賃貸で備え付けエアコンが故障したときはどうすべき?修理に立ち合いは必要?

夏の暑さをしのぎ、冬の寒さを和らげるエアコンは賃貸物件でも欠かせない設備です。

備え付けエアコンが故障したときは一刻も早く直したいものですが、個人所有のエアコンと違って注意しなくてはならないポイントもあります。

いざというときに慌てないためにも、備え付けエアコンが故障したときにどうすべきかを、しっかりと把握しておきましょう。

今回は賃貸物件で備え付けエアコンが故障したときの対処法や、修理の立ち合いについて解説します 

賃貸のエアコンが故障したときの流れ

賃貸の備え付けエアコンが故障してしまったときは、以下のように対処しましょう。

  1. エアコンの状態を確認する
  2. 大家さんや管理会社に連絡する

それぞれ解説します。

1.エアコンの状態を確認する

エアコンの不調を感じたら、まずはどこに不具合が発生しているかを確認しましょう。

本体に異常があるのか、それともリモコンが故障しているのかなど、不具合の原因によってどのように対処するかも変わります。

フィルターの掃除やリモコンの電池の入れ替えなど、簡単な方法で対処できることも多いです。

まずは様子をよく観察して、状態を把握しましょう。

2.大家さんや管理会社に連絡する

フィルターの掃除など、今すぐできることを試しても不具合が改善しなければ、すぐに大家さんや管理会社に連絡しましょう。

備え付けエアコンは大家さんや管理会社の所有物ですので、入居者が勝手に修理を依頼できません。

修理するかどうかも大家さんや管理会社の判断になりますので、速やかに連絡してください。

賃貸でエアコン故障が疑われるケース

賃貸物件で備え付けエアコンの故障が疑われるのは、次の4つのケースです。

  • エアコンが効かない
  • リモコンが効かない
  • 水が漏れている
  • 異音がする

それぞれ見ていきましょう。

エアコンが効かない

もっとも多いのが、エアコンの効きに不具合を感じるケースです。

いつの間にか設定が変わって送風モードになっていた、暖房の設定温度が低すぎたというケースもありますので、まずは正しい運転設定になっているかを確認してみるとよいでしょう。

リモコンが効かない

リモコンが効かなくなるのも、エアコンの不具合でよくあるケースです。

単純に電池が切れている場合もあれば、リモコン自体が故障している場合もあります。

エアコンはリモコンからの指示がなければ運転できないため、電池を入れ替えてみるなど、まずはリモコンの状態から確認しましょう。

水が漏れている

エアコンを運転中にポタポタと水が垂れてきたり、エアコンを設置している壁に水が染み出てきたりなど。

エアコンが原因で水漏れしている場合は、内部で不具合が起きている可能性が高いです。

取り込んだ空気を冷却させて室温調節をするエアコンは、内部に結露が発生しやすくなっています。

通常、発生した結露は排水管を伝って適切に排出されるようになっていますが、汚れなどが原因で排出ルートが詰まってしまうと内部に水が溜まり、漏れ出してしまいます。

エアコンの水漏れに気付いたら、すぐに大家さんや管理会社に連絡しましょう。

異音がする

運転中にゴトゴトと何かがぶつかりあうような音や、ガタガタと揺れるような音、さらに「キーン」と響く高音が聞こえたら、すぐにエアコンの使用をやめてください。

これらの音が聞こえるときは、エアコン内部での部品の故障や破損による可能性が高いです。

状況を改善するには修理を依頼するしかないため、備え付けエアコンの場合はまず大家さんや管理会社に連絡しましょう。

賃貸のエアコン故障で連絡する前に確認したい4つのポイント

賃貸で備え付けエアコンの故障が疑われるけれど、本当に故障しているかよくわからないときは、次の4つのポイントを確認してください。

  • フィルターが目詰まりしていないか
  • 室外機の周りに物を置いていないか
  • リモコンが電池切れ・故障していないか
  • ドレンホースが詰まっていないか

