そろそろ実家からの引っ越しを考えているけれど、1人で暮らすのには不安がある。
できれば新生活をはじめる人同士で、交流を深めながら一緒に暮らしたい。
このような希望を持つ方に人気なのが、複数人で賃貸物件を借りるシェアハウスです。
シェアハウスは交友関係が広がり魅力的な一方、トラブルも多くデメリットだらけだという意見も聞かれます。
今回は、なぜシェアハウスがデメリットだらけといわれてしまうのか、理由を解説します。
シェアハウスが気になるけれど、不安も感じている方はぜひ参考にしてください。
この記事の目次
シェアハウスとは
シェアハウスとは、複数人で賃貸物件を共有(シェア)するスタイルの物件です。
マンションなどの1部屋を共有するルームシェアと異なり、シェアハウスは建物を丸ごと一棟共有します。
マンションタイプやアパートタイプなど、規模感はさまざまですが、入居者が個室を持ち、キッチンや浴室、トイレなどを共有するのが一般的です。
最近ではひとり親世帯や学生のほか、異文化交流を進めたい人向けなど、特定のコンセプトを決めたシェアハウスも人気があります。
シェアハウスのメリット
シェアハウスの主なメリットは、次の4つです。
- 家賃を抑えられる
- 家具や家電の購入費用を抑えられる
- ライフラインやネット環境が整っている
- 交友関係が広がる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
家賃や初期費用を抑えられる
複数で共有するシェアハウスは、一般の賃貸物件と比べて家賃の設定が低めです。
賃貸借契約を結ばないケースが多く、敷金や礼金の代わりにデポジット(保証金)として3万〜5万円程度を支払います。
シェアハウスの初期費用については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
家具や家電の購入費用を抑えられる
シェアハウスでは冷蔵庫や洗濯機・電子レンジといった家電のほか、収納棚やベッドといった家具も備え付けられているのが一般的です。
自分で家具や家電を購入する必要がないので、新生活での出費を大幅に抑えられます。
運び込む家具や家電がなければ、身の回りの荷物だけで済むため、業者に依頼する引っ越し費用が抑えられるのも魅力です。
ライフラインやネット環境が整っている
シェアハウスは、電気や水道などのライフラインがすでに整った物件に入居します。
そのため一般的な賃貸物件のように、入居後すぐにライフラインの契約手続きに追われる心配もありません。
また通常の引っ越しでは、インターネット工事が完了するまでの数日間、ネットが使えないこともあります。
シェアハウスならばいつでも回線を利用できるため、入居初日から普段通りの生活が可能です。
交友関係が広がる
シェアハウスでは、自然と入居者同士の交流が増え、交友関係が広がります。
入居者の入れ替わりも早いため、さまざまなタイプの人と交流できるのも魅力です。
シェアハウスがデメリットだらけといわれる理由
シェアハウスがデメリットだらけといわれるのには、次の3つの理由があります。
- プライバシーを確保しにくい
- 生活音が気になりやすい
- 共用部が自由に使えない
シェアハウスを検討している方は、特に注意してください。
プライバシーを確保にしにくい
シェアハウスは、キッチンや浴室などを入居者同士で共有します。
風呂あがりや寝起き直後の姿など、人にあまり見られたくない姿のときに、他の入居者と顔を合わせる機会もあるでしょう。
洗濯機や冷蔵庫などの生活家電も共有するため、特に個人の嗜好品に関するものは、プライバシーを確保しにくいです。
プライバシーを大切にしたい方にとって、シェアハウスはストレスを感じやすいため、注意してください。
生活音が気になりやすい
シェアハウスでは、入居者それぞれが個室をもちます。
しかし一般的な賃貸物件と比べると、十分な防音性を確保できないため、生活音が気になりやすいです。
シェアハウスによっては、トラブルを防ぐために消灯時間のルールが定められています。
それでも深夜の帰宅や朝の外出準備など、自分と生活スタイルの異なる入居者がいれば、生活音をストレスに感じるときもあるでしょう。
共用部が自由に使えない
シェアハウスは洗面所や浴室を共有するため、通勤・通学前など混みあう時間帯には、思うように使えないときもあります。
またキッチンを使用したくても、ほかの入居者が先に使っていれば、食事の時間をずらさなければなりません。
個室以外はすべて共有になるため、タイミングがあわずに不自由さを感じることも多いです。
シェアハウスに住む人の特徴は?
