シングルマザー向け|賃貸の審査で注意すべき4つのポイント

シングルマザーが賃貸物件への入居を考えるとき、難しいといわれるのが入居審査です。

特にシングルマザーになったばかりだと、自分で入居審査を受けるのははじめてというケースもあり、不安を感じる方も多いでしょう。

今回はシングルマザーが賃貸の審査を受けるときに、注意すべき4つのポイントを解説します。

審査に通らなかった場合の対策や、利用できる支援制度も紹介しますので、物件探しの参考にしてください。

シングルマザーが賃貸の審査に通りにくい理由

はじめに、シングルマザーが賃貸の審査に通りにくいといわれる理由を解説します。

見られるのは「収入の不安定さ」

入居審査で最も重視されるのは、収入状況。

大家さんや管理会社が何よりも避けたいのは、家賃の未払いと滞納です。

入居後に問題なく家賃を支払えるか判断するために、現在の収入状況や預貯金額は詳しく審査されます。

以前は偏見により、シングルマザーというだけで審査に落とされるケースもあったようです。

しかし今では母子家庭数は増えており、偏見も以前よりは減りつつあります。

シングルマザーが審査に通りにくいのは、収入の不安定さが大きな理由です。

入居審査とは

入居審査とは、賃貸物件への入居を許可するために行われる審査のこと。

大家さんや管理会社が行う審査と、保証会社が行う審査の2種類があり、物件ごとに異なります。

最近では、保証会社の利用必須の物件が8割を超え、大家さんや管理会社の審査だけで済ませる物件は少なくなりました。

入居審査では、入居希望者の年齢や勤務先のほか、年収や雇用形態、連帯保証人の有無などが確認されます。

審査に通りやすいのは、比較的収入の安定している正社員です。

一方、月々の収入が安定しないフリーランスや夜の職業は、たとえ月収が高くても審査に通りにくいです。

審査基準については、こちらで詳しく解説していますので、ぜひお読みください。

シングルマザーが賃貸の審査で注意すべき4つのポイント

シングルマザーが賃貸の審査を受けるときに、注意したいポイントは以下の4つです。

  • 家賃の支払い能力を示す
  • 連帯保証人をつける
  • 家賃の基準額を下げる
  • 身だしなみを整える

それぞれ見ていきましょう。

家賃の支払い能力を示す

入居審査を受けるときは、勤務先や年収を明確にし、家賃の支払い能力を示しましょう。

審査に通りやすいのは正社員です。しかし、シングルマザーは子どもの送迎や家事一切を引き受けるため、なかなかフルタイムの勤務は難しいのが現状です。

もし年収に不安があれば、元配偶者からの養育費や児童手当・児童扶養手当の金額もまとめましょう。

養育費や各種手当の入金目安を明確にし、家賃の支払い見込みを正直に伝えるのが大切です。

連帯保証人を立てる

審査に不安があれば、連帯保証人を立てましょう。

連帯保証人とは家賃が滞納されたときに、入居人に代わって滞納分の家賃を支払う立場のこと。

家賃未回収のリスクを減らせるため、大家さんや保証会社からの信頼度が上がり、審査に通りやすくなります。

家賃の基準額を下げる

審査に通るか不安なときは、家賃の基準額を下げるのも効果的です。

入居審査に通るために必要な年収目安は、家賃の36倍。

家賃ごとの年収目安を、一覧で見てみましょう。

家賃 年収目安
5万円 180万円
6万円 216万円
7万円 252万円
8万円 288万円
9万円 324万円
10万円 360万円

周辺環境や駅からの距離など、こだわりたいポイントは多いですが、家賃以外に共益費や管理費も必要です。

年収の目安を参考に、余裕をもって支払える価格帯での物件探しをおすすめします。

身だしなみを整える

入居審査では、相手への印象も大切です。

大家さんや不動産担当者と会うときは、身だしなみを整えましょう。

直接大家さんに会う機会がなくても、入居希望者の印象は不動産担当者を通じて、大家さんに伝わります。

物件の相談や内見のときも、できるだけ丁寧な態度を心がけてください。

シングルマザーが賃貸の審査に通らないときの3つの対策

シングルマザーが賃貸の審査に通らないときは、次の3つの方法を試しましょう。

  • 預貯金審査をする
  • 他の物件を検討する
  • 行政の窓口に相談する

それぞれ解説します。

預貯金審査をする

預貯金審査とは、現在の預貯金額から家賃の支払い能力を判断する方法です。

家賃の2年分以上の貯蓄があるなら、預貯金審査を検討しましょう。

仮に家賃が8万円なら、8万円×24=192万円以上が目安。

引っ越し費用や当面の生活費も必要になるので、余裕を見ておくのがおすすめです。

なお預貯金審査には、通帳の残高ページのコピーや、銀行で発行する残高証明書を使います。

財産分与などでまとまった金額が入金されているなら、効果的な方法です。

ただし、預貯金審査はすべての物件で対応しているわけではありません。

不動産担当者に預貯金審査が希望だと伝えたうえで、物件を紹介してもらいましょう。

他の物件を検討する

審査に通らなかったときは、保証会社が使用するデータベースに履歴が残ります。

履歴が多く残るとその後の審査が不利になるため、審査に通りやすい他の物件を検討するのもおすすめです。

  • 家賃を下げる
  • 連帯保証人のみで入居できる物件を探す

家賃を下げれば、目安年収も抑えられて審査に通りやすくなりますし、連帯保証人のみで入居できる物件なら、保証会社の審査は必要ありません。

