はじめて賃貸の審査を受けるときは、緊張しますよね。
特に必要な書類については、何をどこで用意すればいいのか分からず、不安を感じる方も多いでしょう。
賃貸の審査で必要な書類は、審査を受ける人の立場によって変わります。
特に個人事業主は、賃貸契約の種類で必要な書類も変わるので、注意が必要です。
今回は賃貸の審査の必要書類について解説します。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
賃貸の保証会社の審査では何を調べる?
賃貸の保証会社の審査で主に見られるのは、次の5つです。
- 職業の種類
- 年収などの支払い能力
- 身分証明書
- 入居希望者の人柄
- 過去の金銭トラブルや犯罪履歴
審査で特に重視されるのが、入居希望者の支払い能力です。
年収に対して家賃が高すぎる場合や、収入が安定していない場合は、審査に通るのが難しくなります。
入居後にトラブルを起こさない人物かどうかも、大切なポイント。
大家さんや不動産会社の担当者に会うときは身なりを整え、できるだけ丁寧な対応を心がけるとよいでしょう。
▶▶【賃貸】保証会社の審査とは?落ちる理由と落ちたときの3つの対処法
賃貸の審査で必要な書類
賃貸の審査に必要な書類は、主に次の3つです。
- 入居申込書
- 身分証明書
- 収入証明書
不動産会社によっては、追加で書類が必要な場合もあります。
それぞれ見ていきましょう。
入居申込書
入居申込書は入居の申し込みをするための書類で、不動産会社が用意します。
記入するのは、主に以下の情報です。
- 入居希望者の氏名
- 生年月日
- 住所や電話番号などの連絡先
- 勤務先名・住所・代表電話番号
- 勤続年数
- 年収
連帯保証人を立てる場合は、連帯保証人の氏名や連絡先、勤務先や年収なども記入します。
あらかじめ連帯保証人を頼む相手に相談し、了承を得ておくとよいでしょう。
身分証明書
申し込みには、公的な身分証明書が必要です。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 健康保険証
入居希望者が学生の場合は、顔写真付きの学生証も身分証として認められます。
事前に確認しておきましょう。
収入証明書
収入証明書として使えるのは、主に以下の書類です。
発行元 | 書類名 |
勤め先企業 |
|
市区町村役場 ※その年の1月1日に住所のあった市町村役場で発行 |
|
自分で用意 |
|
企業に勤めているなら、源泉徴収票や給与支払証明書を提出するのが一般的。
個人事業主やフリーランスの場合は、確定申告書の写しが収入証明書として活用できます。
賃貸の契約に必要な書類
無事審査に通り、契約に進むと以下の書類が必要になります。
- 住民票
- 印鑑証明書
- 連帯保証人の身分証明書や収入証明書
いずれも準備に時間がかかる書類です。あらかじめ不動産担当者に必要な書類を確認し、準備しておくとよいでしょう。
住民票
住民票として取得するのは、正確には「住民票の写し」です。
住民票の写しは、世帯の構成によって用意するものが異なります。
世帯の構成 | 必要な情報 | 発行窓口 |
独身(単身) |
|
|
家族 |
|
|
同棲・ルームシェア |
|
住民票の写しを取得するときには、マイナンバーの記載有無が選べます。
マイナンバーは賃貸物件の契約に必要ない情報ですので、必ず「無し」で取得しましょう。
住民票の写しは、発行後3カ月以内のものが有効なので期限に注意しましょう。
印鑑証明書
実印での捺印が求められる場合は、印鑑証明書の提出が必要です。
物件によっては、認印での契約が可能な場合もありますので、事前に担当者に確認しておくとよいでしょう。
必要な印鑑種類 | 印鑑証明書 | 印鑑登録 |
実印 | 印鑑登録をした窓口で取得 | 居住している市区町村役場 |
認印 | なし | なし |
なお、シャチハタは使用できません。
実印か認印のどちらかで、指定されたものを使用しましょう。
