アパートで借りる部屋を決めるとき、「1階と2階のどちらにしようか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
同じ間取りでも、階数によって住み心地は違って感じられるため、それぞれのメリット・デメリットを知っておくことが大切です。
これから住む物件を探している方に向け、アパートの1階と2階の違いを解説します。
メリット・デメリットをはじめ、向いている人の特徴や騒音についても紹介しますので、ぜひ物件を選ぶ参考にしてください。
この記事の目次
アパートの1階に住むメリット・デメリット
はじめに、アパートの1階に住むメリット・デメリットを紹介します。
1階で感じるメリット
アパートの1階を選ぶメリットは、以下の4つです。
- 家賃が安い
- 出入りがしやすい
- 引っ越しを含む搬入がしやすい
- 生活音が響きにくい
賃貸アパートで最も家賃が安いのは1階で、階数が上がるにつれて家賃は高額になります。
仮に1階の家賃が2階よりも2,000円安ければ、同じ間取りや設備でも、年間2万4,000円の差が発生。
賃貸アパートの入居時に支払う、敷金・礼金や保証会社の利用料といった初期費用も家賃を元に計算されるため、1階の方がコストを抑えて入居できます。
さらに1階は階段やエレベーターを利用する必要がないため、手間や時間をかけずに出入りできるのも魅力的。
引っ越しの搬入もしやすく、「吊り上げ」などの特殊搬入で追加費用がかかる心配もありません。
また下の階がないので足音や生活音が響きにくく、小さな子どもがいる子育て世帯では、あえて1階を希望する方も多いです。
1階で感じるデメリット
アパートの1階を選ぶデメリットには、以下の4つがあります。
- 防犯性が低い
- 外からの目線が気になりやすい
- 害虫が侵入しやすい
- 日当たりや通風が制限されやすい
特に防犯性の低さと外からの目線が気になりやすい点は、アパートの1階でよく挙げられるデメリットです。
1階はベランダや窓からの侵入リスクが他の階よりも高いですし、カーテンの開け閉めや洗濯物を干す場所にも気を遣います。
また地面から近いため害虫の侵入を受けやすく、周囲の建物に遮られて日当たりや通風が制限されるといった影響もあるため、内見で現地の様子をよく確認しておきましょう。
アパートの1階はこのような人におすすめ!
アパートの1階がおすすめな人は、以下の通りです。
- 家賃を抑えたい人
- 移動を楽にしたい人
- 子育て世帯
アパートの1階は他の階に比べて家賃が安いため、できるだけ家賃を抑えたければ1階の部屋を検討しましょう。
また階段やエレベーターを使わずに部屋に入れるため、移動を楽にしたい方や、高齢の方にもおすすめです。
さらに子育て中の世帯からも、騒音で周囲に迷惑をかけたくないからという理由で、1階はよく選ばれています。
ただしアパートでは、足音や生活音などの騒音は建物を伝って左右や上の階にも響きやすいです。
集合住宅では階数に限らず、周囲への配慮を心がけましょう。
アパートの2階に住むメリット・デメリット
1階に続き、アパートの2階に住むメリット・デメリットを紹介します。
2階で感じるメリット
アパートの2階を選んだときのメリットは、以下の3つです。
- 日当たりや通風がよい
- 防犯面での安心感がある
- 害虫の侵入を受けにくい
アパートの2階は周囲の建物の影に入りにくく、風も吹き抜けやすいため、1階よりも日当たりと通風がよくなります。
外からの視線が気になりにくいため、洗濯物の外干しや窓を開けての換気もしやすく、防犯面でも安心感があるでしょう。
また地面から距離があるため、1階よりも害虫の侵入を受けにくいです。
ただし、害虫の侵入を完全には防げないので、小まめな清掃や害虫対策は欠かせません。
アパートでの害虫対策が気になる方は、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
2階で感じるデメリット
2階を選んだときのデメリットは、以下の3つです。
- 移動に手間がかかる
- 夏に暑く感じやすい
- 生活音への配慮が必要
2階へ行くには階段やエレベーターを使わなければならないため、買い物帰りで荷物が多いときは移動が大変です。
特にエレベーターがなく階段のみの物件は、引っ越しや家具の搬入時に追加料金がかかる場合もあるため、見積もりを確認してください。
さらに日当たりがよい2階は、1階と比べて夏は暑く感じやすいです。
遮熱・遮光に優れたカーテンを取り付けるなどで、工夫しましょう。
また、足音や椅子を引く音などの生活音が階下へ響きやすいため、生活音への配慮も欠かせません。
近隣とのトラブルを防ぐためにも、カーペットやラグを敷くなど、事前の対策を検討してください。
アパートの2階はこのような人におすすめ!
