洗濯物はできるだけ外で干したいものですが、それぞれのライフスタイルや条件により、賃貸物件では部屋干し中心となることも多いです。
場所の確保や洗濯物のにおいなど、何かと多い部屋干しの悩みは、実はちょっとした工夫で解決できます。
今回は、これから住む賃貸で部屋干しが中心となる方に向け、快適に部屋干しをするためのアイデアを解説します。
部屋干しにおすすめの場所や注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
賃貸で部屋干しが多くなる理由
賃貸で部屋干しが多くなるのには、次の3つの理由があります。
- 防犯対策
- 帰宅時間が遅い
- 景観保護による制限
それぞれ詳しく見ていきましょう。
防犯対策
賃貸で一人暮らしをするときは、入居者がどのような人物か特定されないようにするのが、防犯上とても大切です。
特に女性の一人暮らしでは、洗濯物から性別を特定されやすく、洗濯物そのものが盗難被害にあうケースもあります。
またアパートの1階は、洗濯物が人の目につきやすいため、防犯対策としてあえて部屋干しを選ぶ人も多いです。
帰宅時間が遅い
帰宅時間が遅いため、日中に洗濯できず、部屋干し中心で生活するケースもあります。
たとえ朝に洗濯する時間が確保できても、帰宅が遅くなるときの外干しはおすすめできません。
夜遅くまでベランダに出された洗濯物は、入居者が留守であることを知らせてしまいますし、天気の急変にも対応できないからです。
日常的に帰宅時間が遅くなるなら、乾燥機付きの洗濯機を購入して、家事の負担を減らすのもよいでしょう。
景観保護による制限
賃貸物件によっては、景観保護のためにベランダの使用が規約で制限されています。
特に著名な観光地のすぐ近くにある物件やデザイナーズ物件などに多く、洗濯物だけでなく、布団を干すのも禁止です。
ベランダの使用制限については物件の規約に明記されていますので、契約前に必ず確認してください。
賃貸の部屋干しでよくある悩み
賃貸の部屋干しでよくある悩みは、次の4つです。
- 部屋干しの場所が確保できない
- 洗濯物が乾きにくい
- 生乾きのにおいがつきやすい
- 部屋にカビが生えやすい
それぞれ詳しく解説します。
部屋干しの場所を確保できない
部屋干しの悩みでよくあるのが、干すための場所が確保できないこと。
単身者向けの賃貸物件はハンガーをかけられる場所も少ないため、ドア枠やカーテンレールを干す場所として代用するケースも多いです。
物件情報から洗濯物を干す場所までは判断できないため、できるだけ実際に足を運んで内見するのがおすすめ。
賃貸物件の内見でのポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
洗濯物が乾きにくい
太陽の光と十分な通風で洗濯物を乾かす外干しに対し、部屋干しは水分の蒸発に時間がかかるため、洗濯物が乾きにくくなってしまいます。
さらにスペースが限られているので洗濯物が密着しやすく、完全に乾かしたくても上手く乾ききらないのが、部屋干しでよく挙げられる悩みです。
生乾きのにおいがつきやすい
洗濯物が乾かずに濡れた状態が長時間続くと、洗濯物に残った皮脂汚れや水分をエサに雑菌が繁殖し、生乾き特有のにおいがつきやすくなります。
閉め切った室内は生乾きのにおいがこもりやすいため、帰宅後の不快指数も高いです。
生乾きのにおいは取れにくく、においがついたままの衣服で外出すると周囲の人に不快感を与えやすいため、注意してください。
部屋にカビが生えやすい
部屋干しの衣類から蒸発した水分は、室内に留まって湿度を上昇させるため、カビが生えやすくなります。
特に部屋干しの場所が固定されていると、決まった場所だけ湿り気を帯びやすいため、壁紙やフローリングの状態に注意しなければなりません。
風呂場や洗面所など、換気扇が設置されている場所ならば、さほど気にする必要はありません。
それ以外の室内に干す場合は、できるだけ干す場所をローテーションするか、床面に新聞紙を敷くといった工夫をした方がよいでしょう。
賃貸の部屋干しの悩みを解決する3つのアイデア
賃貸での部屋干しの悩みを解決するなら、以下の3つのアイデアがおすすめです。
- 部屋干し用の便利アイテムを使う
- 部屋干し専用の洗剤や衣類漂白剤を使う
- 扇風機やサーキュレーターを使う
どれもすぐに取り入れられるアイデアばかりですので、気になるものがあればぜひ試してみてください。
部屋干し用の便利アイテムを使う
部屋干しの悩みを解決したければ、積極的に市販の便利アイテムを使ってみましょう。
たとえば洗濯物を干す場所に困っているなら、床に置いて必要なときだけ広げて使えるハンガーラックや、マグネットタイプの物干し竿ホルダーがおすすめ。
床に直置きするタイプのハンガーラックなら耐荷重を気にせず使えますし、マグネットタイプの物干し竿ホルダーは、浴室で洗濯物を干したいときに便利です。
手軽にアイテムを揃えたければ、100円均一ショップでも突っ張り棒や、ハンガーフックを購入できます。
