室内にあらわれる虫は、入居者にとって決して歓迎できない相手です。
特に賃貸で一人暮らしをしていると、自力で駆除まで行わなければならないため、絶対に遭遇したくないという人も多いでしょう。
今回は、賃貸でできる効果的な虫対策を解説します。
虫が出やすい部屋の特徴や、出にくい部屋を見つけるコツも紹介しますので、物件選びの参考にしてください。
賃貸で虫はどこから入ってくる?
賃貸には、虫が入ってきやすい場所があります。主な侵入経路は、次の4つです。
- 玄関ドア
- 窓や網戸の隙間
- 給気口や排水溝
- エアコンのドレンホース
それぞれ解説します。
玄関ドア
人が出入りするたびに大きく開く玄関ドアは、住まいの中でも特に虫が侵入しやすい場所です。
慌ただしく出入りすることも多いため、侵入したことにも気付きにくいですし、衣服に付着した虫がそのまま室内に侵入するケースも多いです。
室内に入る前に、一度衣服をはたいて、虫がついていないか確認するとよいでしょう。
窓や網戸の隙間
窓や網戸の隙間も、虫が侵入しやすい場所です。
自分では隙間なく閉めているつもりでも、虫はわずかな隙間から侵入します。
また築年数の経った物件によっては、窓の建て付けが悪くどうしても隙間を塞ぎきれない場合もあります。
冷たい隙間風が入り込む原因にもなりますので、建て付けの悪さに気付いたら早めに大家さんや管理会社に相談しましょう。
給気口や排水溝
外から空気を取り込むための給気口も、虫の侵入経路です。
給気口には、元々虫の侵入を防ぐために網戸のようなネットが取り付けられています。しかし、小さな虫はネットの隙間をすり抜けて侵入してきます。
できるだけ侵入を防ぎたければ、目の細かいフィルターを取り付けるのがおすすめです。
エアコンのドレンホース
ドレンホースとは、エアコンの室外機から伸びる排水用の管のこと。
エアコン内部に溜まった水を排水する役目があるため、エアコン内部と直接繋がっています。
そのため、ドレンホースの排水口から虫が侵入した場合、ドレンホースの中をたどってエアコン内部まで到達し、室内に侵入してくるリスクが高いです。
エアコンの室外機は外にあるため、対策をつい忘れやすくなります。
虫の侵入を防ぐためにも、引っ越しが終わったら早めに対策しておきましょう。
賃貸でできる効果的な虫対策は?
賃貸住宅では、手軽に行えるだけでなく、他の入居者の迷惑にならない方法を選びましょう。
- 玄関用虫よけを使用する
- 燻蒸タイプの殺虫剤を使用する
- 防虫キャップを取り付ける
- 小まめに清掃する
効果的な方法を、4つ紹介します。
玄関用虫よけを使用する
玄関からの虫の侵入を防ぐには、玄関用の虫よけを使用するのが効果的。
特にドアの開閉時の侵入を防ぎたければ、外側のドアノブに吊り下げるタイプの虫よけを設置するとよいでしょう。
また玄関ドアの近くに照明があり、夜間に虫が集まって気になるようなら、玄関照明用の虫よけスプレーもおすすめです。
吊り下げタイプもスプレータイプも、効果が持続する期間は決まっているため、定期的な交換や噴霧を心がけてください。
燻蒸タイプの殺虫剤を使用する
賃貸へ入居中に害虫の発生に気付いたら、燻蒸タイプの殺虫剤を使いましょう。
よく知られている殺虫剤はいわゆる「バルサン」で、煙タイプや水タイプ、霧タイプなどがあります。
3つの中でも賃貸で特に使いやすいのは、煙が出ない霧タイプです。
煙が出ないので火災報知器が鳴る心配もなく、においも残りにくいです。
燻蒸タイプの殺虫剤については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
防虫キャップを取り付ける
エアコンのドレンホースからの虫の侵入を防ぐなら、防虫キャップを取り付けましょう。
防虫キャップは100円均一ショップやホームセンターで手軽に手に入りますし、取り付けもホースにはめ込むだけなので簡単です。
大型の虫の侵入を防ぐのに効果的ですが、小さな虫の侵入も防ぎたければ、防虫キャップの上から排水溝用のネットを被せてもよいでしょう。
小まめに清掃する
日常的に虫の発生を防ぐには、小まめに清掃するのが何よりも効果的です。
ホコリや汚れなど虫が発生しやすい吹き溜まりを取り除けますし、虫が発生したとしても、定期的に掃除していれば早めに対処できます。
また生ゴミなどにおいの出るものを放置していると、害虫だけでなく近隣の住人からのクレームも受けやすくなってしまいます。
賃貸住宅に入居中はできるだけ清掃を心がけ、衛生環境を保ちましょう。
賃貸で虫が出やすいのはどんな部屋?
