アパートの維持費とは?管理費との違いや内訳、相場を解説

賃貸アパートでは、設備の整った新築物件の人気が高い一方で、築年数が経っていても人気が絶えない物件もあります。

人気を保つ秘訣は、長年にわたって適切な維持や管理を続けること。

住み心地の良さを保つためにも、賃貸アパートの維持費は大切なコストの1つですが、いったい何に使われているのかと、疑問も感じやすいです。

今回は賃貸アパートの維持費について、内訳や相場を詳しく解説します。

気になる管理費との違いについても紹介しますので、アパートの維持費が気になる方はぜひ参考にしてください。

アパートの維持費とは

アパートを維持するためには、建物全体のメンテナンスをはじめ、共用部の清掃や管理のための費用が欠かせません。

また入居者募集にかかる費用や建物の固定資産税・都市計画税なども賃貸経営では必須です。

アパートを維持するための費用は、管理費や共益費として家賃と一緒に毎月徴収されます。

将来的な大規模修繕などを見越した資金計画が必要になるため、維持費はアパートを建てる前から大体の目安を想定し、計画的に集めるのが一般的です。

アパートの維持費の内訳

賃貸アパートの経営は、維持費として家賃収入の20%前後の費用が必要とされています。

維持費の内訳は、主に以下の通りです。

  • 委託管理費
  • 入居者募集にかかる費用
  • 退去時の修繕費
  • 固定資産税・都市計画税
  • 大規模修繕に備えた修繕積立金
  • 共用部分の電気・水道代
  • その他、税理士報酬など賃貸経営に関わる雑費

これらにかかる費用を計画的に集めるために、家賃と合わせて支払うものとして管理費や共益費が設定されています。

アパートの維持費と管理費の違い

管理費や共益費は、アパートの維持を目的に集められる費用です。

アパートの維持費が、固定資産税や入居者募集にかかる費用などの全体をあらわすのに対して、管理費や共益費は共用部の清掃や電気代、電球の交換といった建物の維持・管理に使われるのが特徴的。

「維持費」は大家さんや管理会社がよく使う表現でもあるため、入居者にとっては「管理費」や「維持費」の呼び方が馴染み深いです。

アパートの経営に必要な維持費を確保するために、入居者から集めている費用が、管理費や共益費だと認識しておくとよいでしょう。

アパートの管理費の相場

アパートの管理費の相場は、家賃のおよそ5~10%が相場といわれています。

たとえば家賃5万円の物件なら、管理費の相場は2,500円~5,000円。

管理費の相場が幅広いのは、アパートに備わった設備やどのような管理をしているかによって、必要な費用が変わってくるためです。

以下の特徴に当てはまる物件は、管理費が高くなりやすいといえます。

  • オートロックや宅配ボックスなどの設備が充実している
  • エレベーターがある
  • 共有部分の面積が広い
  • 部屋数が少ない
  • 管理を外部企業に委託している
  • インターネット料金が無料

オートロックや宅配ボックス、エレベーターといった設備は、セキュリティ性を高めたり利便性を高めたりする一方で、定期的なメンテナンスが欠かせません。

共有部分の面積が広いと清掃費用も多くかかりますし、交換する電球の数や必要な電気代も増していくでしょう。

部屋数が少ない場合は1世帯あたりの負担額も多くなりますし、管理を外部企業に委託しているならその分の人件費もかかります。

さらに、物件によってはインターネットを無料で利用できるところもあります。

この場合はアパートに専用回線を導入する代わりに、入居者の利用料を管理費に含めているケースが多いです。

個々の契約にかかる手間や費用を削減できるのは魅力的ですが、もしあまり使わない設備であった場合は、支払った費用は無駄になってしまうでしょう。

物件価格の5%~10%に管理費が収まっていれば、相場の範囲内です。

もし家賃や設備に対して高すぎると感じるときは、不動産会社の担当者に相談してみてください。

これらの特徴に当てはまるときは、管理費が高くなりやすい物件といえます。

アパートの家賃に管理費は含まれる?

管理費はアパートの家賃とは別にかかる費用のため、家賃に管理費は含まれません。

  • 家賃とは別に管理費をカッコ内に書くのはなぜ?
  • アパートの家賃と管理費はなぜ分ける?

気になる2つのポイントについて、それぞれ見ていきましょう。

家賃とは別に管理費をカッコ内に書くのはなぜ?

賃貸情報掲載サイトなどでは、家賃5万円(管理費5,000円)といったように、管理費をカッコ内に入れて家賃と別表記にしているところもあります。

管理費をカッコ内に入れて別表記にする理由は、次の2つです。

  • 負担費用を少しでも安く見せるため
  • サイトの検索にかかりやすくするため

家賃5万円(管理費5,000円)の表記も、家賃と管理費を合わせて5万5,000円とする表記も、入居後に支払う費用に違いはありません。

しかし一目で見たときの印象としては、家賃5万円(管理費5,000円)の表記の方が負担は軽く感じられるでしょう。

また仮に家賃5万円を条件にサイト内で検索したときに、家賃5万円(管理費5,000円)は対象物件として表示されますが、管理費込みの5万5,000円では表示されません。

入居後の負担費用はどちらも変わりませんが、少しでも入居希望者の目に留まりやすいように、管理費をカッコ内に記載しているのです。

アパートの家賃と管理費はなぜ分ける?