連帯保証人の身分証明書や収入証明書
入居者本人と同様に、契約には連帯保証人の身分証明書や収入証明書も必要です。
特に収入証明書は、連帯保証人に用意してもらう必要がありますし、遠方に住んでいる場合は郵送に時間もかかります。
余裕をもって、依頼しておきましょう。
賃貸の審査にケース別で必要になる書類
賃貸の審査に必要な書類は、入居希望者の職種や立場で変わります。
- 新社会人や転職直後の場合
- 学生の場合
- フリーランスや自営業、個人事業主の場合
それぞれ見ていきましょう。
新社会人や転職直後の場合
新社会人や転職直後だと、年収を証明するのが難しい場合も。
安定した支払い能力を証明するために、以下を提出するのがおすすめです。
- 内定通知書
- 雇用契約書
- 労働条件通知書
見込み年収が把握できるため、審査に通りやすくなります。
すでに給与明細が発行されているなら、直近3ヶ月分の給与明細を添えてもよいでしょう。
学生の場合
入学や進級によるキャンパスの移動などで契約するなら、以下の提出がおすすめです。
- 顔写真付きの学生証
- (入学の場合)合格通知書
学生で収入が安定しない場合は、保護者による代理契約が多く行われます。
保護者の身分証明書や収入証明書はもちろんですが、万が一に備え、緊急連絡先を事前に伝えておくとよいでしょう。
フリーランスや自営業、個人事業主の場合
フリーランスや自営業者、個人事業主の場合は、支払い能力の証明に以下の提出がおすすめです。
- 確定申告書の控え
- 住民税の課税証明書
- 所得税の納税証明書
いずれも、収入を証明する書類として活用できます。
ただし納税証明書は、万が一税金の未納があると未納歴も記載されてしまうため、注意が必要です。
また開業してから1年目は、前年度の実績を掲示できないため、審査は厳しくなります。
家賃の2年分以上の貯蓄があるならば、預金通帳の残高をコピーして掲示してもよいでしょう。
個人事業主が賃貸の審査で必要な書類は?
個人事業主が賃貸契約を結ぶ場合、居住用なのか事業用なのかでも、必要書類は変わります。
それぞれのケースを解説しますので、参考にしてみてくださいね。
個人契約と個人事業用契約の違い
個人事業主が結べる賃貸契約には、2つの種類があります。
- 個人契約
- 個人事業用契約
個人契約は、居住用として利用する場合の契約。
個人事業用契約は、事務所として利用する場合の契約です。
個人契約では、居住のみを目的とした使用が定められています。
事務所として使い、不特定多数の人間が出入りする場合には、個人事業用契約を結ばなくてはなりません。
最近では、副業が身近になっています。
パソコン1台で完結できる業務で、個人事業主として仕事をはじめた方も多いでしょう。
しかし、居住用賃貸物件の住所を事業所にして開業届を提出すると、のちのち大家さんとトラブルになりかねません。
個人契約で居住用物件に入居中の方は、事務所利用可の物件や、バーチャルオフィスの利用を検討するのもよいでしょう。
個人契約の必要書類
個人契約の場合、必要な書類は通常の賃貸契約と変わりません。
収入証明書として、確定申告書の写しや住民税の課税証明書を提出します。
必要に応じて、預金通帳の残高のコピーを掲示するとよいでしょう。
個人事業用契約の必要書類
個人事業契約の場合は、必要な書類に次の2点が追加されます。
- 昨年度の課税証明書
- 事業内容がわかるもの
経理関係を外部の税理士さんにお願いしていると、書類の準備に時間がかかる場合もあります。
早めに依頼しておくと安心でしょう。
事業内容がわかるものは、開業届のコピーや、ホームページの内容を印刷したものでも可能です。
大家さんが必要書類を決めている場合もありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
個人事業主が審査に通りにくい理由
個人事業主は、一般的に審査に通りにくいと言われています。
主な理由は、以下の3つです。
- 収入が安定しない