シェアハウスに住む人の特徴は、おおよそ以下の通りです。
- 家賃や初期費用を抑えたい人
- 立地条件のよい物件に住みたい人
- 短い期間だけ住みたい人
- 入居審査に不安がある人
- 交友関係を広げたい人
いずれかの特徴に当てはまれば、シェアハウスをデメリットだらけと感じず、快適に過ごせるでしょう。詳しく解説します。
家賃や初期費用を抑えたい人
家賃や初期費用を抑えたい人に選ばれるのも、シェアハウスの特徴です。
シェアハウスは敷金・礼金が不要なうえに、オーナーと直接契約を結ぶケースが多いため、仲介手数料もかかりません。
月々の家賃も低く設定されるため、家賃や初期費用を抑えるためにシェアハウスに入居する人が多いです。
立地条件のよい物件に住みたい人
シェアハウスは、物件そのものの魅力に経営状況を左右されやすいため、多くが条件のよい立地に建てられています。
特に学生限定のシェアハウスは、通学に便利な立地が多く、同じ大学の学生が集まりやすいです。
周辺環境も過ごしやすく、立地条件に魅力を感じてシェアハウスを選ぶ人が多くなっています。
短い期間だけ住みたい人
賃貸借契約を結ばないシェアハウスは、一般的な賃貸物件のように契約期間の縛りがありません。
さらに家具や家電も備わっているため、身軽に動きやすいのも特徴的。
半年間など、何らかの事情で短期間の住まいを探す人からも、シェアハウスは選ばれています。
入居審査に不安がある人
シェアハウスでは、保証会社を利用しません。
そのため年収の少なさや信用情報機関へ登録されているなど、入居審査に不安がある人もシェアハウスを選択しやすいです。
交友関係を広げたい人
シェアハウスを選ぶ人に多いのが、交友関係を広げたい人です。
最近ではコンセプトを決めたシェアハウスも多く、趣味を通しての人脈つくりを目的とする人もいます。
自然と交流の生まれやすいシェアハウスは、交友関係を広げたい方にとって理想的な場といえるでしょう。
シェアハウスでよくあるトラブル
シェアハウスでよくあるトラブルは、以下の4つです。
- 私物を勝手に使われる(食べられる)トラブル
- 騒音に関するトラブル
- 共有部分の清掃に関するトラブル
- 盗難に関するトラブル
それぞれ解説します。
私物を勝手に使われる(食べられる)トラブル
シェアハウスで最も多いのが、私物を勝手に使われたり、食べられたりといったトラブルです。
特にキッチン周辺では、私物の調味料の無断使用や、冷蔵庫の私物を食べられるといったトラブルが多く発生しています。
共有部分には私物を置いたままにせず、冷蔵庫の中の私物にも必ず名前を書くなど、対策をしておきましょう。
騒音に関するトラブル
シェアハウスは一般的な賃貸住宅よりも防音性が低いため、騒音に関するトラブルも発生しやすいです。
プライベートな空間とはいえ、個室での電話や音楽を聞くだけでも、時間帯によっては騒音トラブルに発展します。
騒音が気になりやすいなら、シェアハウスへの入居は慎重に検討した方がよいでしょう。
共有部分の清掃に関するトラブル
シェアハウスでは、共用部分の清掃に関するトラブルも多いです。
共用部の清掃は、管理人や委託業者が行うケースと、入居者の当番制で行うケースがあります。
清掃当番を守らず、清掃が不充分なことがあると、不公平感からトラブルになりやすいです。
特にキッチンや浴室・トイレといった水回りは、使い方や清掃に関する個々のモラルも異なるため、不快に感じやすいでしょう。
トラブルを避けたければ、管理人や委託業者が清掃を行うシェアハウスがおすすめです。
盗難に関するトラブル
他人同士で共同生活をするシェアハウスでは、残念ながら盗難に関するトラブルも多く発生します。
個室には必ず鍵をかける、貴重品は共有スペースに持ち込まないなど、基本的な対策を徹底しましょう。
シェアハウスが無理だったと感じやすい人
シェアハウスが無理だったと感じやすい人には、以下の傾向があります。
- プライベートな空間を大切にしたい人
- 衛生環境が気になりやすい人
- 在宅で仕事をしている人
当てはまる方は、シェアハウスに入居してもデメリットを強く感じやすいため、注意してください。
プライベートな空間を大切にしたい人
プライベートな空間を大切にしたい人は、シェアハウスが無理だったと感じやすいです。
帰宅後は人の目を気にせずくつろぎたいと考えている方は、シェアハウスへの入居は避けた方がよいでしょう。
衛生環境が気になりやすい人
シェアハウスは、複数で使用するため共用部が不衛生になりやすいです。
特に清掃が入居者間の当番制の場合、個々の掃除の程度によって汚れ具合も変わります。
家賃を抑えられるなどメリットは多いですが、衛生環境が気になりやすい人にはシェアハウスをおすすめできません。
在宅で仕事をしている人
騒音トラブルが発生しやすいシェアハウスは、在宅で仕事をしている人も無理だったと感じやすいです。
仕事中の電話は思った以上に大きな声になりやすく、自分が騒音トラブルの原因になりかねません。
ときには他の部屋からの音で、仕事に集中できないと感じることもあるでしょう。
さらにシェアハウスは、入居後すぐにインターネットを使えるのも魅力ですが、複数人で回線を共有するため、セキュリティ対策が欠かせません。
在宅で仕事をしている人は、騒音とセキュリティの観点からも慎重に検討してください。
まとめ
シェアハウスのメリットとデメリットをまとめると、以下の通りです。
メリット | デメリット |
比較すると、シェアハウスはデメリットだらけではなく、メリットも多いのがわかります。
メリットとデメリットを比較し、どこまでなら自分が許容できるのかを基準に、シェアハウスへの入居を検討しましょう。