選択肢の多い賃貸物件は、選ぶのが楽しみな反面、自分にあうのはどのような物件なのかと迷うことも多いでしょう。
賃貸物件を選ぶときは、個々の家族構成やライフスタイルを考えつつ、譲れない条件を見ていくのが大切です。
今回は、賃貸物件の選び方について解説します。
一人暮らし・ファミリー・同棲など、それぞれのケースでのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
賃貸物件を選ぶ前に決めておきたいこと
賃貸物件を選ぶ前に、以下の4つのポイントについて考えましょう。
- 家賃の上限
- 通勤・通学の許容範囲
- 間取りの候補
- 譲れない条件
後々の迷いが少なくなるように、事前に希望をまとめておくのが大切です。
家賃の上限
賃貸物件を選ぶときは、家賃の上限から考えます。
家賃から見た適切な年収目安は「家賃の36倍」といわれており、一覧で見ると以下の通りです。
家賃 | 年収目安 |
5万円 | 180万円 |
6万円 | 216万円 |
7万円 | 252万円 |
8万円 | 288万円 |
9万円 | 324万円 |
10万円 | 360万円 |
賃貸物件の入居時に支払う敷金・礼金、仲介手数料といった初期費用は、家賃を基準に計算します。
初期費用を少しでも抑えたければ、家賃を抑えるのも大切です。
快適に新生活を送るためにも、自分がいくらまでなら無理せず支払えるのかを、十分考えておきましょう。
通勤・通学時間の許容範囲
家賃の上限を決めたら、通勤・通学時間の許容範囲を考えましょう。
希望の通勤・通学時間を基準にすれば、具体的な沿線や場所が定まってきます。
通勤・通学時間はできるだけ短縮したいものですが、通勤・通学時間が短くなるほど街の中心地に近づき、家賃が高くなるケースも多いです。
通勤・通学時間の範囲はある程度ゆとりを持たせ、家賃とのバランスを見ながらエリアを考えてください。
間取りの候補
家賃の上限と具体的なエリアが決まったら、間取りの候補を決めていきます。
間取りは1LDKのように、数字とアルファベットで表記するのが一般的。
数字が表すのは居室の数。アルファベットは居室以外の独立した空間のことで、Lはリビング、Dはダイニング、Kはキッチンを表します。
間取りを考えるときは、住む人数や生活スタイルから必要な部屋数を考えましょう。
譲れない条件
家賃・住むエリア・間取りの基本的な条件を決めたら、譲れない条件も考えます。
セキュリティを重視したオートロックの物件や、独立洗面台を備えた物件、ペット可の物件など。
選ぶものによっては費用負担が増すこともありますので、全体のバランスを考えながら条件を絞り込んでください。
【賃貸の選び方】一人暮らしの場合
一人暮らし用の賃貸物件を選ぶときのポイントは、以下の3つです。
- 間取りは1R~1K
- 駅からの距離
- 防犯性の高さ
それぞれ詳しく解説します。
間取りは1R~1K
一人暮らしにおすすめの間取りは、1R~1Kです。
1Rとは、玄関から居室までが一続きになっている間取りで、キッチンの仕切りもなく1部屋の中におさまっています。
1Kは居室1部屋とキッチンスペースがあるタイプで、キッチンと居室の間に仕切りがある間取りです。
どちらも単身世帯の入居が多く、コンパクトでありながら立地条件に優れた物件も多くなっています。
駅からの距離
一人暮らしは買い物をはじめ外出する機会も増えるため、駅からの距離が近くアクセスのよい立地が便利です。
駅から近い物件は家賃も高くなりやすいですが、単身者用の物件であれば、比較的家賃を抑えて入居できます。
ただし駅から近すぎると喧騒や電車の走行音が気になるケースもあるため、内見で実際の様子を確かめてから判断してください。