連帯保証人のみで入居できる物件は限られるため、早めに不動産担当者に希望を伝えましょう。

行政の窓口に相談する

離婚などが原因で、母子家庭・父子家庭といった「ひとり親」になる世帯は、年々増加しています。

各自治体はひとり親支援に積極的に取り組んでおり、市区町村役場の福祉窓口で相談できます。

賃貸の審査に通らないときは、1人で悩まず、行政の窓口にも相談してみましょう。

シングルマザーが賃貸で利用できる支援制度

シングルマザーが賃貸物件を借りるときに利用できる、4つの支援制度を紹介します。

  • 家賃補助制度
  • 母子父子寡婦福祉資金貸付制度
  • 公営住宅への優先入居
  • 母子生活支援施設の利用

それぞれ見ていきましょう。

家賃補助制度

各自治体では、ひとり親を支援するための家賃補助制度を実施しています。

たとえば東京都では、一部の公社住宅を対象に毎月の家賃を20%割引する「こどもすくすく割」を実施。

「子どもが18歳になる年度の末日まで」または「3年間」と制限はありますが、ひとり親世帯にとって心強い制度です。

また就労を目指し、意欲的に取り組んでいるならば「償還免除付のひとり親仮定住宅支援資金貸付」制度も利用できます。

これは月額上限4万円の家賃実費を貸し付ける制度で、貸付期間は12ヶ月までです。

ただし、「母子・父子自立支援プログラム」の策定を受け、貸付から1年以内に就職、および1年間就労を継続するなどの条件を満たせば、貸付金の返還が免除されます。

利用希望の方は、一度自治体の福祉窓口に問い合わせてみましょう。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度」は、20歳未満の児童を扶養している、ひとり親世帯が利用できる貸付金です。

賃貸への入居に関しては、引っ越し費用の貸付が利用できます。

利用できる「転宅資金」の詳細は、以下のとおりです。

<転宅資金>

対象 用途 内容
母子家庭の母
父子家庭の父
寡婦
住宅の移転や住宅の賃借に際して必要な資金 限度額:26万円
据置期間:6ヶ月
償還期間:3年以内
<利率>
保証人有:無利子
保証人無:年1.0%

参考:男女共同参画局「母子父子寡婦福祉資金貸付制度」

保証人がいれば無利子で利用できますが、期日内に返済しないと違約金が発生しますので、注意してください。

公営住宅への優先入居

公営住宅とは、一般の賃料よりも割安な価格設定で提供されている、公共住宅のこと。

県営住宅や市営住宅などの自治体が運営する住宅が含まれ、低所得者層を中心に提供されています。

公営住宅の入居者募集は、自治体を通じて定期的に行われ、希望者多数の場合は抽選で決定します。

抽選には優先入居枠があり、母子・父子世帯も対象です。

公営住宅を申し込む際は、必ず申し出ましょう。

母子生活支援施設の利用

母子生活支援施設とは、厚生労働省が管理する、シングルマザーとその子どもの保護と自立支援を目指すための施設です。

各世帯ごとの居室のほか、学習室や保育室を備えた施設もあり、シングルマザーの就労を通した自立や生活のサポートを行っています。

施設には専門の母子支援員、少年指導員が配置され、シングルマザー世帯の生活や子育てについても相談しやすい環境です。

入所手続きは各自治体の福祉事務所を通じて行います。

希望の方は、一度問い合わせてみてください。

シングルマザーが賃貸住宅を借りるときによくある質問

最後に、シングルマザーが賃貸住宅を借りるときに、よくある質問を見ていきましょう。

Q1:シングルマザーを応援している住宅はある?

シングルマザーを応援する住宅としては、「母子ハウス」が一般的です。

シェアハウスの形態が多く、各地の支援団体が独自に運営しています。

物件によっては、食糧支援や就労支援付きの物件もあり、シングルマザーを応援している住宅です。

Q2:母子家庭で無職でも賃貸は借りられる?

母子家庭で無職でも、家賃の継続的な支払いが可能であれば、賃貸は借りられます。

ただし入居審査では家賃の支払い能力が最も重視されるため、就労してからの方が審査には通りやすいです。

できるだけ家賃の基準を下げつつ、連帯保証人や預貯金審査などの対策をし、大家さんの信頼を得られるように工夫しましょう。

Q3:賃貸でシングルマザーにおすすめの間取りは?

子どもが1人であれば「1DK」、2人なら「2DK」がおすすめ。

キッチンやダイニング以外に居室があれば、ダイニング部分をメインの生活空間にし、居室を寝室や子ども部屋として使用可能です。

またLDK付き物件と比べると、家賃も比較的抑えられます。

子どもが3人以上の場合は2DKでは手狭になるので、必要に応じて広い間取りを検討しましょう。

まとめ

シングルマザーが賃貸の審査を受けるときは、何よりも支払い能力の証明に努めましょう。

収入に不安があるときは、連帯保証人や預貯金審査も検討し、行政の窓口や支援施設も積極的に頼ってください。

シングルマザー世帯は年々増加しており、支援制度も拡充されつつあります。

適切に情報を集め、着実に新生活への準備を進めましょう。

初期費用ゼロのお部屋探しなら、ゼロすむにご相談を

引っ越し時の支払いをできるだけ安くしたい…とお考えの方はゼロすむにご相談ください。

ゼロすむを利用してお部屋を借りると、敷金・礼金・前家賃などの高すぎる初期費用を0円にできます。

ご希望の方は、下記バナーよりLINE友だち追加をお願いします。

▼ゼロすむをご利用希望の方はこちら▼