賃貸アパートは「ペット不可」の物件が多いため、犬や猫などのペットを飼いたい場合は、ペット可の賃貸を選ばなくてはなりません。

ペット可賃貸は鳴き声などが原因で「うるさい」と言われてしまうこともあるため、騒音トラブルを避けるための配慮も必要です。

今回はペット可賃貸に住みたいと考えている方に向けて、「うるさい」と言われてしまう理由や騒音トラブルを防ぐためのポイントを解説します。

ペットと一緒に賃貸物件で暮らしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

ペット可賃貸とは？普通の賃貸との違い

ペット可賃貸を検討するときに、一般的な賃貸と何が異なっているのか、気になる方も多いでしょう。

• ペット可賃貸の定義
• 一般的な賃貸物件との違い

これら2つのポイントについて、わかりやすく解説します。

ペット可賃貸の定義

ペット可賃貸とは、大家さんや管理会社が、入居者に対してペットの飼育を許可している物件のことです。

ただし「熱帯魚や爬虫類、ハムスターなどの小動物は可だが、犬や猫は不可」といったように、大家さんによって許容される範囲は異なります。

特に、爪を研ぐ習性のある猫は壁や柱への影響が懸念されるため、制限されているケースが多いです。

ペット可賃貸に入居する場合でも、自分が飼っているペット、もしくは飼いたいと思っているペットが許可された種類かどうか、入居前に必ず確認しておきましょう。

一般的な賃貸物件との違い

ペット可賃貸は、物件の種類によって設備の内容や賃料・諸費用の設定が異なります。

「ペット相談可」や「ペット可」の賃貸物件の場合は、ペットの飼育にある程度制限を設けていることが多いです。

設備も通常の賃貸物件と大きく変わらないため、ペットを飼っていない人が入居することもあります。

一方で「ペット共生型マンション」、あるいは「ペット同居型マンション」と呼ばれるものは、ペットを飼うことを前提に設備や間取りにもこだわって設計された物件です。

専用設備に加え、退去時の清掃費用が高めに設定されるため、全体としての費用が相場より高くなりやすい点が大きな違いとなっています。

ペット可賃貸が「うるさい」と言われる理由

ペットと暮らせるのが魅力的な「ペット可賃貸」ですが、隣人から「うるさい」と言われるなど、入居者同士の騒音トラブルも少なくありません。

ペット可賃貸が「うるさい」と言われてしまう理由は、主に次の4つです。

• 鳴き声
• 走り回る音・足音
• 扉やケージ周辺の音
• 共有スペースでのトラブル

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

鳴き声

最も多いのは、ペットの鳴き声によるトラブルです。

犬の吠える声をはじめ、猫の夜鳴きのように深夜に突然響く鳴き声など、多くが飼い主が制御しきれないケースで問題になっています。

走り回る音・足音

ペット可賃貸では、ペットが走り回る音や足音も問題になります。

小型犬や猫の複数飼育が許可されている場合は、走り回る音が特に響きやすくなるでしょう。

ウサギなどの小動物にも足をトントンと踏み鳴らす習性があり、特に静かな夜間は思いのほか音が響くこともあります。

室内を散歩させる際は、時間帯にも配慮しましょう。

扉やケージ周辺の音

ケージを開閉する音や、ペットがケージにぶつかる音なども、騒音として感じられることがあります。

一つひとつは些細な音ですが、毎日のように続くとストレスの原因になりやすいです。

ケージは極力静かに開閉し、音が響きにくいようにケージを壁から離すといった工夫をするとよいでしょう。

共有スペースでのトラブル

犬の飼育が許可されているペット可賃貸では、散歩のときなどに共有スペースでほかの住人やペットと遭遇した場合に、トラブルとなることがあります。

相手に吠えてしまうなど、エントランスや廊下に響く鳴き声も、騒音になりやすい要因です。

ペット可賃貸で「うるさい」と言われないための対策

ペット可賃貸で大切なペットと快適に過ごすには、騒音を響かせないような工夫が欠かせません。

具体的なものとしては、次の5つの対策が効果的です。

• 吸音パネルを壁に設置する
• 防音マット・クッションマットを敷く
• 遮音カーテンで「窓から漏れる音」を抑える
• ペットの運動不足を解消できる習慣をつくる
• しつけ・トレーニングを徹底する