防犯性の高さ
一人暮らしをするときは、防犯性の高さにも注意して物件を選びましょう。
もっとも防犯性が期待できるのは、オートロック付きの物件ですが、家賃はやや高額になりやすいです。
特に初めて一人暮らしをする方や女性の方は、周辺環境にも注意しつつ、慎重に物件を選んでください。
【賃貸の選び方】ファミリーの場合
ファミリー世帯が賃貸物件を選ぶときは、以下の3つのポイントを考えます。
- 間取りは2LDK~3LDK
- 治安の良さ
- 室内の防音性や設備環境
一人暮らし世帯と異なり、ファミリー世帯は近隣にも配慮した物件選びが大切ですので、注意してください。
間取りは2LDK~3LDK
ファミリー世帯が賃貸物件を選ぶなら、間取りは2LDK~3LDKを検討しましょう。
子どもが1人でまだ小さな間は、1LDKでも十分暮らせます。
しかし子どもが成長するにつれて身の回りのモノは増えますし、子どもが2人以上になれば1LDKでは手狭に感じやすいです。
子どもが2人以上いるときは、2LDK以上で考えるとよいでしょう。
治安の良さ
ファミリー世帯が住むなら、治安の良さは欠かせない条件です。
内見では、物件自体の雰囲気やゴミ捨て場の様子だけでなく、周辺環境も念入りに確認してください。
子どもが成長して小学生になれば、学区ごとに指定された小学校に通うのが一般的です。
登下校も基本的には1人で行うようになるため、周辺の交通状況も合わせて確認しておきましょう。
室内の防音性や設備環境
賃貸の集合住宅に入居するなら、室内の防音性は念入りにチェックしてください。
走り回る音や話し声など、集合住宅では思いのほか他の部屋まで音が響きます。
子どもの足音が気になるなら、あえて1階の部屋を条件にするのもおすすめです。
ファミリー世帯は洋服や日用品の量も多いため、クローゼットをはじめ備え付けの設備も、自分たちに十分なものが備わっているか確認しましょう。
【賃貸の選び方】同棲・二人暮らしの場合
同棲などで二人暮らしをするときの選び方のポイントは、次の3つです。
- 間取りは1LDK~2LDK
- それぞれの通勤・通学のしやすさ
- 二人暮らししやすい設備
それぞれ見ていきましょう。
間取りは1LDK~2LDK
同棲や二人暮らしにおすすめの間取りは、1LDK~2LDKです。
家賃を抑えるためにコンパクトな間取りを選ぶ人もいますが、同棲や二人暮らしを円滑に過ごすには、1人になれる空間も欠かせません。
2人で過ごす時間の多い同棲ならば1LDK、ルームシェアなどの二人暮らしならそれぞれに居室のある2LDKが最適です。
なお、同棲や二人暮らしをするときは、必ず二人入居可の物件を選んでください。
家賃を抑えたいからといって、単身者用の物件に2人で住むのは契約違反です。
違約金が発生する可能性もありますので、賃貸を選ぶときは必ず入居条件を確認しましょう。
それぞれの通勤・通学のしやすさ
同棲や二人暮らしをするときは、それぞれの職場や学校の中間地点を選ぶケースが多いです。
片方の職場や学校に寄りすぎると、もう一方の負担が重くなり、不公平感につながります。
どちらかの職場・学校に近い場所で希望のエリアがあるときは、あらかじめ2人で話し合っておきましょう。
二人暮らししやすい設備
同棲や二人暮らしでは、水回りの設備が住み心地を左右します。
できれば浴室と洗面所がわかれた、独立洗面台のタイプがおすすめです。
また自炊中心の生活をするなら、2人でも使えるサイズのキッチンの方が、ストレスなく自炊生活を続けられます。
2人がどのように暮らしたいかを相談し、それぞれの希望を把握しておくのが大切です。
選ばない方がいい賃貸物件の特徴は?
