テレビの音量の平均はどれくらい?メーカー別の傾向や賃貸での注意点を解説

一人暮らしをしていると、深夜に他の部屋のテレビの音が聞こえてきたり、窓を開けたときにテレビの音量が気になったりすることがあります。

音の聞こえ方は人によって異なるため、複数の世帯が入居する賃貸アパートでは、時間帯によっては特にテレビの音量に配慮が必要です。

今回はテレビの音量が気になる方に向け、平均的な音量をメーカー別に紹介します。

テレビの音量に関して、集合住宅でよくあるトラブルや隣に音が響かないようにする工夫も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

テレビの音量の「平均」はどれくらい?

テレビの音量の平均は気になるところですが、メーカーごとに音量の基準やスピーカーの性能が異なるため、明確な平均値を提示するのは難しいです。

自分のテレビの音量が気になるのは、周囲に騒音として聞こえていないか気になるときでしょう。

テレビの音をはじめ、ドアを開け閉めする音や掃除機をかける音などは「生活騒音」と呼ばれます。

ただし、すべての音が「騒音」と感じられるわけではありません。

一般的な目安としては、日中は「55デシベル以下」、夜間は「45デシベル以下」に音を抑えると、騒音と感じにくいとされています。(※)

音はスピーカーの性能や、聞く人の年齢で聞こえ方が変わりますし、周囲が静かか騒がしいかといった環境にも影響されやすいです。

賃貸アパートの場合は木造か鉄筋コンクリート造か、隣室と接する壁とテレビが近いかなど、建物の構造や家具の配置でも聞こえ方は変わります。

気になる方は、騒音計として使えるスマートフォンアプリなどを使って、一度テレビの音量を計測してみるとよいでしょう。

参考|環境省「騒音に係る環境基準について」

賃貸でテレビの音量が問題になる理由

複数の世帯が入居する賃貸アパートでは、戸建て住宅よりも特にテレビの音量が問題になりやすいです。

  • 建物の防音性が低い
  • 生活スタイルが異なる
  • 音の聞こえ方や感覚に個人差がある

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

建物の防音性が低い

集合住宅は壁を挟んでそれぞれの部屋が隣り合っているため、建物ごとわかれている戸建て住宅と比べると音が伝わりやすいです。

さらに賃貸アパートは1Rや1Kなど一人暮らし向けの間取りも多いので、他の部屋の生活音が伝わりやすく、防音対策が必要になることもあるでしょう。

生活スタイルが異なる

賃貸アパートに住む人は、それぞれ生活スタイルが異なります。

朝早くに外出し、夜遅くに帰宅する人もいれば、在宅ワークが中心で1日中家にいる人もいるでしょう。

生活スタイルが同じような人同士であれば、起床や就寝のタイミングも重なることが多いため、お互いの生活音は気になりにくいです。

しかし自分が就寝するタイミングで隣人が帰宅し、ドアを開け閉めする音やテレビの音、洗濯機の運転音などが響いてくるとストレスを感じやすくなります。

音の聞こえ方や感覚に個人差がある

同じ音であっても、その人の年齢や環境によって、感じ方は異なるものです。

人の話し声や笑い声、テレビや音楽の音、足音やドアの開閉音などが気になる人は多いですが、実際に音を出している本人はそれを騒音として認識していないこともよくあります。