それぞれ詳しく解説します。

吸音パネルを壁に設置する

ペットの鳴き声やケージの開閉音が気になるときは、吸音パネルを壁に設置することが効果的です。

吸音パネルは音の反響を抑える効果があるパネルのことで、壁に穴を開けずに立てかけるだけでも使えるので、賃貸物件にも適しています。

吸音パネルはホームセンターやネット通販で購入できますので、サイズを検討しつつ、必要な枚数を購入しましょう。

防音マット・クッションマットを敷く

ペットの走り回る音や足音が気になる場合は、防音マットを敷くことも効果的です。

小型犬や猫など、室内の移動範囲が広いペットは床全体を覆うようにジョイント式のクッションマットを敷くのもよいでしょう。

特に、ジョイント式のマットは汚れた部分のみ取り外して新しいものに交換できるため、衛生面からもおすすめのアイテムです。

遮音カーテンで「窓から漏れる音」を抑える

吸音パネルや防音マットを設置したうえで、窓から漏れる音も抑えたい場合は、遮音効果のあるカーテンも取り付けましょう。

鳴き声は窓を通しても伝わるため、遮音カーテンを取り付けることで外に音が漏れ出るのを防げます。

遮音効果だけでなく、遮熱やUVカットなど多機能なカーテンを選んで、室内の環境を快適に整えましょう。

ペットの運動不足を解消できる習慣をつくる

室内を走り回ったり足を踏み鳴らしたりする行為をはじめ、無駄吠えやケージへの体当たりなど、騒音と感じる音の原因はペットのストレスであることも多いです。

足音が気になるからとケージに閉じ込めていては運動不足になりますし、ストレスからケージをかじったり体当たりしたりして、状況はさらに悪化してしまいます。

適度な散歩や遊び、かじりを防止するペット専用のグッズなどを取り入れて、できるだけストレスを溜めにくい快適な環境を整えましょう。

しつけ・トレーニングを徹底する

集合住宅でペットを飼う以上、近隣に迷惑をかけないように最低限のしつけは徹底しましょう。

特にしつけが必要なのは、吠え対策と留守番、そして興奮などの感情のコントロールの3つです。

吠え癖が治らなかったり、来客時に興奮して暴れまわってしまったりと、ペットの性格によっては、しつけをしても思うような効果を得られないこともあります。

しつけの効果が得られない場合は、専門のトレーナーによるトレーニングを検討するのも、方法の1つです。

ペット可賃貸を選ぶときのポイント

ペット可の物件であっても、複数の世帯が入居する賃貸物件でペットを飼う際は、入居者同士の認識の違いでトラブルになることもあります。

後のトラブルを防ぐためにも、ペット可賃貸への入居を検討する際は次の3つのポイントを意識しましょう。

• 管理規約・飼育規約の確認
• 建物の構造や防音性能
• 過去のトラブル状況を確認する

どのポイントもペット可賃貸を選ぶ際に欠かせないものですので、内容をよく把握したうえで、自分に合ったペット可賃貸を選びましょう。

管理規約・飼育規約の確認

ペット可賃貸は、通常の賃貸物件と比べて管理規約や飼育規約が細かく定められています。

飼育するペットの頭数や種類をはじめ、大きさや体重にも制限が設けられていることが多いです。

また、廊下やエレベーター、エントランスなどを汚さないために、共用部ではペットを歩かせずに必ず抱きかかえて移動するように定めたところもあります。

管理規約や飼育規約が細かく決められているときは、違反した場合の罰則がどのような内容なのかも、事前に確認しておきましょう。

建物の構造や防音性能

ペットを飼いながら快適に暮らすためには、建物の構造にこだわり、防音性能を把握しておくことも重要です。

建物は骨組み部分の構造の種類によって、音の伝わりやすさが異なります。

音の伝わりやすさで比較すると、木造が最も音を伝えやすく、鉄筋コンクリート造（RC造）が最も防音性能に優れた構造です。

音が響きにくいRC造はペットの足音なども伝えにくくなるため、小型犬や猫などを飼いたい場合はRC造の物件を優先して検討してみるとよいでしょう。

過去のトラブル状況を確認する

物件の特徴を知りたい場合は、管理会社に過去のトラブル状況について問い合わせるのも有効です。

騒音に関する苦情が多く寄せられているなら建物の防音性の低さが考えられますし、共用部の使い方のトラブルが多ければ、住人のマナー意識の低さがあげられるでしょう。

ペット可賃貸は数が限られるため、人気物件ほどすぐに空き室が埋まりやすいです。

口コミやレビューサイトも参考にしつつ、気になる物件があれば空きが出た段階で紹介してもらえるように、不動産会社に相談しておくのもよいでしょう。

ペット可賃貸で快適に暮らすために｜入居前＆入居後のチェックリスト

ペット可賃貸への入居を検討する際にチェックしておきたいポイントを、入居前と入居後にわけてそれぞれ紹介します。

＜入居前のチェックポイント＞

• 周囲の騒音の聞こえ方
• 周辺環境

＜入居後のチェックポイント＞

• 最初の1ヶ月でペットの生活リズムを整える
• 引っ越し挨拶カードを添えるなど、近隣に配慮する

入居前のチェックポイントとしては、騒音の聞こえ方や周辺の住環境について確認しておくことが大切です。

特に車通りが多いとペットにストレスがかかりやすく、無駄吠えや走り回る行為など騒音につながりやすくなります。

犬などの散歩が必要なペットを飼う場合は、散歩コースについても確認しておきましょう。

また、入居後は人間同様にペットの生活リズムも整え、快適に過ごせる環境を意識するのが大切です。

ペット可賃貸では、隣人がどのようなペットを飼っているかへの関心も集まります。

直接挨拶が難しい場合でも、引っ越し挨拶カードをポストに入れておくなど、近隣への配慮も意識しましょう。

まとめ

ペット可賃貸は、ペットを飼いたい人にとって魅力的な一方で、「うるさい」とトラブルになるケースもあるため、防音対策などの工夫が欠かせません。

管理規約や飼育規約も物件ごとに異なるため、契約前に必ず詳細を確認するのも大切です。

入居後はできるだけペットにストレスがかからないように配慮し、防音性を意識しながら快適な日常を送りましょう。