賃貸アパートを探す際、できるだけキレイで設備も新しい物件に住みたいけれど、新築や築浅物件の家賃の高さに迷っている方もいるでしょう。
賃貸アパートの家賃は、駅からの距離や部屋の広さだけでなく、築年数でも大きく変わります。
築年数が経った物件は家賃は抑えられるものの、設備の古さや耐震性が気になることもあるため、契約前の見極めが大切です。
今回はアパートの築年数にスポットを当てながら、耐震性・防音性・家賃の3つの側面から賃貸アパートの選び方を解説します。
賃貸アパートの築年数はどれくらいが目安?
新築当初は快適に使えていた設備も、築年数が経つにつれて使用感が増し、経年劣化が進んでいきます。
築年数が増すほど設備関連の不具合も増えていくため、リフォームや設備の入れ替えをしていない場合、住み心地が下がるのに伴って家賃も安くなるのが一般的です。
設備の新しさや快適さを重視したい場合は、築5年〜10年ほどの比較的新しいアパートを。
できるだけ家賃を安く抑えたい場合は、築20年以上のアパートを選んでみるとよいでしょう。
ただし、必要な部分がリフォームされ、管理の行き届いたアパートは築年数が経っていても家賃はあまり下がりません。
駅からの徒歩5分以下など、利便性の高い物件も家賃は下がりにくいため、物件を選ぶときは築年数以外の条件も含めて検討しましょう。
築浅物件は一般的に「築5年以内」
賃貸アパートを探していると「築浅物件」と呼ばれるものも見かけます。
築浅とは、建てられてからあまり年月が経っていない物件のことで、一般的には築5年以内の物件を指す言葉です。
なお、新築は建築後1年未満の「未入居」の建物を指し、たとえ築1年以内であっても、入居者がいた場合は「築浅物件」と呼んで区別されます。
賃貸の築年数の調べ方
賃貸アパートの築年数が気になったときは、不動産会社の担当者に直接聞いたり、掲載されている大手不動産情報ポータルサイトを見たりして、築年数を確認しましょう。
なお、築年数が経っていても、リフォームされて内装が非常にきれいな物件もあります。
リフォーム履歴は、物件情報の備考欄に記載されている場合がありますので、築年数とは別に確認しておきましょう。
築年数の経ったアパートで気になる3つのポイント
築年数の経ったアパートへの入居を検討するときに、意識しておきたいポイントは次の3つです。
- 耐震性
- 防音性
- ゴキブリなど害虫の発生リスク
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
耐震性
新しく建てられる建物は、建築基準法で一定の耐震基準を満たすことが定められています。
しかし、1981年の建築基準法改正以前に建てられたアパートは、旧耐震基準で建てられているため、大きな地震が起こった際のリスクが高いです。
旧耐震基準で建てられた建物も、耐震補強工事がされている場合があります。
入居を希望する場合は、耐震補強工事がされているかを確認し、未対応の場合は安全のためにも別の物件を検討した方がよいでしょう。
防音性
築年数が経った建物は、隣の部屋の話し声が聞こえてしまうなど、防音性が低い場合があります。
窓枠やサッシ部分に不具合があると、防音性はさらに低くなるため、内見をするときは注意深く確認しておきましょう。
ゴキブリなど害虫の発生リスク
築年数が経ったアパートの中でも、特に木造アパートは害虫が侵入しやすく、発生リスクも高まります。
収集指定日にゴミをこまめに捨てるほか、ゴキブリの侵入経路になりそうな場所に忌避剤を設置するのも効果的です。
賃貸アパートでのゴキブリ対策については、こちらの記事を参考にご覧ください。
築20年前後のアパートに住むメリット
築20年前後の、やや築年数が経ったアパートに住む場合のメリットとしては次の3つがあげられます。
- 家賃を抑えられる
- 選択肢が多く検討しやすい
- リフォーム済み物件なら新築並みに快適
それぞれ詳しく解説します。
家賃を抑えられる
築20年前後のアパートは、比較的築年数が経っているため、周辺相場と比べて家賃も落ちるいてくる頃合いです。
ただし、リノベーション直後の物件は相場より家賃が高いこともありますので、注意しましょう。
選択肢が多く検討しやすい
築20年前後のアパートが建てられた時期は、アパートの建築数が多かったため、比較できる物件が多く、選択肢も豊富です。
同じような年代の物件同士でも検討しやすいため、立地や建物の状況なども十分に比較できるでしょう。
リフォーム済み物件なら新築並みに快適
築20年前後のアパートはちょうど内装や設備のリフォームを考えはじめる頃のため、リフォーム済みで設備の整った物件が多いです。
機器も新しいタイプが設置されていれば、新築物件を選んだときのように快適に過ごせるでしょう。
築20年前後のアパートに住むデメリット
築20年前後のアパートを選ぶときは、以下の3つのデメリットに注意が必要です。
- 設備が最新式ではない
- メンテナンスの依頼が必要になりやすい
- 防音性が低くなりやすい
それぞれの内容について、詳しく解説します。
設備が最新式ではない
築20年前後のアパートでは、宅配ボックスやモニター付きインターホン、浴室換気暖房乾燥機といった最新設備が搭載されていない物件が多いです。
エントランスにオートロック機能や防犯カメラが設置されていないこともあるので、セキュリティ性を重視したい方は、設備をよく確認しましょう。
メンテナンスの依頼が必要になりやすい
築20年後のアパートでは、設備機器も長年使用されていることが多いです。
入居前に交換されている場合もありますが、交換されないまま使い続ける場合、入居中に不具合が発生することもあります。
特にガスコンロや給湯器の不具合は、生活に不便さを感じやすいです。
入居中のトラブルを防ぐためにも、機器類がいつ頃交換されたものかを事前に確認しておきましょう。
防音性が低くなりやすい
木造や鉄筋コンクリート造など、アパートの構造によって防音性は異なりますが、築年数が経っている建物は防音性が劣ることがあります。
特に木造アパートは、他の構造に比べて防音性が気になりやすいため、内見時は周囲の音の聞こえ方も意識しましょう。
防音性を高めたいときは、後から取り外しできる防音シートや防音パネルを使ったり、背の高い家具を壁面に配置する方法も効果的です。
アパートの防音対策については、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
アパートを探すときの「狙い目の築年数」は?
