シェアハウスの初期費用はどのくらい?安い理由や内訳を解説

初期費用が抑えられると人気のシェアハウスですが、なぜ安いのか、疑問を感じる方も多いでしょう。

今回はシェアハウスが気になるけれど、よくわからず不安を感じている方に向け、初期費用の相場や内訳を詳しく解説します。

シェアハウスが「やめとけ」といわれてしまう理由や、選ぶときのポイントも解説しますので、ぜひ物件探しの参考にしてください。

シェアハウスの初期費用の相場

シェアハウスの初期費用は、家賃5万円の物件でおよそ10万円が相場です。

一般的な賃貸物件では、初期費用の相場はおよそ25万〜30万円。

家賃の5~6倍が目安とされています。

一般的な賃貸物件と比べ、大幅に初期費用を抑えられるのがシェアハウスの魅力です。

シェアハウスの初期費用が安い理由

シェアハウスの初期費用が安い理由は、以下の3つです。

  • 敷金・礼金がない
  • 仲介手数料がかからない
  • 家賃設定が低め

それぞれ解説します。

敷金・礼金がない

入れ替わりの多いシェアハウスでは、一般的な賃貸物件のように賃貸借契約を結ばないケースが多く、契約時に支払う敷金・礼金もありません。

そのため敷金・礼金の代わりに、デポジット(保証金)として3万円程度を支払うケースが一般的です。

シェアハウスは申し込みをすると、比較的すぐに審査や契約に進みます。

物件によっては、申し込み後即入居になるケースもあるので、問い合わせるときに確認しておきましょう。

仲介手数料がかからない

シェアハウスは、オーナーである貸主や管理会社と直接契約します。

間に不動産仲介業者を挟まないため、仲介手数料がかかりません。

仲介手数料は、宅地建物取引法で「家賃1ヶ月分×税」が上限と定められており、家賃と同等の金額がかかるケースが多いです。

仲介業者を通さないため、シェアハウスは主にインターネットで直接入居者を募集します。

ただし、貸主であるオーナーの代理として管理会社が間に入るときは、仲介手数料が必要になるため、注意してください。

家賃の設定金額が低い

シェアハウスは、一般的な賃貸物件に比べて家賃が低く設定されています。

家賃は初期費用を計算する基準になるため、出費を抑えたければ、できるだけ家賃の設定金額が低い物件を選ぶとよいでしょう。

シェアハウスの初期費用の内訳

シェアハウスの初期費用の内訳は、以下のとおりです。

  • デポジット(保証金)
  • 前家賃
  • 前共益費

それぞれ解説します。

デポジット(保証金)

デポジットとは、いわゆる保証金のこと。

入居時に貸主や管理会社に預かり金として支払い、主に備品を壊したときの弁償費用や、退去時の修繕費用、クリーニング費用として使われます。

シェアハウスのデポジットは、3万~5万円が相場です。

前家賃

前家賃とは、翌月分の家賃をあらかじめ支払っておく仕組みのこと。

家賃は月末に翌月分を先払いするため、入居当月の家賃は、初期費用に含めるのが一般的です。

たとえば家賃5万円のシェアハウスなら、5万円を前家賃として支払います。

前共益費

前家賃と同様、翌月分の共益費も初期費用に含めるのが一般的。

シェアハウスの共益費に含まれるのは、以下の項目です。

  • 水回りを含む共用部分の清掃費用
  • 水道光熱費
  • インターネット代
  • トイレットペーパーなどの消耗品・備品購入代

物件によって異なりますが、キッチンやお風呂をはじめとする水回りやリビングは、多くが週2回の頻度で業者や管理人による清掃を実施。

また備品として使う洗剤やトイレットペーパーなどの購入費用や、インターネット代も共益費に含まれます。

これらの項目を合わせた共益費の相場は、およそ1万5,000円です。

シェアハウスと一般賃貸の初期費用を比較

シェアハウスと一般的な賃貸物件の初期費用を、一覧で比較してみましょう。

どちらも家賃5万円の物件で、敷金・礼金、保証会社の利用料は1ヶ月分と仮定します。

項目 一般的な賃貸物件 シェアハウス
敷金 5万円 なし
礼金 5万円 なし
仲介手数料 5万5,000円(家賃1ヶ月分×税) なし
前家賃 5万円 5万円
共益費 1万円 1万5,000円
保証料 5万円 3万~5万円※デポジット
鍵交換代 2万円 なし
火災保険料 1万5,000円 なし
合計 30万円 9万5,000円~11万5,000円

あくまで相場による試算ですが、一般的な賃貸物件の初期費用が30万円なのに対し、シェアハウスの初期費用は9万5,000円~11万5,000円。

シェアハウスの方が、大幅に初期費用を抑えられるのがわかります。

番外編 | シェアハウスは初期費用なしでも入居できる?