- 人の出入りが把握できない
- 大家さんの税負担が増える
それぞれ解説します。
収入が安定しない
個人事業主が審査に通りにくい一番の理由は、収入が安定しないことです。
たとえ年収が多くても、収入の少ない月があっては、安定して家賃を支払えません。
安定した収入を定期的に得にくい点が、大家さんや管理会社に不安視され、審査に通りにくくなるのです。
人の出入りが把握できない
取引先や関係者が複数いる場合、人の出入りが把握できなくなるのも理由の1つです。
事務所利用可能な物件であっても、他の部屋は居住用として入居しているケースも多くあります。
不特定多数の人間が出入りしていると、セキュリティ面に不安を感じる住人もいるでしょう。
場合によっては、近隣とトラブルになる可能性もあるため、審査が厳しくなるのです。
大家さんの税負担が増える
居住用物件と事業用物件では、大家さんの税負担が変わります。
居住用と事業用では、家賃にかかる消費税の課税・非課税が異なるためです。
物件種類 | 家賃にかかる消費税 |
居住用物件 | 非課税 |
事業用物件 | 課税 |
事業用物件は家賃に消費税がかかるため、大家さんの収入は増えます。
しかし家賃収入が年間1,000万円を超えると、消費税を追加納付しなければならなくなり、固定資産税の負担も増えます。
そのため節税したい大家さんにとっては、居住用物件の方が好ましく、個人事業主の入居がむずかしくなるのです。
個人事業主でも審査に通りやすくするコツ
個人事業主が審査に通りやすくするためには、どのようにすればよいのでしょうか。
方法は、次の3つです。
- 連帯保証人を立てる
- 家賃の2年分以上の預貯金を用意する
- SOHO利用可の物件を検討する
それぞれ紹介します。
連帯保証人を立てる
開業したばかりで支払い能力を示すのが難しい場合は、連帯保証人を立てるのも有効です。
連帯保証人はできれば、現役で勤めていて収入の安定している、3親等以内の親族だと審査に通りやすくなります。
しかし個人事業主として独立後に連帯保証人を見つけるのは、なかなか難しいでしょう。
学生や新社会人など、保護者の延長として連帯保証人を引き受けてくれる場合と異なり、独立後は親族からも自立を求められる場合が多いためです。
どうしても依頼する場合は、相手に事業計画や収支計画を十分に説明し、安心して引き受けてもらえるように努めましょう。
家賃の2年分以上の預貯金を用意する
十分な預貯金があるならば、審査のときに預金残高を掲示するのも方法の1つです。
目安としては、家賃の2年分以上の貯蓄があれば、審査に通りやすくなります。
もし残高が足りなければ、家賃の安い物件を検討するのもおすすめです。
これまでの事業実績に預貯金残高を添え、支払い能力に問題がないことをアピールできると最適でしょう。
SOHO利用可の物件を検討する
SOHOとは「Small Office Home Office」の略語。
文字通り、小さなオフィスや自宅を仕事場とする働き方を表します。
リモートワークの普及により、SOHO利用可の賃貸物件も増えてきました。
注意点は、看板を掲げたり不特定多数の人間が出入りしたりする業種は、SOHO物件の利用ができないこと。
自宅のパソコン1台で完結するような業務であれば、SOHO物件は個人事業主への理解も得やすく、審査に通りやすくなりますよ。
まとめ
賃貸の審査は入居時に必要ですが、書類を揃えるなど慣れない部分も多くあります。
収入証明書が追加で必要なときや、事業用に物件を借りるときは、注意すべきポイントも増えるでしょう。
入居審査の準備は一見難しそうに感じられますが、一つ一つ手順を追っていけば、解決できるものばかりです。
不安を感じたら、一人で悩まず、不動産会社の担当者に相談するのがおすすめです。
経験豊富な担当者を味方につけて必要な書類を揃え、賃貸の審査を乗り切りましょう。
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