賃貸物件では、多くの場合24時間サポート(安心入居サポート)の申し込みが入居条件になっています。
しかし、24時間サポートは「入居中一度も使わなかった」や「サポート内容がわからない」といった声も多く、いらないのでは?と疑問に感じるかもしれません。
今回は、賃貸の24時間サポートがいらないときの対応を詳しく解説します。
具体的な断り方も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
賃貸の24時間サポート(安心入居サポート)とは
賃貸の24時間サポートとは、不動産会社と提携している専門企業が、24時間体制で入居者のサポートにあたるための仕組みです。
提携企業は不動産会社ごとに変わるため、サポート内容や料金もそれぞれ異なります。
賃貸の24時間サポート(安心入居サポート)の内容と、料金について見ていきましょう。
主なサポート内容
賃貸の24時間サポートで受けられるのは、主に以下のサービスです。
キッチン・お風呂・トイレなどの水回り | 水漏れ トイレなどの詰まり |
鍵 | 鍵の紛失 鍵穴が詰まっていて開かない |
電気・ガス | スイッチを押しても電気がつかない ガスコンロが点火しない |
窓 | 突風などで窓ガラスが割れた 建て付け不良で鍵がかからない |
特に多く利用されているのが、水漏れやトイレの詰まりなど、水回りに関するトラブル対応。
水漏れは迅速に対応しなければ、手持ちの家具や家電だけでなく、建物にも深刻な影響を及ぼします。
すぐに連絡でき、専門スタッフに対応してもらえる24時間サポートは、入居者にとって心強い仕組みです。
また提携内容によっては、以下の入居中のトラブル全般に対するサポートも受けられます。
パソコン関連 | 基本的な操作方法を知りたい フリーズや電源がつかないなど、トラブルへの応急処置を知りたい |
生活相談 | 一人暮らしの急な発熱でどうすればいいのか知りたい 室内で怪我をしたときの応急処置が知りたい 害虫が出たので駆除の相談がしたい |
周辺情報の提供や対応 | 家の周囲で治安に気をつけた方がいい場所を知りたい 隣人の騒音問題に対処してほしい |
水回りの不具合や鍵の紛失など、予期せず起こるトラブルだけでなく、生活相談といった些細な悩みも相談できます。
初めて一人暮らしをする人にとっては、特に安心を得られるサービスです。
24時間サポートの料金比較
24時間サポートの料金や具体的なサービス内容は、不動産業者によって異なります。
費用の相場は、約15,000〜18,000円+税が一般的。
さらに賃貸借契約と同じタイミングで更新するため、契約期間は2年間とするものが多いです。
料金の支払い方法は、月額払いか一括払いか、いずれかを不動産会社から指定されます。
24時間サポートの料金や内容は、サービスを提供している企業によって変わります。
そのため、どこまでがサポート内容として含まれるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。
賃貸の24時間サポートを「いらない」と感じる理由
賃貸の24時間サポートをいらないと感じるのは、次の4つが主な理由です。
- 電話がつながりにくい
- 対応に時間がかかる
- 追加費用がかかるケースもある
- ほとんど利用しない
それぞれ詳しく解説します。
電話がつながりにくい
緊急時に利用される24時間サポートですが、残念ながら電話がつながりにくい傾向にあるようです。
水漏れや詰まりなど、急を要するときに電話がつながらなければ、事態はますます悪化してしまいます。
すぐにでもサポートを受けたいのに電話がつながりにくかった経験から、いらないと感じる人が多いです。
対応に時間がかかる
「24時間いつでも対応可能」となっていても、担当者が不在であったり深夜であったりなどの理由から、即時対応が難しいケースもあります。
中にはようやく電話がつながっても受付しか行われず、翌日以降の対応になることも多いでしょう。
せっかく24時間サポートを申し込んでも、すぐに対応してもらえないことがあるのも、サービスに不満を感じる理由の1つです。
追加費用がかかるケースもある
24時間サポートは、利用料の前払いで運営されているため、基本的には無料でサービスを利用できます。
しかしサポートの内容によっては、出張料や技術料、時間外手数料など、別途費用がかかることも多いです。
よく聞かれるのが、無料となる作業時間があらかじめ定められており、超過した分が手数料として請求されるケース。
契約更新のたびに支払う利用料とは別に、実費での負担が発生するため、24時間サポートの申し込みを断りたいと感じる人もいます。
ほとんど利用しない
賃貸に入居する人の中には、入居のためにやむなく24時間サポートを申し込んだけれど、ほとんど利用していないという人も多いでしょう。
24時間サポートは、何かあったときの相談先として安心感があります。
しかしいざトラブルが発生しなければメリットを感じにくいのも、いらないのではと感じる理由としてあげられます。
【体験談】不注意で24時間サポートを利用できなかったケース
利用する機会の少なさから、24時間サポートを「いらないのでは?」と考える意見は多いです。
またいざ利用したくても、連絡先を控えていないという不注意から、緊急時に利用できなかったケースもあります。
わたし自身の体験談ですが、賃貸物件に入居中、外出先で鍵を落としてしまったことがあります。
帰宅時にドアの前で気付きましたが、あいにく週末の夜だったため、管理会社に連絡がつきません。
申し込んでいた24時間サポートに相談しようと考えましたが、あいにく連絡先を記した書類は契約フォルダに挟んだままで、手元に控えていなかったのです。
結果的に、わたしは自分の不注意から24時間サポートを利用できず、コストのかかる外部の業者に解錠を依頼せざるを得ませんでした。
24時間サポートを申し込んでいても、連絡先を控えていなければ、いざというときに利用できません。
そしてわたしのように、鍵の不具合で解錠を依頼したいときは、多くが外出時のトラブルです。
これから申し込む方も、すでにサポートを申し込んでいる方も、連絡先は必ず控えておくことを強くおすすめします。
賃貸の24時間サポートがいらないときは断れる?