それぞれ解説します。

フィルターが目詰まりしていないか

エアコンの効きが悪くなっている原因として、もっとも多く見られるのがフィルターの目詰まりです。

エアコンは室内機のフィルターを通して室内の空気を取り込み、室外機で温度調節された空気を再び室内に送り出します。

空気の出入りが多いフィルターはホコリやゴミが付着しやすく、目詰まりしたフィルターは運転効率を下げやすいです。

エアコンの効きが悪いと感じたら、大家さんや管理会社に連絡する前にフィルターの状態を確認してみるとよいでしょう。

室外機の周りに物を置いていないか

室外機の周りに物を置いている場合も、エアコンは十分な空調効果を発揮できません。

エアコンは室外機から取り込んだ空気の温度を調節しますが、適切に排熱できないと運転効率が悪くなってしまうからです。

特にベランダや庭先などで、プランターなどが周囲に置かれてしまっているケースは要注意。

十分な通風を確保するために、室外機周辺は常に整理し、物を置かないようにしましょう。

リモコンが電池切れ・故障していないか

エアコンの不具合で見落とされやすいのが、リモコンの電池切れです。

ボタンをいくら押しても反応がないときは、まずリモコンの電池を新品に入れ替えてみましょう。

新品の電池に代えてもエアコンが作動しなければ、リモコン本体の故障も考えられます。

確認のために、スマートフォンのカメラモードを起動し、液晶を通してリモコンを映してみてください。

リモコンが故障していなければ、ボタンを押したときに赤外線が液晶を通して確認できます。

簡単に確認できますので、ぜひ試してみるとよいでしょう。

ドレンホースが詰まっていないか

ドレンホースとは、室内機の内部に溜まった結露水を屋外に排出する役割を持つホースのこと。

通常、エアコン内部に溜まった水はドレンホースを伝って排出されるため、本体から水が垂れたり漏れたりすることはありません。

しかしエアコン内部の汚れが原因でドレンホースが詰まると、結露水が正常に排出されずに水漏れする原因になります。

ドレンホースの詰まりは、ホームセンターで購入できる専用キットでも解消可能です。

詰まりが疑われるときは、試してみるとよいでしょう。

賃貸のエアコン故障で修理の立ち合いは必要?

エアコンの修理で室内に業者が立ち入る場合は、原則として入居者の立ち合いが必要です。

後のトラブルを避けるためにも、できるだけ立ち合いを優先してください。

修理完了後は、修理前の状態やどのような対応をしたかについて、具体的な説明も受けられます。

エアコンを長く快適に使うためのアドバイスも受けられますので、修理にはできるだけ立ち会うようにしましょう。

賃貸のエアコンが故障したときの注意点

賃貸のエアコンが故障したときの注意点は、次の2つです。

  • 勝手に修理を依頼しない
  • エアコンの不調を放置しない

それぞれ解説します。

勝手に修理を依頼しない

賃貸物件に備え付けのエアコンは、大家さんや管理会社の所有物です。

できるだけ早く修理したくても、入居者が勝手に修理を依頼してはいけません。

大家さんや管理会社の承諾を得ずに修理を依頼した場合、修理費用の全額を入居者が負担する可能性もあります。

勝手な修理依頼は控え、まずは状況の報告を行いましょう。

エアコンの不調を放置しない

エアコンの不調に気付いたら、放置せず必ず大家さんや管理会社に連絡しましょう。

放置した結果、退去時の原状回復で状況の悪化が見られた場合、高額な修繕費用を請求される可能性もあります。

特にエアコンは季節家電のため、不調を放置すると次のシーズンまで運転させないケースも多いです。

不具合を悪化させないためにも、気付いた時点での大家さんや管理会社への連絡を意識してください。

賃貸のエアコンが故障したときの修理費用の負担先は?