耐荷重に不安があれば、ドア枠にハンガーキャッチを2つ取り付け、間に突っ張り棒を通して簡易的な物干し竿として使うのもよいでしょう。
ただし、賃貸物件には退去時の原状回復義務があるため、ビスなどによる穴あけはおすすめできません。
便利アイテムを選ぶときは、できるだけ壁への負担が少ないものを選んでください。
部屋干し専用の洗剤や衣類漂白剤を使う
生乾きのにおいが気になるなら、部屋干し専用の洗剤や衣類漂白剤を使いましょう。
いやなにおいが発生する主な原因は、皮脂汚れや水分を元に繁殖した雑菌由来の成分です。
優れた除菌・消臭効果のある部屋干し専用の洗剤や衣類漂白剤なら、生乾きのにおいを効果的に抑えられます。
最近では香りにこだわった洗剤も多く販売されていますが、まずは除菌・消臭効果を重視して洗剤や衣類漂白剤を選びましょう。
扇風機やサーキュレーターを使う
部屋干しの洗濯物を乾きやすくしたければ、扇風機やサーキュレーターで風をあてるのが効果的。
短時間で乾かせるため、通常の部屋干しよりも、生乾きのいやなにおいが発生しにくくなります。
電気代が気になるときは、あらかじめタイマーを設定し、数時間後に自動で電源が切れるようにしておくとよいでしょう。
賃貸で部屋干しするのにおすすめの場所
賃貸物件での部屋干しにおすすめの場所は、次の3つです。
- 風呂場
- 洗面所
- エアコンの近く
理由を詳しく解説します。
風呂場
賃貸物件で部屋干しをするのに、最適な場所は風呂場です。
物件によっては、部屋干しのために浴室換気暖房乾燥機や、ランドリーパイプが備わったところもあるでしょう。
風呂場には換気扇があるため、部屋干しをしても湿気がこもりにくく、常に新鮮な空気を循環できます。
換気効率を上げるために、風呂場のドアは閉めたままで換気扇を回すのがおすすめです。
さらにマグネットタイプの物干し竿ホルダーを取り付ければ、一般的な浴室でも十分洗濯物を乾かしやすい場所になるでしょう。
洗面所
浴室の隣の洗面所も、部屋干しをしやすい場所の1つです。
洗面所・脱衣場・洗濯機置場を兼ねた賃貸物件が多いので、洗濯機から取り出した洗濯物を干しやすく、スムーズに家事を終えられます。
壁に突っ張り棒を取り付ければ物干し竿代わりにもできますが、洗濯機の近くで使えるランドリーラックもおすすめです。
ハンガーラック付きのタイプもありますので、スペースを有効活用しつつ、部屋干しの場所も確保できます。
エアコンの近く
洗濯物の乾きやすさを重視するなら、エアコンの近くで洗濯物を干すとよいでしょう。
最近ではエアコンの左右にフックを取り付け、室内用の物干し竿を設置できるポールホルダーも販売されています。
エアコンの風が直接あたるので洗濯物も乾きやすく、湿度をコントロールする除湿運転なら、カビの発生を抑えるのにも効果的です。
ただしフィルターが汚れていると、エアコン内部の汚れが直接洗濯物についてしまいます。
ハウスダストなどの影響を抑えるためにも、エアコンのフィルターは定期的な掃除を心がけてください。
賃貸で部屋干しをするときの注意点
賃貸物件で部屋干しをするときは、次の2つに注意しましょう。
- カーテンレールに干すのは避ける
- 壁にキズをつけないように注意する
それぞれ解説します。
カーテンレールに干すのは避ける
室内に洗濯物を干す場所がないときに、よく使われるのがカーテンレールです。
しかし賃貸物件に限らず、部屋干しでカーテンレールを使うのはおすすめできません。
濡れた洗濯物は水分を含んで重みを増し、カーテンレールに日常的に負荷をかけてしまいます。
最悪の場合、カーテンレールの歪みによる変形や、レール自体が壁から外れてしまうこともあるでしょう。
また常に洗濯物の片側がカーテンに接した状態になるため、湿り気を帯びてカビも生えやすいです。
変形や歪みを避けるためだけでなく、衛生的な問題からも、カーテンレールに洗濯物を干すのはやめましょう。
壁にキズをつけないように注意する
賃貸物件の入居者には、原状回復義務があります。
入居者は入居中につけたキズや汚れを修繕し、退去時には入居前の状態に戻さなければなりません。
賃貸物件の壁のキズでよくあるのが、突っ張り棒を外れにくくするために、設置に力を入れすぎてしまうケースです。
突っ張り棒を取り付けるときは、設置する場所の壁紙を破いたりキズつけたりしないように、十分注意してください。
またドア枠も洗濯物を干す場所として日常的に使っていると、思いがけず負担をかけやすい場所です。
部屋干しで洗濯物をかけるときは、日頃から歪みや反りなどの不具合が出ていないか、注意して見ておきましょう。
賃貸物件の原状回復については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
まとめ
賃貸物件を選ぶときは、つい駅からの近さや物件の新しさを重視しがちですが、洗濯物を干す場所のように、住んでからの快適さを考えるのも大切です。
物件の希望条件や不安な点があれば、迷わず不動産会社の担当者に相談してください。
希望するエリアの物件に詳しい不動産会社の担当者から適切なアドバイスを受けながら、効果的に物件探しを進めていきましょう。