アパートの管理を大家さん自身が行っている場合や、オートロックやエレベーターといった定期的なメンテナンスが必要な設備のない物件は、かかる管理費が少ないため分けて表示しないところもあります。

しかし最近は、設備の充実した賃貸アパートが人気です。

大家さんも専業ではなく、仕事をしながら兼務しているケースが多いため、管理業務を外部委託する物件も増えています。

メンテナンスの必要な設備や管理業務の外部委託といった、管理費が高額になるポイントは気になりますが、費用を家賃に含めると入居者が集まりません。

充実した設備と管理業務の外部委託を叶え、さらに入居者が集まりやすい家賃表記をするために、家賃と管理費を分けて表記しています。

アパート管理費のあり・なしはどちらがお得?

アパートの管理費は、大家さんの意向によって管理費ありで別途表記するものや、家賃に含めて管理費なしにするものなどそれぞれです。

賃貸物件の契約時に支払う初期費用は、家賃が基準になるため、管理費は計算に含めません。

そのため家賃5万円+管理費5,000円の物件と管理費込みの家賃5万5,000円の物件は、1ヶ月で支払う費用は変わりませんが、初期費用の負担金額に違いが出てきます。

管理費ありの物件と、なしの物件でそれぞれの初期費用を比較すると、以下の通りです。

なお今回はシミュレーションのため、敷金礼金と仲介手数料、保証会社の利用料に範囲を絞って比較し、相場はすべて家賃1ヶ月分と仮定します。

<家賃5万円+管理費5,000円の場合>

敷金5万円
礼金5万円
仲介手数料(家賃1ヶ月分+消費税)5万5,000円
保証会社利用料5万円
合計20万5,000円

<家賃5万5,000円(管理費込み)の場合>

敷金5万5,000円
礼金5万5,000円
仲介手数料5万5,000円
保証会社利用料5万5,000円
合計22万円

このように、管理費の表記なしの物件は別途表記している物件と比べて初期費用が1万5,000円高くなります。

初期費用を抑えたいときは、敷金・礼金なしの物件を選んだり、仲介手数料が安い不動産会社に依頼するなど、方法も様々です。

シミュレーションしたように、管理費別途か込みになっているかでも負担額は変わってきますので、物件を選ぶときはよく検討してみるとよいでしょう。

アパートの維持費・管理費についてよくある質問

アパートの維持費や管理費に関わる2つの質問を解説します。

維持費については、賃貸経営を考えている人にとっても気になる費用ですので、合わせて見ていきましょう。

Q1.アパートの環境維持費とはどんな費用?

一部の賃貸アパートでは、「環境維持費」が設定されています。

これはレオパレス21で導入されているもので、公式サイトによると詳細は以下の通りです。

環境維持費は、地域清掃・下水道掃除に関わる費用や、自治会・町内会費等の費用に充てられるものであり、お客様に月々550円(税込)をご負担いただく費用です。
引用元 | 「よくあるご質問」(レオパレス21))

環境維持費の項目はレオパレス21独自のものですが、自治会・町内会費等の費用は賃貸アパートごとに決められた費用が徴収されます。

町内会への加入と会費の支払いは、本来任意で行われるものですが、近隣住民との関係性を考慮して賃貸契約書に町内会への加入必須と記載されている場合もあります。

契約書に記載があるときは、入居者は必ず従わなければなりません。

なお、支払い義務がある物件でも管理費とは分けて徴収されるのが一般的です。

物件によっては、アパートそのものが自治会や町内会に所属していない場合もありますので、気になるときは契約前に大家さんや管理会社に確認しましょう。

Q2.アパート経営はやめたほうがいい?

賃貸アパート経営は建物を建てたり入居者を募集したりといった準備期間が長く、安定した収益を得られるようになるまでに時間がかかります。

管理体制によっては不特定多数の入居者とのやり取りも発生しますし、決して楽に経営できるものではありません。

そのため賃貸経営に関して調べると、「アパート経営はやめたほうがいい」とする意見も多く目につくことでしょう。

しかし受け継いだ土地の活用や不労所得を得るためなど、アパート経営に感じる魅力は人それぞれです。

賃貸アパートの経営を円滑に進めるには、適切な維持費の設定が欠かせません。

やめたほうがいいといわれるアパート経営に挑戦し、安定した経営を続けるためにも、シミュレーションを重ねながら慎重に経営計画を立てましょう。

まとめ

賃貸アパートの維持費は、充実した設備や整った環境など、住み心地の良さを確保するために必要です。

入居中に毎月家賃と一緒に支払う管理費や共益費も、どのように使われているのかがわかれば、支払うときの気持ちも変わるでしょう。

賃貸アパートの維持費用は、アパートの設備によって大きく変わるため、設備に注目して比較すると、家賃だけでなく管理費や共益費も抑えられます。

初期費用の負担額にも関わるため、入居に向けた出費を抑えたいときは管理費や共益費といったアパートの維持費も意識して物件を探しましょう。

▼ゼロすむをご利用希望の方はこちら▼