賃貸で虫が出やすい部屋の特徴は、次の6つです。
- 飲食店が近い
- ゴミ捨て場が近い
- 公園が近い
- 田畑や山林が近い
- 築年数が経っている
- 湿気がこもりやすい
それぞれ詳しく解説します。
飲食店が近い
飲食店が近い物件では、ゴキブリなどの害虫が部屋に侵入しやすいです。
また虫だけでなく、飲食店の種類によってはにおいや煙、騒音などの影響も受けやすくなります。
内見をするときはできるだけ店舗の営業時間に訪問し、窓を開けて騒音やにおいの様子も確認しておくとよいでしょう。
ゴミ捨て場が近い
ゴミ捨て場が近い物件も、虫が侵入しやすいため注意が必要です。
ゴミ捨て場が敷地内で、管理人が常駐しているような物件であれば、比較的清掃も行き届いているため、あまり気にする必要はありません。
しかし町内で共有するゴミ捨て場が近い場合は、捨てられるゴミの量も多く、住人のモラルによって衛生環境に差が出やすいです。
ただし物件によっては、ゴミ捨て場との近さを考慮して相場よりも賃料が安い場合もあります。
条件によって家賃設定は変わりますので、よく考えて物件を選んでみてください。
公園が近い
公園が近い物件は、設置された屋外用照明の影響で、夜間に虫が集まりやすくなります。
また公衆トイレが設置されている場合は、トイレに害虫が集まりやすくなるため、周囲の物件でも害虫を見かけやすくなることもあるでしょう。
ただし公園が近い環境は、散歩やジョギングなどで気軽に気分転換できるため、メリットも多く感じられます。
虫の出やすさだけでなく、ぜひ周辺環境の良さや公園自体の居心地の良さも合わせて検討してみるとよいでしょう。
田畑や山林が近い
田畑や山林が近い物件は、住宅地にある物件と比べてさまざまな種類の虫が出やすくなります。
ゴキブリなどの害虫に限れば、繁華街や住宅地の物件の方が多く見かけるでしょう。
田畑や山林が近い物件では、ハチやムカデなど街中とは違った種類の虫に悩まされることも多いです。
特にハチは物件の近くに巣を作ることもあるため、発見したらすぐに大家さんや管理会社に連絡してください。
築年数が経っている
築年数が経っている物件は、ドアや窓といった建具に隙間が発生していることもあるため、外から虫が侵入しやすいです。
ただし物件によっては、築年数が経っても適切な管理が行き届いた物件や、リフォーム済みの物件などもあります。
築年数だけで判断せず、内見で実際の状況を確認しましょう。
賃貸物件の内見については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
湿気がこもりやすい
湿気がこもりやすい物件も、虫が出やすいため注意が必要です。
虫は湿気が多く、風通しや日当たりの悪い場所を好みます。
湿気がこもりやすい場所は、収納の隅など掃除の行き届かない部分も多く、虫の発生に気付きにくいです。
虫の発生を防ぐためにも、日頃から室内の換気は意識して行ってください。
賃貸で虫が出にくい部屋を見つける3つのコツ
賃貸の物件探しで虫の出にくさを重視したければ、次の3つのコツを試しましょう。
- 周辺環境をチェックする
- 風通しをチェックする
- 住人の生活環境をチェックする
それぞれ解説します。
周辺環境をチェックする
虫の出にくい部屋を見つけるには、周辺環境のチェックが何よりも大切です。
