【賃貸物件】更新料とは?|メリットやデメリット・ポイントを徹底解説

賃貸物件に住んでいると、契約更新のたびに更新料を支払わなくてはなりません。

月々の家賃とは別にまとまった費用が必要になるため、「なぜ支払わなくてはならないの?」や「更新料が高すぎる!」と、感じることも多いでしょう。

できれば支払いたくない更新料ですが、更新料なしの賃貸物件に入居すると、どのようなデメリットがあるのでしょうか?

今回は気になるデメリットをはじめ、更新料が高すぎるときの対処法を解説します。

賃貸物件の更新料とは

賃貸物件の更新料とは、賃貸借契約の更新時に家賃とは別に大家さんに支払う費用のこと。

更新手続きに関する手数料の意味合いもありますが、法的に定められたものではなく、これまでの慣習に根付いて発生しています。

相場や支払うタイミングなど、更新料に関する疑問について詳しく見ていきましょう。

賃貸の更新料の相場

国土交通省の「令和5年度住宅市場動向調査」によると、現在住んでいる賃貸住宅で更新手数料のある世帯は全体の48.2%。

更新手数料は家賃を基準とするケースが多く、もっとも多かったのは「1ヶ月分ちょうど」で66.4%です。

次に多かったのが「1ヶ月未満」で22.5%、「1ヶ月超2ヶ月未満」は5.2%でした。

割合の多さから、賃貸の更新料は「家賃1ヶ月未満~1ヶ月分」が相場の目安といえるでしょう。

賃貸の更新料はいつ払う?

賃貸の更新料は、賃貸借契約の更新時期に合わせて、2年に1度のペースで支払うケースが多いです。

賃貸借契約満了のおよそ2ヶ月前になると、大家さんや管理会社から、更新の有無を確認するお知らせが届きます。

更新に特別な手続きは必要なく、後日改めて発送される案内に沿って更新手数料を支払うのが一般的。

もし更新しない場合は、更新時期のお知らせに記載された期日までに、大家さんや管理会社に必ず連絡しましょう。

連絡期日は、契約更新日のおよそ1ヶ月前が多いです。

期日を過ぎると違約金が発生する場合もあるため、注意してください。

更新料の意味がわからない…なぜ支払うの?

退去時の清算費用として使われる敷金や、不動産会社に支払う仲介手数料と異なり、更新料は用途がはっきりとしていません。

さらに更新料があるのは賃貸物件全体の48.2%と半数に満たないため、「なぜ支払うの?」と疑問に感じる方も少なくないでしょう。

更新料が一般的になった経緯には諸説ありますが、入居者の契約更新を断れない貸主の負担を少しでも軽くするために、更新料の請求がはじまったと言われています。

更新料は地域差が大きく、首都圏では更新料を設定する物件が多いですが、京都府をのぞく関西エリアでは、更新料を設定しない物件が多いです。

更新料は法律によって支払い義務を定めたものではありませんが、地域差や物件ごとの違いも大きいため、物件を探すときは注意して見ていくのをおすすめします。

賃貸の更新料を支払わないとどうなる?

更新料は物件によって設定が異なるため、できるだけ支払わないようにしたいと考える方もいるでしょう。

しかし賃貸借契約書に更新料が明記されている場合、支払わないと契約違反にあたります。

契約後に「支払いたくない」と言っても受け入れられませんし、状況によっては賃貸借契約を解除される可能性も高いです。

更新料が気になるときは、必ず契約書の内容をよく確認してから契約しましょう。

賃貸の更新料なし物件の3つのデメリット

更新料なしの物件に入居した場合のデメリットとしては、以下の3つがあげられます。

  • 家賃が高額になりやすい
  • 初期費用が高額になりやすい
  • 更新料以外の名目で費用を請求されやすい

それぞれ見ていきましょう。

家賃が高額になりやすい

更新料なしの物件は、周辺の相場よりも家賃が高く設定されているケースがあります。

月額の家賃が相場より高くても、短い期間しか住まないのであれば、更新料なしはメリットに感じられるでしょう。

たとえば周囲の家賃相場よりも5,000円高い物件に2年間住む場合、差額は5,000円×24ヶ月=12万円。

仮に家賃6万円の物件であれば、家賃の2ヶ月分に相当します。

更新料は家賃1ヶ月分を相場とする物件が多く、長い目で見れば更新料を支払って家賃を抑えた方が、出費を抑えられることもあるでしょう。

一方で、家賃が相場並みであるにもかかわらず、更新料なしの物件は入居希望者が少ない不人気物件である可能性もあります。

周辺環境や過去の物件の使用履歴など、何らかの問題がある場合も少なくありませんので、気になる点があれば不動産会社の担当者への確認がおすすめです。

初期費用が高額になりやすい

物件によっては、更新料を不要にする代わりに、敷金や礼金といった初期費用を相場よりも高額に設定しているところもあります。

初期費用の主な内訳は、以下の通りです。

名称相場内容
敷金家賃×0.5~1ヶ月分部屋の修繕や原状回復のための費用。退去時に清算され、残金は後日返金される。
礼金家賃×0.5~1ヶ月分大家さんへのお礼の意味を込めたもので、地域によって相場に差がある。退去時に返金されない。
前家賃家賃×1ヶ月分入居月の翌月分の家賃。初期費用として支払うケースが多い。
日割り家賃入居日に応じて変動入居当月の家賃を、月末までの日数で日割りしたもの。入居日で変わる。
仲介手数料家賃1ヶ月分×税が上限不動産会社に支払う手数料。上限が宅地建物取引法で決まっている。
保証会社利用料管理費を含めた総家賃×0.5~1ヶ月分保証会社の利用料。保証会社により相場は異なる。
鍵交換代1万5,000~2万円+税入居時に交換する。
火災保険料1万5,000~2万円+税火事や台風といった自然災害での損害に備えるもの。管理会社から指定される保険会社で契約する。

