シェアハウスの初期費用はなぜ安い?費用の相場や物件を選ぶポイントも解説

「親元を離れて一人暮らしをしたいけれど、できるだけ生活費を抑えたいし、いきなり一人で生活するのは不安がある」

このような方におすすめなのが、複数の人が入居するシェアハウスです。

今回は、一般的な賃貸物件と比べたときの初期費用の安さでも知られるシェアハウスについて、安さの理由を解説します。

物件を選ぶときのポイントも紹介しますので、シェアハウスを検討中の方はぜひ参考にしてください。

シェアハウスの初期費用の相場

シェアハウスの初期費用は、家賃のおよそ2~3倍が相場です。

一般的な賃貸物件の初期費用は、家賃のおよそ5~6倍が相場のため、およそ半分の負担で入居できます。

共有スペースの使い方のルールや、プライバシーの確保が難しいといった注意点もありますが、入居時の費用を抑えたい方にとって、シェアハウスは魅力的な物件といえるでしょう。

シェアハウスの初期費用が一般的な賃貸物件よりも安いのはなぜ?

一般的な賃貸物件と比べてシェアハウスの初期費用が安いのは、以下の3つの理由によるものです。

  • 敷金・礼金がない
  • 仲介手数料がかからない
  • 家賃の設定金額が安い

賃貸物件では、初期費用として敷金・礼金のほか、仲介手数料や保証会社の保証料を支払います。

一方、初期費用の内訳が異なるシェアハウスでは敷金や礼金もないため、出費を大きく抑えられるのが魅力です。

一般的な賃貸物件とシェアハウスの初期費用の違いについて、詳しく見ていきましょう。

敷金・礼金がない

シェアハウスは、一般的な賃貸物件で締結するような賃貸借契約を結ばない場合も多いです。

敷金・礼金の相場は、家賃の1ヶ月~1.5ヶ月分で、物件によっては家賃2ヶ月分のところもあります。

敷金・礼金のないシェアハウスなら、一人暮らしにかかるコストを大きく抑えられるのが魅力です。

仲介手数料がかからない

シェアハウスは、オーナーである貸主や管理会社と入居者が直接契約するため、仲介手数料がかかりません。

一般的な賃貸物件の場合、不動産会社を通して契約するため、入居者は不動産会社に仲介手数料を支払います。

多くのシェアハウスは仲介業者を利用せず、主にインターネットで入居者を募集しているため、仲介手数料がかからない場合が多いです。

ただし、オーナーの代理として管理会社が間に入る場合は、シェアハウスでも仲介手数料が発生するため、注意してください。

家賃の設定金額が安い

シェアハウスは1つの建物を複数の入居者で共有するため、一般的な賃貸物件と比べて家賃の設定金額が低いです。

初期費用は家賃を基準に計算するため、家賃が低いほど初期費用の総額を抑えられます。

シェアハウス独自のルールはありますが、生活する上での出費を抑えたい方はシェアハウスを検討してみるのもよいでしょう。

シェアハウスの初期費用の仕組み

シェアハウスの初期費用の仕組みは、以下の通りです。

  • デポジット(保証料)
  • 前家賃
  • 前共益費

デポジット(保証料)はシェアハウス特有の仕組みですが、前家賃と前共益費は、一般的な賃貸物件でも初期費用に含まれます。

特に共益費の内訳は一般的な賃貸物件と異なるため、シェアハウスの特徴でもあるデポジット(保証料)と共益費について、詳しく見ていきましょう。

デポジット(保証料)とは

デポジットとは、入居時に貸主や管理会社に預かり金として支払う保証金のこと。

シェアハウス内の備品を壊してしまったときや、退去するときのクリーニング費用として使われます。

一般的な賃貸物件の「敷金」と似た費用ですが、敷金が家賃を基準に金額を決めるのに対し、デポジットは3万~5万円と一律で設定されていることが多いです。

シェアハウスの共益費の内訳

シェアハウスの共益費に含まれるのは、主に以下の項目です。

  • 水道光熱費
  • インターネット代
  • トイレットペーパーや洗剤などの消耗品や備品の購入代

特徴的なのが、水道光熱費やトイレットペーパー・洗剤などの消耗品も共益費に含まれること。

水回りやリビングなどの共用部の清掃を専門の業者や管理人が担当している場合は、共用部の清掃費用も共益費に追加されます。

シェアハウスの共益費の相場は、およそ1万5,000円。

共用部の清掃をどのように行っているかで金額が変わりやすいため、気になる方は内見時に確認してみるとよいでしょう。

シェアハウスと賃貸物件の初期費用を比べてみよう

シェアハウスと、一般的な賃貸物件の初期費用がどのくらい異なるかは、一覧で比較してみるとよくわかります。

どちらも家賃5万円の場合で、賃貸物件の敷金・礼金や保証会社の利用料を1ヶ月分と仮定し、それ以外の費用は一般的な相場に基づいた金額で比べてみましょう。

賃貸物件シェアハウス
敷金5万円なし
礼金5万円なし
仲介手数料5万5,000円(家賃1ヶ月分×税)なし
前家賃5万円5万円
共益費1万円1万5,000円
保証料5万円3万~5万円(デポジット)
鍵交換代2万円なし
火災保険料1万5,000円なし
合計30万円9万5,000円~11万5,000円

賃貸物件の初期費用がおよそ30万円なのに対し、シェアハウスの初期費用はおよそ9万5,000円~11万5,000円と、およそ3分の1に抑えられているのがわかります。

敷金・礼金や仲介手数料といった金額の大きなもの以外に、鍵交換代や火災保険料などの出費が抑えられるのも、シェアハウスの魅力です。

シェアハウスが「やめとけ」といわれるのはなぜ?