賃貸物件を考えるときには、選ばない方がいい物件の特徴が4つあります。
- 築年数が古い
- 周辺環境や治安がよくない
- 通信環境が悪い
- 家賃が高すぎる
これらの中には、空き室を埋めるために相場より家賃を安くしているケースもあるため、何よりも家賃を抑えたい人にとってはメリットがあります。
しかし住み心地に影響するケースが多いため、快適さを重視するなら選ばない方がよいでしょう。
築年数が古い
築年数が古い物件は、セキュリティ性や防音性が低く、設備も旧式のものが多いです。
たとえば部屋に備え付けのエアコンがあっても、旧式のため電気代がかかりやすいというケースもあります。
セキュリティ性や防音性、設備の性能にこだわりたい方は、築年数が古い物件は選ばない方がいいでしょう。
周辺環境や治安がよくない
周辺環境や治安がよくないエリアの物件も、あまりおすすめできません。
特にゴミ捨て場のマナーが悪い、周辺に落書きが多いといったエリアは注意が必要です。
寝るために帰るだけだとしても、夜間も騒がしければ十分な休息がとれません。
内見のときに、周囲の様子もよく確認しておきましょう。
不動産会社からの話も参考にしながら、自分が心地よく住めそうなエリアかどうかを重視してください。
通信環境が悪い
通信環境が悪い物件も、選ばない方がいい特徴の1つです。
内見のときに、忘れずに携帯電話で電波状況を確認してください。
物件にフリーで使える通信環境が導入されているところもありますので、入居者募集の備考欄で確認しておきましょう。
家賃が高すぎる
どれだけ魅力的でも、自身の支払い能力に対して家賃が高すぎる物件は避けてください。
適正な家賃の目安は、収入の3割ほど。
たとえば家賃8万円の物件なら、月収24万円の収入が必要です。
中には多少生活費を切り詰めても、その物件に入居するメリットがあるなど、あえて高額な家賃の物件を選ぶ人もいます。
しかし高すぎる家賃は徐々に生活を圧迫し、貯蓄が減れば、別の物件への引っ越し資金を出すのも難しいです。
家賃については自身の支払い能力と比較しながら、慎重に判断してください。
賃貸の選び方でよくある質問
賃貸の選び方で、よくある質問を2つ紹介します。
失敗談も参考に、後悔のない物件選びにつなげてください。
一人暮らしの部屋選びでの失敗談はどんなもの?
一人暮らしの部屋選びでよくある失敗談は、以下の通りです。
- 駅からの徒歩時間で選んだら、電車や踏切の音に悩まされた
- 駅までバスで数分の記載だったが、朝は渋滞で倍以上かかる立地だった
- キッチンが狭すぎて自炊できず、食費が高くついた
- エレベーターがない物件で、引っ越しの荷上げ料金が高くついた
- 予想以上に食費や光熱費がかかり、家賃負担が重くなった
- 家賃の安さで決めたら日当たりと風通しが悪く、カビと結露に悩まされた
どれも「予想と違っていた」「思っていたよりも費用が高くついた」など、想定外のケースによる失敗が多いです。
賃貸を選ぶときは周辺環境までよく確認し、月々の支払いについても意識しておきましょう。
女性の一人暮らしで譲れない条件は?
女性の一人暮らしで譲れない条件は、以下の3つがあげられます。
- セキュリティ性の高さ
- 周辺環境の良さ
- バストイレ別になっているか
女性が一人暮らしをするなら、セキュリティ性の高さは特にこだわりたいところ。
オートロックや防犯カメラといった建物の防犯性だけでなく、2階以上の物件や室内に洗濯機置場があるかも注意しましょう。
周辺環境は帰宅時の明るさや、繁華街に近すぎないかも注意したいポイントです。
室内設備ではバストイレ別をはじめ、毎日使う水回りにこだわると、より快適に暮らしやすくなるでしょう。
まとめ
賃貸物件の選び方は、入居する人数やライフスタイルによってポイントも変わります。
選択肢が多いからこそ、あらかじめ希望条件は絞り込み、優先順位をつけるのが大切です。
今回紹介した選び方を参考に、選ばない方がいい物件の特徴も考えながら、自分にとって最適な物件探しをすすめてください。