住みはじめてからの環境がどのような様子かを確認するのに、一番いい方法は内見をすることです。
実際に物件を訪れて、室内の様子や周辺環境を確認できる内見は、間取りではわからない部分も把握できるため入居後の後悔も減らせます。
一方で、「内見したら、必ず契約しなければならないの?」「キャンセルしたいときにはどうすればいい?」など、気になる部分も多いものです。
今回は内見後のキャンセルについて、冷やかしと思われないための適切なマナーや伝え方を詳しく解説します。
賃貸は内見後でもキャンセルできる?
内見は、その物件の様子を実際に確認して、契約するかどうか判断するために行います。
そのため、内見したからといって、必ずしも契約する必要はありません。
間取り図を見たときには魅力的に感じた物件でも、実際に現地を内見してみると、思っていたより日当たりが悪く、室内の雰囲気があまりよくないと感じることもあります。
「もっと明るい部屋がいい」「広いスペースが希望」など、現地を訪れて実際に感じたことがあれば、不動産会社の担当者に伝えた上で、その部屋をキャンセルする意向を伝えましょう。
どのような点がイメージと違っていたのかが具体的にわかれば、担当者の方からもより希望に合った物件を提案しやすくなります。
内見後は、そのまま他の物件を内見することも可能です。
ただし、賃貸物件は基本的に仮予約ができないため、原則として早い者勝ちとなっています。
気に入った物件があれば、できるだけ早めに決断しましょう。
内見後のキャンセルがトラブルになるケース
内見した物件をキャンセルすること自体に問題はありませんが、以下のような場合はトラブルにつながるおそれがあるため、注意が必要です。
- 連絡をしないまま放置してしまった
- 内見当日や直前のキャンセルを繰り返す
それぞれ詳しく解説します。
連絡をしないまま放置してしまった
キャンセルする場合でも、必ず意向を伝えるのが内見のマナーです。
内見した物件を契約せずにキャンセルする場合は、必ず不動産会社の担当者に伝えてください。
キャンセルの連絡が早く入るほど、不動産会社も他の入居希望者に物件を紹介しやすくなります。
決断が長引くと不動産会社や他の入居者希望者に迷惑がかかるため、キャンセルの意向は翌日か、遅くても2~3日以内には伝えましょう。
内見当日や直前のキャンセルを繰り返す
やむを得ない場合を除き、内見当日や直前のキャンセルは不動産会社や大家さんに迷惑がかかるため、避けるのが重要です。
さらに、内見当日や直前のキャンセルを繰り返すと、嫌がらせが目的だと誤解され、注意すべき人物と見なされてしまうことがあります。
自分が本当に賃貸物件を探したいときに支障をきたす恐れもありますので、意味もなくキャンセルを繰り返す行為はやめてください。
内見後にキャンセルしたいときの伝え方
内見後にキャンセルしたいと思っても、その場では担当者に直接伝えづらいこともあるでしょう。
直接伝えにくいときは「家に帰って考えます」と伝え、帰宅後に電話やメールで連絡すれば問題ありません。
メールでも電話でも、自分が連絡しやすい方法で大丈夫ですが、新生活シーズンなど忙しい時期には担当者が早めの返事を求めていることが多いため、電話で連絡するとより親切です。
電話で伝える場合とメールで伝える場合、それぞれの例を紹介します。
電話で伝える場合
電話で伝える場合は、まず担当者につないでもらい、次のように伝えます。
| 「検討しましたが、今回は希望に沿わなかったので、契約は見送らせていただきます」 | 
もし気に入らなかった部分を聞かれた場合は、家賃や日当たりなど、実際に気になった部分を正直に伝えれば問題ありません。
改めて別の物件を紹介してもらいたい場合は、その旨もあわせて伝えましょう。
担当者が不在でつながらなかった場合は、改めてかけ直すか折り返しの連絡を依頼します。
メールで伝える場合
メールで伝える場合も、電話で伝える場合と基本的な内容は変わりません。
担当者から受け取った名刺に記載されている業務用の個人アドレスに、メールを送信します。
他の物件も紹介してほしい場合は担当者にその旨を伝え、折り返しの連絡を待ちましょう。
メール例文(内見後)
内見後にキャンセルしたい場合の、メール文の一例を紹介します。
| お世話になっております。 内見をさせていただきました、〇〇です。 先日はお忙しい中、ありがとうございました。 検討の結果、内見したアパートの契約は見送らせていただきたいと思います。 何卒よろしくお願いいたします。 | 
他に紹介してほしい物件がある場合は、希望する条件も一緒に伝えておくとよいでしょう。
具体的な条件を伝えておくと、担当者も物件を提案しやすくなりますし、返信メールに候補物件の詳細を添付してくれる可能性も高まります。
内見前にキャンセルしたいときのマナーと断り方
やむを得ない事情で内見をキャンセルする場合は、必ず不動産会社の担当者にキャンセルの旨を伝えましょう。
不動産会社だけでなく、管理会社や大家さんなどが協力して内見に向けて準備を進めています。
先方に迷惑をかけないためにも、無断でのキャンセルだけはしないように気をつけましょう。
前日~当日のキャンセルは必ず電話で連絡する
内見の前日~当日にキャンセルする場合は、電話連絡が最善です。
不動産会社に電話して担当者につないでもらい、内見をキャンセルする旨を伝えましょう。
別日で再調整してほしい場合は、希望を伝えておくのも大切です。
メールでの断り方と例文
前日~当日以外の場合は、メールでのキャンセル連絡も可能です。
以下の例文は、仕事の都合で急遽予定変更を申し入れる場合を想定して作成しています。
| お世話になっております。〇〇です。 〇月△日に予定していた内見ですが、仕事の都合がつかなくなってしまいました。 大変恐縮ですが、予定のキャンセルをお願いできますでしょうか。 もし可能であれば、〇月△日以降で再度日程を調整いただけますとありがたいです。 | 
もし複数の物件で内見を予定していて、他の物件で先に契約することになった場合も、正直に伝えて問題ありません。
どのような事情でキャンセルする場合も、必ず早めの連絡を心がけ、誠意ある対応を意識しましょう。
内見後にキャンセルすると冷やかしと思われる?