賃貸の24時間サポートは、予期せぬトラブルに備えるためのものです。
入居前から「いらない」と感じているなら、まずは24時間サポートが「強制加入」かどうか注意してください。
- 強制加入なら断れない
- 任意加入かどうかの調べ方
それぞれのポイントを、詳しく見ていきましょう。
強制加入なら断れない
物件によっては、24時間サポートへの加入を入居条件として定めているものもあります。
この場合は強制加入になるため、入居を希望するなら加入は断れません。
しかし任意加入であれば、希望しない旨を不動産会社の担当者に伝えれば、断ることも可能です。
24時間サポートは不要と考えているなら、物件探しの段階から、契約書や入居条件をよく確認しておきましょう。
任意加入かどうかの調べ方
任意加入かどうかを調べるには、契約書や募集図面の備考蘭を確認しましょう。
24時間サポートへの加入必須の物件は、多くが募集図面の備考欄や契約書に、「24時間サポート」の文言を記載しています。
反対に「24時間サポート」の記載がなければ、加入は任意です。
入居条件として定められていれば、加入を断ることはできないため、契約前に必ず確認してください。
賃貸で24時間サポートがいらないときの断り方
賃貸物件で24時間サポートがいらないと考えているなら、次の3つの方法で断りましょう。
- 入居申し込み前に「外してほしい」と伝える
- 「火災保険の補償内容が被っている」と伝える
- 契約の更新時に伝える
なお、これらで対応できるのは、24時間サポートが任意加入である場合に限ります。十分注意してください。
入居申し込み前に「外してほしい」と伝える
24時間サポートがいらないと考えているなら、必ず入居申し込み前に「外してほしい」と伝えましょう。
入居申し込みは、そのとき提示された条件に納得した上で行うのが前提です。
そのため後からサポートの取り外しを依頼しても、適応されません。
任意加入の24時間サポートがいらなければ、必ず申し込み前に担当者に伝えてください。
「火災保険の補償内容が被っている」と伝える
ごくまれに、外してほしいと伝えた後にも、担当者から強く加入をすすめられるケースがあります。
この場合は「火災保険の補償内容が被っている」と伝え、24時間サポートはいらないと改めて伝えましょう。
賃貸物件の入居申し込みでは、火災保険にも加入するケースが一般的です。
火災保険では、設備の破損を補償したり、トラブル時の対応や鍵の紛失へ対応したりなど、サービス内容が被っているものも多くあります。
できるだけ火災保険の補償内容に目を通し、火災保険の補償内容で十分だと、断る理由を伝えられるようにしておきましょう。
契約の更新時に伝える
入居時に申し込んだものの、24時間サポートの必要性を感じられないままでいるなら、契約更新のときに取り消しを依頼するのもおすすめ。
24時間サポートの契約期間は、多くが賃貸借契約と同じであるケースが多いです。
そのため更新のタイミングであれば、比較的変更も適用されやすくなります。
ただし、解約希望を伝えるだけでは、担当者からサポートの必要性を説かれる可能性があります。
必要ないと感じる理由の裏付けができるように、火災保険の補償内容について最低限把握し、説明できるようにしておくとよいでしょう。
まとめ
賃貸の24時間サポートは、初めて一人暮らしをする方や、安全性を重視したい方にとって、特に頼りになる仕組みです。
しかし申し込んでも依頼する機会が少ないなど、いらないと感じられやすいサービスでもあります。
賃貸の24時間サポートを申し込むときは、自分にとって必要なサービスかどうか、事前に考えておくのがおすすめです。
もし不要だと感じるならば、申し込み前に契約書や募集要項を確認し、不動産会社の担当者に相談しながら、強制加入でない物件を検討しましょう。