アパートは築年数によって、設備や性能、家賃の金額が変わります。
重視したいポイントが決まっているときは、以下のポイントを目安に物件を選んでみましょう。
- 充実した設備が希望:築10年未満
- 耐震性能を重視:築20年~30年
- 家賃の安さを重視:築20年以上
それぞれ詳しく解説します。
築10年未満
宅配ボックスやオートロック機能、さらに浴室で室内干しができる浴室換気暖房乾燥機など、一人暮らしに便利な設備が揃っている物件が希望なら、築10年未満がおすすめです。
また、壁紙などは入居前に補修されることが多いですが、コンロや給湯器などの設備機器は、タイミングによって十分なメンテナンスがされていない場合もあります。
一般的に、住宅の設備機器は10年を目安に交換が必要になるケースが多いです。
入居中の不具合をできるだけ避けたい場合は、築10年未満を検討しましょう。
築20年~30年
耐震性能や防音性など、基本的な住まいの性能や安全性を重視したい場合は、築20年~30年が検討の目安です。
この築年数のアパートは、新耐震基準で建築されています。
さらにリフォームされていれば、快適な住環境で家賃を抑えて暮らせます。
家賃と快適さのどちらにもある程度こだわりたいという方は、築20年~30年でリフォーム済みのアパートがおすすめです。
築30年以上
築30年以上のアパートは「築古」と呼ばれ、周辺相場に比べて家賃を抑えられるケースが多くなります。
物件を選ぶ際は、新耐震基準の建物かどうか、もし違う場合は耐震補強がされているかを確認しましょう。
リフォームや機器交換が完了している物件なら、築年数が経っていても快適に暮らせます。
不動産会社の担当者と相談しながら、希望にあった物件を探しましょう。
築年数が古いアパートを選ぶときの確認ポイント
建物の性能を維持するには、適切なメンテナンスが欠かせません。
- リフォーム履歴を確認する
- 管理体制の良し悪しを確認する
- 内見時に入居者の雰囲気をチェック
築年数が経ったアパートを選ぶときは、これら3つのポイントを確認しましょう。
リフォーム履歴を確認する
建物の築年数だけでなく、リフォーム履歴も一緒に確認しておくと、より暮らしやすい物件に出会いやすくなります。
キッチンやお風呂、洗面台といった水回りのほか、給湯器や備え付けのエアコンの状態なども確認しておくと、入居中に突然不具合が発生するリスクを抑えられるでしょう。
管理体制の良し悪しを確認する
築年数が経っていても、適切にメンテナンスされているアパートは不具合が発生しにくく、入居後も快適に暮らせます。
内見する場合は、ゴミ捨て場やエントランスの様子、掲示板があればどのような掲示物が張り出されているかもチェックしてみてください。
掲示板に騒音についての注意書きがある場合、入居後に防音性が気になるかもしれません。
室内の様子を確認するときは、外からの音の聞こえ具合も確認しておきましょう。
アパートの騒音トラブルについては、こちらの記事でくわしくかいせつしていますので、ぜひ参考にご覧ください。
内見時に入居者の雰囲気をチェック
築年数と同様に賃貸アパートの暮らしやすさに関わるのが、どのような住人が入居しているかです。
内見の際は、入居者のおおよその世帯構成や全体の雰囲気を把握しておきましょう。
気になる場合は、不動産会社の担当者に、どのような世帯が多く入居しているのかを確認しておくと、入居後のイメージがつきやすくなり安心です。
まとめ
賃貸アパートは、築年数によって設備や室内環境が変化し、それが家賃にも反映されます。
築年数が経っている物件でも、適切にメンテナンスされていて快適に住める物件は多くありますので、リフォーム履歴もあわせて確認するのがポイントです。
家賃や築年数、住環境のバランスを考慮して、自分に合った物件を探しましょう。