ゼロゼロ物件ってどんな物件?やばいといわれるのはなぜ?

物件探しを進める中で、「ゼロゼロ物件」という言葉を初めて知った方もいるでしょう。

初期費用を抑えたい方にとって特に気になるゼロゼロ物件ですが、なぜ無料なのか、デメリットはないのかなど、気になる点も少なくありません。

今回はゼロゼロ物件が気になる方に向けて、メリットやデメリットをわかりやすく解説します。

ゼロゼロ物件がやばいといわれる理由も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

当記事の内容は一般的な賃貸借契約をもとに作成しています。ゼロすむで契約する場合は転貸借契約となるため、一部異なる部分がございます。

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ゼロゼロ物件とは

ゼロゼロ物件とは、敷金と礼金のどちらもゼロ円の物件のこと。

敷金と礼金はどちらも家賃1ヶ月分の金額設定が多いため、ゼロゼロ物件なら初期費用を大きく抑えられます。

たとえば家賃5万円のゼロゼロ物件の場合、同じ家賃価格で敷金・礼金ともに1ヶ月分の物件と比べて、およそ10万円も初期費用を抑えられる計算です。

初期費用を抑えられれば、家具や家電の購入費用などに充てられる費用が増えるため、引っ越しをさらに検討しやすくなるでしょう。

ゼロゼロ物件がやばいといわれる理由

ゼロゼロ物件を検索すると、一緒に「やばい」という単語も表示されます。

理由は以下の2つです。

  • 「無料」に不安を感じやすい
  • 敷金・礼金の仕組みがよくわかっていない

入居者にとってもメリットのあるゼロゼロ物件が、なぜやばいといわれてしまうのか、理由を詳しく見ていきましょう。

「無料」に不安を感じやすい

ゼロゼロ物件がやばいといわれる1番の理由は、「無料」に不安を感じやすい人間の心理です。

敷金礼金がゼロ円になると数万円単位で価格が変わるため、本当に無料でいいのかと不安を感じる方もいるでしょう。

ゼロゼロ物件は、できるだけ早く入居者を見つけるために、大家さんの希望で設定されています。

目的あってのゼロゼロ物件ですので、心配しすぎる必要はありません。

初期費用をできるだけ安く抑えたい方は、積極的にゼロゼロ物件を検討してみましょう。

敷金・礼金の仕組みがよくわかっていない

敷金・礼金の用途を把握しないまま、不安感からゼロゼロ物件は「やばい」といわれてしまうこともあります。

敷金は主に、退去時の原状回復費用として使われる費用です。

敷金として初期費用に含めない場合は、室内クリーニング費用として退去時の支払いが必要になります。

また礼金は、もともと大家さんへのお礼金としての意味合いが強い費用です。

明確な用途は決まっておらず、空き室を早く埋めるために礼金をゼロ円にする物件も少なくありません。

退去時のクリーニング費用を設定していたり、入居者募集のために礼金をゼロ円にしていたりなど、ゼロゼロ物件の仕組みがわかれば不安も少なくなるでしょう。

ゼロゼロ物件のメリット

ゼロゼロ物件に入居するメリットとしては、次の2つがあげられます。

  • 初期費用を大幅に抑えられる
  • 生活費に余裕ができる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

初期費用を大幅に抑えられる

敷金・礼金がゼロ円になれば、初期費用の負担は大幅に抑えられます。

初期費用に含まれる主な費用と相場は、以下の通りです。

相場内容
敷金家賃×0.5~1ヶ月分退去時の原状回復のために預けておく費用。修繕後に清算され、残金は後日返金される。
礼金家賃×0.5~1ヶ月分大家さんへのお礼金。地域によって相場に差があり、退去時に返金されない。
前家賃家賃×1ヶ月分入居月の翌月分の家賃。初期費用として支払うケースが多い。
日割り家賃入居日に応じて変動入居当月分の家賃を、月末までの日数で日割りした費用。入居日に応じて変わる。
仲介手数料家賃1ヶ月分×税が上限不動産会社に支払う手数料。宅地建物取引法で上限が定められている。
保証会社利用料管理費を含めた総家賃×0.5~1ヶ月分滞納された家賃を立て替える保証会社の利用料。保証会社により相場は異なる。
鍵交換代15,000~20,000円+税セキュリティ面から鍵交換は必須。入居時に交換する。
火災保険料15,000~20,000円+税火事のほか、台風などの自然災害による損害を補償。管理会社から指定されるケースが多い。

初期費用の相場は、家賃5~6ヶ月分といわれています。

家賃5万円の物件なら初期費用だけで30万円近くかかりますので、少しでも引っ越し費用を抑えたい方にとって、ゼロゼロ物件のメリットは大きいでしょう。

生活費に余裕ができる

賃貸物件に入居するときは、初期費用だけでなく引っ越し代や家具・家電の購入費用など、まとまった費用が必要です。

ゼロゼロ物件なら、本来敷金・礼金にかかるはずだった費用を他の費用として使えるため、生活費に余裕が生まれます。

総務省統計局によると、単身世帯の1ヶ月あたりの平均支出は、家賃を除いて以下の通りです。

食料46,391円
光熱・水道13,045円
家具・家事用品5,955円
被服及び履物4,712円
保健医療7,426円
交通・通信21,796円
教育2円
教養娯楽19,425円
その他の消費支出25,051円
家賃以外の消費支出合計143,805円