アパートの2階がおすすめな人は、以下の通りです。
- 日中、部屋で過ごすことが多い人
- 外からの視線を気にせず過ごしたい人
- 防犯性が気になる人
アパートの2階は日当たりや通風に優れるため、1階よりも住環境に恵まれた部屋が多いです。
そのため自宅で仕事をしている人や、テレワークの機会が多いなど、日中室内で過ごす機会が多い人に適しています。
2階から景色を眺めれば、仕事や家事の合間の息抜きもしやすいです。
また2階は、外から部屋を覗かれる心配も少なくなります。
洗濯物も外干ししやすく、視線を気にせずリラックスして過ごしやすいでしょう。
さらに道路と面していないため、1階と比べて泥棒が侵入するリスクも下がります。
何もしないのは危険ですので、外出中は鍵をかける、就寝中も窓を開けておくときは補助錠をかけるなど、基本的な対策は徹底してください。
アパートを選ぶときに階数以外で注意すべきポイント
一人暮らしするアパートを選ぶときは、階数以外にも注意しておきたいポイントが3つあります。
- 周辺環境や治安の良さ
- 住人の生活状況
- ゴミ捨て場の使用状況
それぞれ詳しく見ていきましょう。
周辺環境や治安の良さ
一人暮らし用の物件を選ぶなら、周辺環境や治安の良さは、内見で必ず確認してください。
主なポイントは、以下の3つです。
- 周辺にスーパーやコンビニなど、買い物しやすい店舗はあるか
- 騒音やにおいを感じにくいか
- 歓楽街に近すぎないか
- 帰宅路は暗がりや死角が少なく、安全か
一人暮らしでは、家事の一切を自力で行わなくてはならないため、周辺に買い物しやすい商業施設があるかは大切なポイント。
自炊中心の生活をするつもりでも、疲れたときや体調が優れないときに食事を確保できるように、惣菜を買えるスーパーが近くにあると安心です。
周囲に幹線道路や踏切など、騒音が発生しやすい場所やにおいを感じやすい飲食店が近ければ、実際に窓を開けてどの程度の様子かを確認しておきましょう。
また安全に過ごすためにも、歓楽街に近すぎないか、夜道が十分に明るいかどうかなど、周辺の治安にも注意して物件を選んでください。
アパートを内見するときのポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にご覧ください。
住人の生活状況
いくら気に入った物件でも、隣人の生活マナーに悩まされると住み心地は悪くなってしまいます。
周辺環境や部屋の設備だけでなく、住人の様子にも注意しましょう。
アパートの共用部に私物を置いていないか、ゴミを溜めていないかなど、外からでも様子は把握できます。
またエントランスに掲示板があれば、住人への注意事項が貼りだされていないかも確認してください。
もし騒音への注意事項があれば、不動産会社の担当者に様子を聞いてみるとよいでしょう。
ゴミ捨て場の使用状況
アパートのゴミ捨て場は、住人の生活マナーに対する配慮があらわれやすい場所です。
内見ではゴミ捨て場の様子もチェックし、収集日と時間が守られているか、そのまま放置されたゴミが残っていないかを確認しましょう。
ゴミ捨て場が荒れていると、衛生環境が悪くなるだけでなく、害虫の発生や部屋への侵入にもつながります。
1階への入居を検討している方は、特に念入りに確認してください。
アパートの1階と2階はどちらがうるさい?
多くの世帯が入居するアパートで問題になりやすいのが、生活音による騒音です。
一般的に、足音などの生活音は上の階から伝わりやすいので、1階の方が騒音を感じやすいといえます。
特に足音や椅子を引く音が響きやすいため、2階以上に住むなら防音性の高いカーペットを敷いたり、スリッパを履いて生活したりといった配慮が大切です。
小さな子どものいる子育て世帯では、子どもを静かにさせるのは難しいからと、はじめから1階限定で物件を探すケースもあります。
しかし、騒音は壁や天井を通して上の階にも響きやすいため、1階だから騒いでも安心というわけではありません。
さらに騒音は、大声での会話や深夜のテレビや音楽の音、窓を強く閉める音など、種類も多いです。
アパートの1階であっても2階であっても、集合住宅に住むのであれば、周囲に迷惑をかけないための配慮が求められます。
アパートの1階と2階の騒音でよくある質問
アパートの1階と2階の騒音について、よくある3つの質問を見ていきましょう。
Q1.木造住宅は1階の音が2階に伝わりやすいって本当?
木はコンクリートよりも音を伝えやすいため、木造住宅の方が鉄筋コンクリート造の建物よりも騒音を感じやすいです。
防音性を重視するなら、木造ではなく遮音性の高い鉄筋コンクリート造のアパートを選びましょう。
また隣室のリビングと寝室が隣り合った間取りだと、お互いの生活音が気になりやすくなります。
騒音が気になるなら、間にキッチンやお風呂・洗面所といった水回りや収納が挟まれた、生活音の伝わりにくい間取りを選ぶのも大切です。
Q2.1階の音が2階に響くときの対策は?
1階から2階に響くのは、足音や子どもが飛び跳ねてしまったときの音など、振動を伴うものが多いです。
騒音対策をするなら、少しでも振動を抑えるために、1階であってもクッションマットを使うとよいでしょう。
2階に伝わる振動には、ドアや引戸を閉める音や家電の動作音も含まれます。
忙しい社会人の一人暮らしでは、夜中に乾燥付きで洗濯機を回し朝に乾いた洗濯物を回収するという使い方もされますが、夜間の振動には十分な注意が必要です。
アパートの防音対策については、以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Q3.上の階の騒音をやめさせる方法は?
上の階からの騒音がひどいと文句を言いたくなりますが、棒で天井を突くことや、直接怒鳴り込むのは絶対にやめてください。
隣人トラブルの中でも、騒音問題は特に深刻なトラブルに発展しやすいです。
直接クレームを入れるのではなく、まずは大家さんや管理会社に相談し、対応を依頼しましょう。
複数の住戸が隣接する賃貸アパートでは、必ずしも騒音のする方向が原因の世帯とは限らないため、注意してください。
まとめ
アパートの1階と2階には、それぞれにメリットやデメリットがあるため、自分の生活スタイルや希望にどちらがあっているかを重視するのが大切です。
どのように物件を探すかで迷ったら、不動産会社の担当者に相談しましょう。
適切なアドバイスで、スムーズなお部屋探しを進めてください。