シェアハウスには、初期費用なしで入居できる物件もあります。

ただし初期費用として徴収しないだけで、毎月の家賃に上乗せされているケースも多いです。

またデポジットを支払っていないため、退去時にクリーニング代を請求されるケースもあります。

退去時の詳細については、必ず申し込み前に確認してください。

シェアハウスとルームシェアの違い

シェアハウスとよく比較されるルームシェアですが、物件の種類と住人の関係性が異なります。

それぞれ見ていきましょう。

物件種類と住人の関係性が異なる

1つの物件を、複数の初対面の入居者で共有するのがシェアハウス。

賃貸マンションやアパートの1部屋を、友人や知人、兄弟や親戚など、知り合い同士で共有するのがルームシェアです。

シェアハウスは、入居者それぞれが貸主や管理会社に申し込み、家賃や共益費の支払いも各自で行います。

一方、ルームシェアで賃貸借契約を結ぶのは、代表者1名のみ。

家賃や共益費の支払いについては、事前にルームメイト同士が相談して決めておくケースが多いです。

初期費用の扱いが異なる

シェアハウスとルームシェアは、物件の契約方法が違うため、初期費用の内訳が異なります。

シェアハウスの初期費用は、敷金・礼金の代わりとなるデポジットのほか、前家賃と共益費を支払うのが一般的。

一方、ルームシェアは一般的な賃貸物件を契約するため、初期費用に以下の項目が含まれます。

  • 敷金・礼金
  • 前家賃
  • 日割り家賃
  • 仲介手数料
  • 保証会社利用料
  • 鍵交換代
  • 火災保険料

賃貸物件の初期費用については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にお読みください。

参考 | 学生がルームシェアするときにかかる費用

ルームシェアの初期費用は、一般的な賃貸物件と変わりません。

しかし折半すれば負担が軽くなるため、学生をはじめ若手の社会人にも人気があります。

たとえば少し広めの家賃10万円の物件を契約すると、初期費用の目安は50万〜60万円と高額です。

しかし仮に2人でルームシェアするなら、1人あたりの負担額は25万〜30万円に抑えられます。

以下の表は、家賃10万円の賃貸物件を2人でルームシェアし、費用を折半した場合の生活費の目安です。

  1人あたりの金額
家賃 5万円
光熱費 6,000円
通信費 3,000円
食費 2万円~3万円
合計 7万9,000円~8万9,000円

参考:SUUMO「一人暮らしよりも経済的!ルームシェアのすすめ」

特に都市部では、ある程度の広さの物件は家賃も高額になりやすいです。

広めの部屋で暮らしたい方に、ルームシェアはおすすめの方法です。

シェアハウスが「やめとけ」といわれる理由

初期費用を抑えられるシェアハウスですが、中には「やめとけ」という声も聞かれます。

シェアハウスが「やめとけ」といわれる理由は、以下の3つです。

  • 他人との生活に気を遣う
  • 水回り設備の使い方でトラブルになりやすい
  • プライベートが確保しにくい

それぞれ見ていきましょう。

他人との生活に気を遣う

最も多くあげられるのが、他人との生活に気を遣い、ストレスを感じやすいという意見。

多くのシェアハウスでは入居者に個室を割り当てますが、キッチンやお風呂、トイレや洗面所などの設備は共有です。

特にお風呂は時間帯によって利用者が集中しやすく、希望の時間帯に利用できなかったり、仕方なく朝のシャワーのみで済ませたりといった苦労も聞かれます。

他人と一緒に住むのがシェアハウスの醍醐味ですが、タイミングや頻度によっては、ストレスを感じるケースも多いようです。

水回り設備の使い方でトラブルになりやすい

シェアハウスは、キッチンなど水回りの使い方の違いでトラブルになるケースが多いです。

よくあるのが、特定の入居者が使用済みの食器をシンクに放置し、ほかの入居者が洗わざるを得ないといったケースです。

シェアハウスでは、使ったものは自分で片づけるのが基本的なルールですが、一部の利用者のマナー違反からトラブルに発展しやすい点に注意しましょう。

プライベートが確保しにくい

個室があるとはいえ、一人暮らしと比べると、シェアハウスはプライベートが確保しにくいです。

物件によっては防音性能も不十分なため、漏れてくる話し声や音楽が気になり、リラックスできないという声も聞かれます。

自宅と外でオンオフを切り替えたい方は、シェアハウスではなく、一般的な賃貸物件を検討するとよいでしょう。

シェアハウスを選ぶときのポイント

シェアハウスで後悔しないためには、自分の生活スタイルや好みに合った物件を選ぶのが大切です。

シェアハウスを選ぶときの、3つのポイントを紹介します。

日中と夜間それぞれで見学する

シェアハウスの住みやすさは、入居者との相性に大きく左右されます。

できるだけ、日中と夜間どちらも見学しましょう。

特に夜間は、ほかの入居者が帰宅している可能性も高く、日常の様子がよくわかります。

人が少ない日中も、入居者に遠慮せず室内を見学できるため、設備の状況を確認するのにおすすめです。

シェアハウスのルールを確認する

シェアハウスを選ぶときは、ルールを必ず確認しましょう。

特に清掃については、管理人や清掃会社のほか、入居者同士が当番制で行う物件もあります。

トラブルが発生しやすいケースもあるため、シェアハウスのルールは細かい部分まで確認してください。

シェアハウスに住む目的と期間を明確にする

シェアハウスは、もともと長い期間ではなく、ある程度の期間限定で住む人が多いです。

たとえば節約が目的の入居なら、シェアハウスで抑えた生活費を貯蓄し、ある程度貯まったら引っ越すなど、目的と期間を明確にしておくのがおすすめ。

仮にシェアハウスの生活でストレスを感じても、目標を達成するまでの期間限定と考えれば、割り切りやすくなります。

自分がなぜシェアハウスに住むのかの理由を明確にし、目的に合ったシェアハウスを選ぶとよいでしょう。

まとめ

一般的な賃貸物件と比べ、シェアハウスは初期費用や入居後の節約費を抑えられます。

最近はシェアハウスの人気も高まり、コミュニティスペースを充実させたタイプや、プライベート重視型でリモートワーカーが利用しやすいタイプも増えました。

シェアハウスごとの特徴や費用を検討し、ぜひ希望に合った物件を見つけてください。

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