賃貸の備え付けエアコンが故障したときは、状況によって修理費用を入居者が負担するか、大家さんや管理会社が負担するかが変わります。

それぞれのケースを、詳しく見ていきましょう。

入居者が負担するケース

次のケースにあてはまる場合は、入居者が修理費用を負担します。

  • 長期間掃除をしなかったなど、メンテナンス不足による不具合
  • 不具合を知りつつも放置し、状況を悪化させた場合
  • 備え付けエアコンが残置物であった場合

入居者の故意や過失が、不具合や状況の悪化を招いたと考えられる場合、修理費用を負担するのは入居者です。

タバコのヤニはフィルターを詰まりやすくするため、喫煙など入居者の生活習慣が原因のときも、修理費用の負担を求められる可能性が高いでしょう。

さらにエアコンが前の入居者が残していった残置物であった場合も、大家さんや管理会社に費用負担の義務がないため入居者が負担します。

残置物かどうか、気になるものが室内にあるときは、入居前に必ず確認しておきましょう。

大家さんや管理会社が負担するケース

経年劣化による故障の場合は、所有者である大家さんや管理会社が修理費用を負担します。

エアコンの寿命は、10年が目安です。

内見するときは、できるだけ備え付けエアコンの年式も確認しておきましょう。

もし10年以上経つものが取り付けられていた場合は、故障時の修理費用の負担先について、あらかじめ相談しておくのがおすすめです。

賃貸のエアコン故障や立ち合いでよくある質問

ここからは、賃貸のエアコン故障や立ち合いについて、よくある質問を紹介します。

Q.賃貸で故障したエアコンを交換してくれないときはどうすればいい?

故障したエアコンの年式が古い場合、入居者としてはできれば修理ではなく交換してほしいと思うこともあるでしょう。

しかしエアコンの交換は費用負担が大きいため、大家さんに申し入れても修理の対応で済まされる可能性が高いです。

仮に認められても、交換費用は入居者の負担となる場合が多いでしょう。

しかし完全に故障してしまい入れ替えが必要なときは、入居者の落ち度が故障の原因でなければ交換される場合もあります。

状況に合わせて、相談してみるとよいでしょう。

Q.賃貸のエアコンが故障したときにホテル代は請求できる?

夏場にエアコンが突然故障してしまったときなどは、ホテルでの宿泊を選ぶ方もいます。

エアコンの故障が原因のため、できればホテル代も請求したいと考えるかもしれませんが、大家さんや管理会社に支払い義務はありません。

請求対象となるのはあくまでエアコン本体の修理費のみですので、注意してください。

Q.賃貸のエアコンが故障したときに家賃の減額は可能?

エアコンの故障によって住み心地が悪くなったと感じられる場合は、家賃の減額交渉も可能です。

貸室・設備等の不具合による賃料減額ガイドライン」では、エアコンが作動しない場合には10%の賃料減額割合を認めるようにと記されています。

ただし、これはあくまでガイドラインであり、法的拘束力があるものではありません。

賃料減額を希望するときは、ガイドラインに明記された割合を提示しつつ、交渉に臨むとよいでしょう。

Q.賃貸で故障したエアコンの修理に立ち会えないときはどうすべき?

どうして修理に立ち合えないときは、大家さんの承諾を得た上であれば代理人の立ち合いもできます。

できるだけ早く、大家さんに相談して許可を得ておきましょう。

また代理人を立てるのも難しければ、大家さんに立ち合いを相談できます。

ただし後のトラブルを避けるためにも、大家さんへの依頼はできるだけ避け、入居者本人が立ち会えるように予定を調整しましょう。

まとめ

賃貸物件に備え付けのエアコンが故障したときは、まずは勝手に修理を依頼せず、大家さんや管理会社への連絡が原則。

不具合を放置して悪化させた場合や、日常的な掃除を行って不具合が発生した場合の修理費用は、入居者負担となるケースが多いです。

入居中に使用する設備はあくまで借り物だということを忘れず、日常的な掃除も心がけながら、丁寧に扱いましょう。

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