくなります。

プロパンガス会社の裁量で自由に料金設定ができてしまうことで高くなっています。

3. 設備費の上乗せがある

プロパンガス料金が不透明であるために、賃貸アパートでは以下のように設備費を上乗せしている場合があります。

新築時にガス管の設置料等をプロパンガス会社が負担し、入居者から回収する
ガス管が長いほど料金を高く設定する

大家さんにはメリットですが、入居者の負担は大きくなってしまいます。

プロパンガスの賃貸アパートを借りるときの3つの注意点

プロパンガスの賃貸アパートに入居しても、簡単に引っ越せない人が多いでしょう。思い違いのないよう、確認しておくべき点を3つ紹介します。

  1. 都市ガスに切り替えることはできない
  2. 賃貸アパートでプロパンガス会社の変更は基本できない
  3. 入居前にプロパンガス会社の料金を知ることはできる

以下で詳しく見ていきましょう。

1. 都市ガスに切り替えることはできない

都市ガスは供給できる地域が決まっています。そしてエリア内でも、都市ガスに切り替えるためにはガス導管の引き込みが必要で、大掛かりな工事が必要になります。

そのため、都市ガスに切り替えることは不可能と考えていいでしょう。

2. 賃貸アパートでプロパンガス会社の変更は基本できない

賃貸アパートのガスの契約者は大家さんです。アパート全体で同じガス管を使っているので、個別契約もできません。

他の住民の理解を得て、大家さんとの交渉でプロパンガス会社の変更は可能です。しかし、大家さんがプロパンガス会社から初期費用の助成をしてもらっていることも多く、現実的には難しいでしょう。

3. 入居前にプロパンガス会社の料金を知ることはできる

プロパンガスは自由料金制であるため高額になりがちです。また プロパンガスを取り扱う会社は2020年12月時点で約17,000社あり、事業者数が多いことで各社の料金は不透明でした。

賃貸アパート契約後のガス料金の負担が大きいことで相談する入居者が年々増えています。それを受けて経済産業省と国土交通省は、2021年6月にプロパンガス業界と不動産業界それぞれに、入居前にプロパンガスの料金を明示するよう周知しました。

要請に強制力はありませんが、賃貸アパートを借りる人は契約前に料金を知る権利があります。不当に高いプロパンガス会社であれば、事前に契約をしない選択もできるでしょう。

プロパンガスの料金を下げる方法4選

様々な理由でプロパンガスの賃貸アパートを選択する人も多いでしょう。家庭内で一番ガスを消費するのはお風呂です。ここでは、お風呂に関係する方法3つとキッチンでできる方法1つをご紹介します。

  1. 節水シャワーを使う
  2. お風呂に浸かる
  3. 給湯温度を1℃下げる
  4. 鍋底から火をはみ出さない

以下で詳しく見ていきましょう。

1. 節水シャワーを使う

節水シャワーで使用するお湯の量を減らせるので、ガス料金を抑えることに繋がります。シャワーヘッドを交換するだけなので、賃貸アパートでも取り付けが簡単です。

節水シャワーは穴が小さいので少ない水量で済みます。一方で水圧は高くなるので、使い心地は損なわれないことが多いです。

商品によって節水割合は3~7割と幅広いですが、自社製品との比較なので注意してください。

2. お風呂に浸かる

浴槽にお湯を貯めた方が節約になることもあります。

東京水道局によると、シャワーで使われる平均水量は3分で約36Lです。15分出し続けると180Lになります。一人暮らしのアパートについている浴槽は150L程度のものも多いので、シャワーを出し続けるよりはこまめに使い、浴槽にお湯を張った方が節約になるでしょう。

3. 給湯温度を1℃下げる

給湯温度を1℃下げるだけでもガス料金の節約に繋がります。お湯を作るときは、元の水との温度差が大きいほど多くの熱量が必要です。20℃の水を40℃のお湯にするよりも、50℃にするほうがガスを消費します。

例えば夏場は38℃まで下げる、冬場は40℃まで下げるなど、季節によって変えてもいいでしょう。

4. 鍋底から火をはみ出さない

キッチンで消費するガスの量は浴室に比べると少ないとは言え、無駄な消費は抑えたいところです。

鍋底から火がはみ出ると熱のロスが大きくなります。また火は先端の温度が一番高いので、はみ出さない方が鍋底に効率よく高熱を与えることができます。

火加減を意識してみてください。

まとめ

プロパンガスは料金が高くなりますが、災害には強いです。また賃貸アパートでは、プロパンガス会社を個人で自由に変更できません。

プロパンガスの賃貸アパートを借りる際は、契約前に料金を確認しましょう。

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