初期費用には多くの項目が含まれ、それぞれの相場も異なります。

一部を上乗せして請求されたとしても、なかなか気付くのは難しいでしょう。

初期費用全体の相場は、家賃5~6ヶ月分が目安です。

もしこの相場よりも初期費用が高額であった場合は、注意して見てみるのをおすすめします。

一人暮らしの初期費用の相場については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。

更新料以外の名目で費用を請求されやすい

更新料なしの物件であっても、「事務手数料」や「契約一時金」といった、異なる名目で費用を請求されるケースも少なくありません。

これらの他の名目での費用請求についても、契約書には明記されています。

思いがけず請求されることのないように、更新料以外の名目についても契約前に必ず確認してください。

賃貸の更新料が高すぎるときの対処法

賃貸の更新料が高すぎるなど、負担が大きいときの対処法は、以下の2つです。

  • 大家さんや管理会社に交渉する
  • 引っ越しを検討する

それぞれ解説します。

大家さんや管理会社に交渉する

賃貸の更新料が高すぎるときは、大家さんや管理会社に値下げを交渉するのも方法の1つです。

「次の更新後も住む予定なので、更新料を減額してほしい」など、一方的に値下げを要求するのではなく大家さんも許容できる内容で交渉してみましょう。

ただし、更新料の金額についても契約書に明記されている場合は、同意のうえで契約を結んでいるため、値下げに応じてもらうのは難しいです。

どうしても支払いが難しいときは、大家さんの承諾を得られれば、期限を延長してもらえるかもしれません。

支払い期限の延長は大家さんにとってもリスクを伴うため、具体的な支払い計画や遅れてしまう理由についても、しっかりと説明できるようにしておくとよいでしょう。

引っ越しを検討する

今の物件に満足していなかったり、住むエリアを変えたいと思っていたりするタイミングなら、更新を迎える前に引っ越しするのも効果的。

引っ越しには更新料以上にまとまった費用が必要ですし、物件探しには時間も労力もかかりますが、不満を抑えたまま住み続けてもストレスを感じる一方です。

物件への不満や他のエリアの魅力など、更新料以外にも引っ越しを後押しする理由がある場合は、具体的に考えてみるとよいでしょう。

賃貸の更新料に関するよくある質問

賃貸の更新料についてよくあげられる、3つの質問を解説します。

Q1.賃貸の更新料は返ってくる?

退去時の清算費用として使われ、余剰があれば返金される敷金と異なり、更新料は退去時に返ってこない費用です。

何らかの事情で更新料を支払ったすぐ後に転居が決まった場合も、返金されることはありません。

また賃貸借契約の満了日を1日でも超えると、更新料の全額を請求されてしまうため、注意してください。

Q2.賃貸の更新料に消費税はかかる?

事務所や店舗としての利用目的ではなく、居住目的で賃貸物件を借りるのであれば、更新料は非課税の扱いとなるため消費税はかかりません。

ただし事務所や店舗など事業で利用するために賃貸物件を借りる場合は、更新料は課税対象となり、消費税を支払わなくてはなりません。

利用目的によって課税・非課税の区分が変わるため、十分注意してください。

Q3.賃貸の更新料は分割払いできる?

どうしても更新料の支払いが難しいときは、大家さんに分割払いの交渉をしてみましょう。

賃貸の更新料に限らず、敷金や礼金、仲介手数料といった賃貸契約に関する費用の多くは、一括払いが原則です。

その中でも更新料は特に大家さんの裁量による部分が大きいため、交渉次第では滞納されるよりも分割で支払ってほしいと、特別に更新料の分割払いに対応してくれるケースもあります。

ただし、金利を設定されるなど費用の把握が難しくなる場合もありますので、分割払いを交渉するかどうかは、慎重に判断しましょう。

まとめ

契約更新のたびにかかる更新料は、その物件に住み続ける限り一定ペースで発生しますし、家計の負担になるケースも少なくありません。

賃貸の更新料が高すぎると感じたら、更新料なしの物件への住み替えを検討してみるのもよいでしょう。

更新料なしの賃貸物件は、長く住むほどデメリットを多く感じやすいですが、条件によっては費用を抑えられる魅力的な物件です。

更新料なしで気になる物件が見つかったら、積極的に不動産会社に問い合わせるのをおすすめします。

不明点があれば都度確認し、契約書の内容も十分に確認したうえで、更新料なしの物件に入居するかどうかを判断してください。

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