それぞれの音への認識が異なるのも、賃貸アパートでテレビの音量が異なる原因の1つになっています。

メーカー別に見るテレビの音量の傾向

テレビの多くが1~100までの数値で音量を設定しますが、音の出力方法はメーカーによって異なります。

同じ音量の数値でも、メーカーや機種によって音の大きさや印象が異なるため、自分の好みや聞こえ方に合ったテレビを選ぶことが大切です。

ここでは、それぞれのメーカー別に、テレビの音量の傾向を紹介します。

【パナソニック】テレビ音量の平均

パナソニックは、音声が明瞭に聞き取れる「クリアボイス」機能を搭載したものが多いです。

小さい音量でもセリフやアナウンスを聞き取りやすいのが特徴で、比較的小さめの音量でも快適に使える傾向があります。

口コミによると、リモコンの数値としては、10~15程度でも十分聞き取りが可能です。

賃貸アパートで夜間に視聴する際も、比較的使いやすいテレビといえるでしょう。

【東芝】テレビの音量の平均

「REGZA」シリーズを展開している東芝は、映像と音を連動させて、場面展開に合わせて音を自動補正する機能をもっています。

小さい音量でも臨場感を損なわずに楽しめるため、一般的な音量設定よりもやや低い設定でも、問題なく聞き取れるのが魅力です。

音声だけでなく全体の音量を自動補正してくれるため、音量をあげすぎずに使用でき、賃貸アパートでも使いやすいタイプといえるでしょう。

【ソニー】テレビの音量の平均

ソニーの「BRAVIA」は、音の広がりや立体感を重視したシリーズです。

特殊な音響処理により、小さな音量設定でも部屋全体によく音が響くように作られているため、一般的な平均よりも小さい音量でも十分に聞こえます。

音量を抑えながら迫力のある音響が楽しめるため、賃貸アパートに住んでいるけれど、趣味の映画鑑賞やスポーツ観戦を思い切り楽しみたい方におすすめです。

【三菱】テレビの音量の平均

三菱のテレビは操作がシンプルで、リモコンの音量設定もわかりやすいと人気があります。

音質の補正機能は、他のメーカーに比べるとやや限定的です。

口コミによると15~20程度と、他のメーカーよりもやや大きな音量を設定するケースが多くなっています。

集合住宅で使用する際は、他の部屋への聞こえ方や音漏れの有無に注意し、必要以上に音量をあげてしまうことのないように気をつけましょう。

【ハイセンス】テレビの音量の平均

ハイセンスは中国の家電メーカーで、日本では2011年にテレビを発売し、以降冷蔵庫や洗濯機などで市場を広げてきました。

ハイセンスのテレビの特徴は、映像の内容に合わせて自動で音量を調整するオートボリューム機能が備わっていること。

一般的な口コミやユーザーの体験によると、リモコン数値で12~18程度を使う家庭が多いようです。

ハイセンスのテレビは比較的抑えた価格帯ながら音質改善機能も搭載されているため、賃貸住宅でもよく選ばれています。

【番外編|シャープ「AQUOS」】テレビの音量の平均

ほかに、よく使われているテレビではシャープの「AQUOS」があげられます。

AQUOSは「はっきり音声」の設定があり、テレビの音が聞こえづらくなってきた高齢者が楽に聞き取れるような音質補正機能が魅力です。

抑えめの音量で使われることが多いですが、高齢者世帯では一般的な平均よりも大きい数値になりやすいため、音漏れに注意しましょう。

集合住宅でよくあるテレビの音量トラブルと注意点

1つの壁を挟んで異なる世帯が生活する集合住宅では、テレビの音量に関するトラブルが起こりやすくなっています。

アパートとマンション、それぞれの集合住宅でよくあるトラブルの内容と、注意点について見ていきましょう。

アパートでのテレビの音量トラブル

賃貸アパートの多くは、木造や軽量鉄骨造でつくられています。

建物の構造の中でも木造や軽量鉄骨造は、音が響きやすいため騒音トラブルも起こりやすいです。

さらに上下左右と複数の世帯が隣接しているため、騒音に悩んでもどこの部屋が発生源なのかわかりにくくなっています。

賃貸アパートでは、テレビの音が隣や上下階に響きやすいため、一般的な設定よりも1~2段階抑えた音量にするなどの配慮が必要です。

特に、生活リズムの都合で深夜にテレビをつけることが多い方は、音量を下げたりヘッドホンを使用したりするなど、状況に応じた対応をしてください。

マンションでのテレビの音量トラブル

鉄筋コンクリート造が主流のマンションは、木造や軽量鉄骨造のアパートと比べると音が響きにくいです。

しかし、住戸が隣接している壁面にテレビを置いた状態で視聴すると、音が他の部屋に伝わりトラブルにつながることもあります。

夜間は音量を控えめにし、必要に応じてスピーカーや字幕表示機能なども活用しましょう。

テレビの音が隣に聞こえないようにするには?

テレビの音量によるトラブルを防ぐなら、賃貸アパートでも手軽に取り入れられる防音対策をするのが効果的です。

  • 防音カーテンやラグを使う
  • テレビの配置を工夫する
  • スピーカーやヘッドホンを使用する

賃貸アパートでも取り入れやすい、これら3つの方法について、詳しく解説します。

防音パネルやラグを使う

音は壁や床を伝って響くため、防音シートやラグを敷くことで、周囲の部屋に音が伝わりにくくなります。

防音パネルを使うときは、退去時に撤去しやすいように壁に立てかけるタイプがおすすめです。

ラグは毛足の長いタイプの方が、階下へ音が響くのを防げます。

掃除のしやすさが気になる場合は、パネルを組み合わせて使う防音マットを選ぶのもおすすめです。

賃貸アパートでも取り入れやすい防音対策については、こちらの記事でも詳しく紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。

テレビの配置を工夫する

テレビの配置場所は、壁に取り付けられたアンテナ線の位置である程度決まってしまいます。

隣室と接する壁面にテレビを配置するときは、できるだけ壁と離すようにするなど、壁を通して隣室に音が響いてしまわないような工夫が必要です。

テレビボードなどは、つい壁にぴったりとつけたくなりますが、少しスペースを開けて設置しましょう。

そうすることで、音が隣の部屋に響くのを抑えやすく、またホコリも取り除きやすくなります。

テレビ裏はコンセントが多く、ホコリが溜まると火災の原因になりやすいです。

適度なスペースを確保することで、騒音と火災の両方のリスクを減らせます。

スピーカーやヘッドホンを使用する

テレビの音は通常、テレビ本体に備わったスピーカーから出力されます。

ソファやベッドの上など、テレビを見る場所が固定化されている場合は、小型のスピーカーとテレビを接続するのもおすすめです。

最近では小型ながら性能の高いスピーカーが発売されていますので、テレビを見るときに自分の近くにスピーカーを置いておけば、音量を控えつつ臨場感のあるサウンドを楽しめます。

周囲への影響をさらに抑えるために、深夜にテレビを視聴するときは、ヘッドホンを併用してみるのもよいでしょう。

まとめ

テレビの音は、人や周囲の環境によって感じ方が異なるため、音量の平均値を示すのは難しいです。

賃貸アパートは複数の世帯が入居しますので、自分にとって問題がない音量でも、周囲からは大きすぎると感じられているかもしれません。

日中と夜間では音の響き方が異なるため、時間帯ごとにテレビの音量を調整し、近隣とのトラブルを未然に防ぎましょう。

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