初期費用を抑えたい方にとって魅力の多いシェアハウスですが、中には「やめとけ」という声も聞かれます。

主な理由は、次の3つです。

  • プライベートを確保しにくい
  • 水回りの使い方でトラブルになりやすい
  • 自分に合う・合わないが事前にわかりにくい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プライベートを確保しにくい

シェアハウスは入居者に1部屋ずつ個室を割り当てますが、キッチンや浴室、洗面やトイレといった水回りをはじめ、リビングや玄関などの共有部を複数の入居者で使用します。

複数の人と知り合えるのはシェアハウスの魅力ですが、一人暮らしと比べたときのプライベートの確保しにくさに、ストレスを感じることもあるでしょう。

水回りの使い方でトラブルになりやすい

シェアハウスでは、特にキッチンや浴室・洗面などの水回りの使い方でトラブルが多く発生します。

特に食器の洗い方や共有する調味料の使い方をはじめ、生活スタイルによって入浴時間の変わる浴室の使い方でのトラブルに注意が必要です。

他の人に気を遣いすぎず、自分のペースで暮らしたい方は一般的な賃貸物件を検討した方がよいでしょう。

自分に合う・合わないが事前にわかりにくい

複数の人が入居するシェアハウスでは、適度に他人に気を配りつつ、必要以上に気にしすぎない姿勢が大切です。

一人暮らしへの不安や金銭的な問題からシェアハウスを選択する人もいますが、シェアハウスが自分にあっているかどうかは、いざ住んでみないとわかりません。

入れ替わりが多いシェアハウスでは、そのときの入居者によって雰囲気も変わりやすいです。

シェアハウスが「合わなかった」と感じる人の意見が特に取り上げられやすいのも、シェアハウスが「やめとけ」といわれる理由になっています。

シェアハウスを選ぶときのポイント

シェアハウスへの入居を希望するなら、後悔しないためにも自分に合った物件を選ぶのが大切です。

  • 違う時間帯で複数回見学する
  • 物件ごとのルールを確認する
  • 住む期間と目的を明確にする

シェアハウスを選ぶときに押さえておきたい、3つのポイントについて見ていきましょう。

違う時間帯で複数回見学する

シェアハウスの住みやすさは、そのときの入居者の雰囲気で大きく変わります。

できれば日中と夜間の両方の時間帯で見学し、余裕があれば複数回訪れてみるのも効果的です。

日中は静かだけれど、夜間は入居者の交流が活発で賑やかであるなど、物件によって特徴もそれぞれ。

室内の様子や設備などをしっかり確認したい場合は、入居者の目を気にせず見学できるように、人が少ない日中に訪れてみるのもよいでしょう。

物件ごとのルールを確認する

共有部が多いシェアハウスでは、物件ごとに決められたルールを守らなくてはなりません。

特に清掃業者や管理人を入れずに、入居者が持ち回りでリビングや水回りを掃除する場合は、費用は抑えられますが入居中の負担は増します。

掃除の仕方や当番制に関するトラブルも起こりやすいため、特に注意が必要です。

また、物件によっては門限があったり、深夜の時間帯の入浴を禁止しているところもあります。

不規則な帰宅時間や、夜勤などで通常と異なる時間帯での帰宅が多い方は、一般的な賃貸物件を選んだ方がストレスなく過ごせるでしょう。

住む期間と目的を明確にする

シェアハウスは貯蓄などを目的に、はじめから期間を決めて入居する人も多いです。

また複数人と交流を持ちやすい環境に魅力を感じ、人脈の形成を目的に考える人もいます。

物件によっては、ある程度の属性に応じて入居者を限定しているところもありますので、期間や目的に合った物件を探しましょう。

シェアハウスについてよくある質問

シェアハウスを検討中の方に向け、よくある2つの質問を紹介します。

シェアハウスにも入居審査はある?

シェアハウスにも入居審査はありますが、保証会社を利用する一般的な賃貸物件と比べると審査基準は緩やかで、身分証の提示だけで審査が完了する場合もあります。

クレジットカードの滞納や家賃の滞納など、過去の金融事故が原因で一般的な賃貸物件の審査に通りにくい人でも入居できますし、収入の不安定なフリーランスの方でも入居しやすいといえるでしょう。

初期費用がないシェアハウスもあるって本当?

シェアハウスの中には、初期費用自体を設定していない物件もあります。

ただし、初期費用としての項目がないだけで実際には月々の家賃に上乗せされているケースが多く、初期費用がないからといって必ずしもお得に入居できるとは限りません。

また、支払い費用にデポジット(保証金)が含まれていない場合は、退去時にクリーニング費用を別途請求されることがあります。

入居時の費用は抑えられますが、退去時の費用が高額になりやすい点に、注意が必要です。

まとめ

シェアハウスには「家賃を抑えられる」「一人暮らしの心細さから解放される」など、メリットがある一方で、プライベート確保が難しいことや、物件ごとに異なるルールがあるといった注意点もあります。

初期費用が抑えられるのはシェアハウスの大きな魅力ですが、入居後に後悔のないように、費用以外のポイントもしっかりと確認しながら物件を選んでいきましょう。

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