特にゴキブリなどの害虫を避けたければ、以下の物件は避けましょう。
- 飲食店が近い
- ゴミ捨て場が近い
- 隣人がゴミを溜め込んでいる
飲食店やゴミ捨て場の近さについては、内見前に地図を見ればわかります。
注意すべきなのは、隣人がゴミをため込んでいないかどうかです。
賃貸物件の場合、害虫は周辺だけでなく、同じ建物の他の部屋からも侵入します。
内見では他の部屋の状況もさりげなくチェックし、衛生環境に問題がないかを確認しましょう。
風通しをチェックする
風通しの良い物件は、湿気も溜まりにくく、害虫にとっては住みにくい環境です。
角部屋や2階以上の部屋など、できるだけ風通しの良さを重視して物件を選んでください。
風通しの良い部屋は室内にホコリも溜まりにくく、生活環境も整いやすいです。
虫の出にくさ以外のメリットも多いため、気になる物件は積極的に問い合わせてみましょう。
住人の生活環境をチェックする
複数の世帯が入居する賃貸物件では、住人のモラルに生活環境が大きく左右されます。
内見するときは、ゴミ捨て場の使用状況や廊下などの共用部に私物を置いていないかなど、住人の生活環境もチェックしましょう。
特にエントランスがある物件では、注意事項が掲示板に貼りだされていることがあります。
賃貸物件でトラブルになりやすい騒音問題など、注意事項が出ていないかは必ず確認してください。
賃貸の虫対策でよくある質問
賃貸の虫対策で、よくある3つの質問を紹介します。
Q.部屋に虫がいるか確かめる方法はある?
賃貸物件に住んでいると、害虫を見かけても駆除できないこともあるでしょう。
害虫がまだ部屋にいるかどうかを確かめたければ、室内やベランダ、玄関前などにトラップを仕掛けるのが有効です。
冷蔵庫の下や棚の下など、害虫が好みそうな場所に市販の害虫用トラップを仕掛けて、数日様子を見てみてください。
部屋に虫が残っていても、数日間トラップを仕掛けていれば高い確率で捕まえられますし、トラップにかからない場合は室外に出ている可能性が高いです。
新しい害虫の侵入予防にもなりますので、トラップは定期的に交換、常設しておくのもよいでしょう。
Q窓を閉めても虫が入ってくるのはなぜ?
窓を閉め切った状態でも、給気口やエアコン本体の送風口、換気扇など虫の侵入経路は数多くあります。
長く使用されていない空室でも虫が生き延びていることがあるため、引っ越しで荷物を運び込む前に、一度燻蒸タイプの殺虫剤を使うのがおすすめです。
Q.1階は虫が入ってきやすいって本当
1階は地面が近いため、2階よりも虫が入ってきやすいとする意見もあります。
ただし害虫は人にまぎれて侵入するものが多いですし、飛行能力を持った害虫がベランダから侵入することもあるでしょう。
3階以上の高層階であれば、1階よりも虫が出る可能性は少なくなります。
1階には他の階にはないメリットもあるため、ぜひ以下の記事を参考に、比較しながら物件を選んでみてください。
まとめ
虫は人によって好き嫌いが大きく分かれますし、特に害虫は衛生的な問題もあるため、できるだけ部屋に出てほしくない方ばかりでしょう。
物件の立地によって虫の出やすさは変わるため、賃貸で虫を避けたければあらかじめ虫が出にくい物件を選ぶのが大切です。
不動産会社の担当者に希望条件を伝えつつ、安心して住める賃貸物件を探してください。