内見は実施後に必ず契約に至るものではないため、通常であれば内見後にキャンセルしても、冷やかしとは思われません。
ただし、明らかに興味がなさそうな態度や、通常では気にしないような細かい点まで質問したのに契約をキャンセルした場合などは、違和感を持たれて冷やかしだと思われてしまうこともあります。
冷やかしと思われないためにも、事前に確認したいポイントをまとめておき、間取り図・メジャー・筆記用具など必要な持ち物も用意してから内見に行くと安心です。
内見の所要時間や持ち物については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
冷やかしと誤解されないためのポイント
「物件を見てみたい」という軽い気持ちで内見をしても、「冷やかし」と思われることはありません。
冷やかしと思われるのは、一般的なマナーへの配慮がないケースが多いです。
誤解されないためにも、以下のポイントに注意して内見を行いましょう。
- 内見時間は15分~30分を目安にする
- 比較する物件があるときは「検討段階」と伝えておく
- キャンセルする場合は適切なタイミングで連絡する
相手に冷やかしと思われるかどうかは、内見前後の対応によって大きく変わります。
内見にかける一般的な所要時間は、およそ30分です。
あまりにも短時間だと、本当に興味があるのか疑われてしまうことがあるため、内見時間は少なくとも15~30分を目安にしましょう。
また、すでに検討している物件がある場合も、正直に「検討段階」と伝えて問題ありません。
もし内見後にキャンセルをする場合も、適切なタイミングで行えば冷やかしと思われることはありませんので、誠実に対応しましょう。
賃貸の内見・キャンセルに関するよくある質問
賃貸の内見や、キャンセルをするときによくある質問について解説します。
Q1.内見後の返事はいつまでにすべき?
内見後、返事をする期限について明確な決まりはありません。
ただし、キャンセルの場合はできるだけ早く意向を伝えた方が、不動産会社も他の希望者に物件を紹介しやすくなります。
可能なら翌日、遅くても2〜3日以内に連絡できると親切です。
また、別日に比較検討している物件の内見予約がある場合は、そこの物件と比較してから決めると伝えておきましょう。
ただし、賃貸物件は基本的に早い者勝ちが原則のため、内見で仮予約はできません。
他の物件を検討中に、他の内見者から入居申し込みが合った場合はそちらが優先されますので、注意してください。
Q2.賃貸は審査通過後でもキャンセルできる?
内見後に入居申し込みをすると、保証会社による審査の段階に移ります。
必要書類を提出し、審査に通過した段階であっても、賃貸借契約書の締結前であればキャンセルは可能です。
申込金や預かり金を支払っていた場合も、契約締結前であれば全額返還されます。
ただし、賃貸借契約書の締結後のキャンセルは、違約金が発生する場合もあるため、事前に契約書の取り決めをよく確認しておきましょう。
Q3.内見だけして帰るのは失礼?
内見だけして帰っても失礼にはあたりませんが、予約なしで突然店舗を訪れて内見を申し入れたり、内見後に何の連絡もせずに放置したりするのは、マナー違反ですので絶対にやめてください。
内見は不動産会社の担当者だけでなく、管理会社や大家さんが協力し、事前準備や鍵の手配、スケジュール調整を行います。
気になる物件を気軽に見学できるのが内見の魅力ですが、相応のマナーは意識して臨むようにしましょう。
まとめ
内見は契約するかどうか判断するために行うものですので、内見後に契約せずキャンセルしても、問題にはなりません。
ただし、マナーをわきまえずに内見を繰り返すと、冷やかしと思われてしまう可能性もあるでしょう。
気になる物件を比較することは大切ですが、あまり多くの物件を見過ぎるとかえって判断基準が曖昧になってしまうこともあります。
自分の重視したい希望条件を確認しつつ、マナーを守った内見で希望に合う物件を探しましょう。
 
        



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