参考:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要」

あくまで平均値のため、実際の使用金額からは高めに算出されていますが、一人暮らしに必要なコストの目安は把握できます。

平均値を参考に、できるだけ引っ越し後の生活費に余裕を持たせたいと感じた方は、ゼロゼロ物件を候補に入れてみるとよいでしょう。

ゼロゼロ物件のデメリット

メリットに続いて、ゼロゼロ物件の主なデメリットを2つ解説します。

  • 退去費用が高額になりやすい
  • 家賃が割り増しになりやすい

入居後の生活に負担を掛けないためにも、デメリットもしっかりと把握して物件を選んでいきましょう。

退去費用が高額になりやすい

賃貸物件の入居者には、退去までに室内を自分が入居する前の状態に戻す義務があります。

これを「原状回復」といい、そのための費用として初期費用で支払われるのが敷金です。

ゼロゼロ物件は、入居時に敷金を徴収しない代わりに、退去時に室内クリーニング費用などの名目で費用を徴収します。

そのため、入居時にかかる費用は抑えられても、退去費用は高額になりやすいです。

退去時に困らないように、必要な費用は日頃から意識して、計画的に用意しておきましょう。

家賃が割り増しになりやすい

敷金・礼金をゼロ円に設定する代わりに、物件によっては月々の家賃を相場よりも割り増しにしているケースもあります。

費用を均等に分けているため、退去時の費用が大幅に増えることはありませんが、長く住むほど負担金額は増えやすいです。

ゼロゼロ物件を検討するときは、周囲の家賃相場と比較してどのくらい割り増しになっているのかを、事前に把握しておくとよいでしょう。

ゼロゼロ物件が向いている人

ゼロゼロ物件は、以下のような希望がある方に特におすすめです。

  • 初期費用を抑えたい人
  • お得に入居できるチャンスを活かしたい人
  • クレジットカード払いを利用したい人

それぞれ詳しく解説します。

初期費用を抑えたい人

初期費用を抑えることを重視したい人にとって、ゼロゼロ物件は特におすすめの物件です。

引っ越しにはまとまった費用が必要になりますので、抑えられるところは支出を抑えつつ、希望に合った物件を探しましょう。

お得に入居できるチャンスを活かしたい人

敷金や礼金は家賃の金額に比例して負担も重くなりますので、家賃が高額であるほど、ゼロゼロ物件のメリットは実感しやすいです。

ゼロゼロ物件は件数が限られていますので、希望の家賃ですぐに見つかるとは限りませんが、条件が合えばお得に入居するチャンスともいえます。

ゼロゼロ物件が気になる方は、不動産会社の担当者に相談しながら積極的に情報を集めましょう。

クレジットカード払いを利用したい人

賃貸物件の初期費用は、指定口座への振り込みか不動産会社店舗での現金払いが一般的です。

しかし急な引っ越しですぐに引き出せる現金がないなど、クレジットカードで支払いを済ませたいケースもあります。

ゼロゼロ物件は入居者を早く決めるために設定されていますので、他の物件と比べてクレジットカード払いを受け付けてくれる可能性が高いです。

初期費用の支払いにクレジットカードを使用したいときは、あらかじめ不動産会社の担当者に相談しておきましょう。

ゼロゼロ物件を選ぶときの注意点

ゼロゼロ物件を選ぶなら、いくつか意識しておきたい注意点があります。

  • 必ず内見する
  • 契約書をよく確認する
  • 家賃の支払い期日を守る

それぞれ詳しく解説します。

必ず内見する

ゼロゼロ物件を選ぶときは、必ず内見してから物件を決めましょう。

特に入居者がなかなか決まっていない物件の場合は、注意が必要です。

日当たりや風通し、入居者の様子など、書類からではわからない実際の様子も確認しましょう。

内見のポイントについては、以下の記事で詳しくご紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。

契約書をよく確認する

ゼロゼロ物件は、短期間での解約に違約金が発生するケースもあります。

主に入居後1年未満での退去が短期解約と見なされますが、物件によって異なるため注意が必要です。

違約金の条件や金額については、契約前に必ず契約書をよく確認しましょう。

家賃の支払い期日を守る

ゼロゼロ物件は初期費用を抑えられる一方で、所持金に困っている人でも入居しやすいという側面があります。

大家さんからの信頼を損なわないように、家賃の支払い期日は必ず守りましょう。

保証会社を利用している場合、滞納された家賃は保証会社が立て替えますが、その後に待っているのは厳しい取り立てです。

家賃の滞納は個人の信用情報にも関わりますので、絶対に滞納しないように注意してください。

ゼロゼロ物件は貧困ビジネスと関係している?

ゼロゼロ物件のイメージでよくあげられるのが、貧困ビジネスとの関係です。

貧困ビジネスとは、いわゆる貧困層をターゲットに労働力を確保する一方で、巧妙な囲い込みで貧困から抜け出せない状況に追いやってしまうビジネスのこと。

中には、家賃の支払い期日を1日過ぎただけで強制的に鍵を交換されてしまう「追い出し」の被害も聞かれます。

ゼロゼロ物件すべてに当てはまるものではありませんが、そのような事例があることも念頭におき、信頼できる不動産会社から物件の紹介を受けましょう。

ゼロゼロ物件はやめた方がいい?

無料への不安感や退去費用の高額さから、ゼロゼロ物件は「やめた方がいい」といわれることもあります。

次の入居者がすぐに決まる人気物件で、敷金・礼金ゼロになるケースは少ないため、期待通りの物件ではなかったと感じるかもしれません。

やめた方がいいという意見もあるゼロゼロ物件ですが、初期費用を抑えて入居したい人にとっては、魅力的な条件です。

入居後に後悔しないように、しっかりと内見する、契約書をよく確認するなどの注意点を意識しながら、自分にあった物件を探しましょう。

まとめ

ゼロゼロ物件に限らず、理想の物件に出会う一番の近道は、信頼できる不動産会社に相談しながら物件を探すことです。

どのような物件が希望かの優先順位を整理し、コストを抑えるならゼロゼロ物件も視野に入れながら、物件探しを進めましょう。

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